ものづくり補助金平成24年度山梨県

大物板状製品簡易側面切削加工機の開発

株式会社中家製作所

成果大物板材(□1200mm)の側面加工に特化

この事例のポイント

  • 大型の板状製品の側面加工では、立型加工機で上下面を加工した後、大型横型加工機(MC)に段取り替えして再搭載する必要があり、作業効率が悪かった。
  • 切削加工会社だが工作機械は専門外であったものの、社内の技術設計部門が中心となり、大物板状製品の側面を加工する簡易側面切削加工機HMC1855を自ら開発・製作した。
  • 大物板材(□1200mm)の側面加工に特化。段取り替えなしで4側面の加工ができ、任意の角度指定も可能になったことで、段取り時間が大幅に削減され、複雑な形状の加工も…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中家製作所
所在地山梨県 中巨摩郡昭和町
業種はん用・生産用・業務用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数80人
設立1962年

事業の背景

創業は昭和37年で、時計やカメラなどの精密部品の切削を行う会社として設立された。昭和40年から50年にかけて、小物量産からOA機器・電気機器の加工やユニット組立、半導体製造装置や自動化機器などの少量多品種の大物加工へと移行した。現在は主に半導体製造装置に使われる精密真空装置部品の切削加工を行っており、主力の大型真空プロセスチャンバーの切削加工を短時間で行うため、最新の大型工作機械の導入が進められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型の板状製品の側面加工では、立型加工機で上下面を加工した後、大型横型加工機(MC)に段取り替えして再搭載する必要があり、作業効率が悪かった。
  • 人手・技能段取り替えには治具板への取り付けや芯出し、平行出しといった熟練作業が必要で、量産品を流しているMCを止めて長時間占有することになり、多くの時間と労力が無駄になっていた。
  • 納期・工程簡単な側面加工でも大型横型加工機を長時間占有するため、作業効率化と短納期化が必要だった。

やったこと

切削加工会社だが工作機械は専門外であったものの、社内の技術設計部門が中心となり、大物板状製品の側面を加工する簡易側面切削加工機HMC1855を自ら開発・製作した。大型薄板側面加工に特化した専用機として、4側面は段取り替えなしで加工でき、任意の角度指定も可能なターンテーブル式とした。架台フレームは溶接構造を採用して低価格、短納期、高精度を図った。高価な専用NC装置は使わず汎用PLCで制御し、既存のMCと共通のGコードで動作させることでユーザーインターフェイスを構築した。主軸がツール交換位置まで移動する方式によりツール交換アームを省略して低コスト化し、切削液供給装置を搭載して穴加工、タップ加工から簡単なフライス加工まで可能とした。組立では大型重量物をホイストクレーンで吊り上げながら作業し、ネジ締めや組立精度、位置合わせに注意を払い、目標の加工精度上0.01mmを出せる工作機械を目指した。

新しい製品・サービス:大型板状製品簡易側面切削加工機HMC1855

事業の効果

  • 大物板材(□1200mm)の側面加工に特化
  • 上0.01mmの加工精度を出せる工作機械

段取り替えなしで4側面の加工ができ、任意の角度指定も可能になったことで、段取り時間が大幅に削減され、複雑な形状の加工もできるようになった。立型加工機と大型横型加工機の間の段取り替えが不要になり、量産品を流しているMCを長時間占有せずに済むため、作業効率と短納期化が向上した。汎用PLCの採用やツール交換アームの省略によりコストも抑えられ、社内で使いながら経年変化による機械精度の狂いがないかを検証している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の精密切削からの移行や社内の声を起点に専用機を開発した経緯は読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競合の動向には触れず、既存MCとの共通プログラム方式など社内資源の活用がわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決3

    段取り替えや横型MCの占有による効率悪化という課題を認識し、簡易側面切削加工機で解決を図った点は読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    段取り時間の大幅削減や低コスト化とあるが、具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    工作機械の開発経験がないなか、プロジェクトリーダーや技術設計部門が体制を組んで完成させた経緯は読める。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大型薄板の側面加工に特化する点や段取り削減で顧客ニーズに応える点は示されるが、ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    完成後の市販化に向けた市場調査やコストダウン検討が今後の課題として述べられるのみ。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大物板状製品の側面加工に特化した専用機で、汎用の横型MCとの差別化は示されるが市場の希少性は数値で示されない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はなく、わずかに国内の切削加工メーカーへの展開構想がうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    低コスト化や段取り時間の大幅削減など費用対効果を示す記述はあるが、補助金額に対する数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は3次元CADや汎用PLC制御に触れる程度で、業界全体のイノベーションへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山梨県の工業団地に立地する点は示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出としては書かれていない。

今後の展望

社内で上げられた声を同様の形態を持つ国内の切削加工メーカーに発信していきたいと考えており、市場調査を行い、設計変更も視野に入れたコストダウンを検討して市販化に向けて取り組む予定である。

事業者の声

自分達で工作機械を作ってみろ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。