ものづくり補助金平成24年度長野県

油圧ショベルのフレームハウス溶接工程の削減と一体化の試作開発で低価格化を実現

株式会社小松製作所

この事例のポイント

  • 油圧ショベルのフレームハウスは複雑形状化に対応するため、デザイン変更と一層のコスト削減が課題となっていた。
  • 溶接ロボットシステムや門型五面加工機、表面処理機械など大型化に対応した設備を導入した。
  • 油圧ショベルのフレームハウスについて、溶接工程の削減と一体化によりコスト削減を実現し、油圧ショベル分野での市場獲得を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小松製作所
所在地長野県 松本市
業種はん用・生産用・業務用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数58人
資本金1,000万円
設立1938年

事業の背景

リーマンショック後、主力だった建設機械メーカー数社からの受注が減少した。一方で新たな顧客からの受注が経営を支えた。そこで、取り組み始めていた中型高精度分野から中大型高精度分野へのシフトを本格化した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力油圧ショベルのフレームハウスは複雑形状化に対応するため、デザイン変更と一層のコスト削減が課題となっていた。
  • コスト・採算溶接工程が多く、コスト削減が求められていた。
  • 新製品・新技術パワーリハビリ機器市場では、利用者の安全性と高感性化を満たすデザイン性の向上に加え、短納期と低価格化が喫緊の課題となっていた。

やったこと

溶接ロボットシステムや門型五面加工機、表面処理機械など大型化に対応した設備を導入した。上下左右スライダー式溶接ロボットシステムなど最新鋭設備で大型製品を効率的に生産する仕組みを整えた。パワーリハビリ機器の重要な構成部品であるフレーム部品について、金属プレス精密加工技術の高度化と特殊仕様のショットブラスト法の導入により、溶接レス構造、表面仕上げの効率化、加工精度の向上、大幅な工程削減を実現した。高精度曲げ加工を行うベンディングマシンの導入にもものづくり補助金を活用した。

  • ロボット上下左右スライダー式溶接ロボットシステム
  • 加工機ベンディングマシン高精度曲げ加工機門型五面加工機表面処理機械
  • その他ショットブラスト装置

事業の効果

油圧ショベルのフレームハウスについて、溶接工程の削減と一体化によりコスト削減を実現し、油圧ショベル分野での市場獲得を達成した。パワーリハビリ機器のフレーム部品では、溶接レス構造、表面仕上げの効率化、加工精度の向上、大幅な工程削減を実現し、健康・医療分野での事業拡大に向けた体制を整えた。中大型高精度分野の設備投資により、顧客の信頼を得て受注が増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    1980年代までの自社ブランド開発から公共工事、リーマンショック後の中大型高精度分野へのシフトが記載され、一貫性はうかがえるが戦略の明文化は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    リーマンショックで建設機械メーカーの受注が減った一方、新顧客の受注が支えた点や大型化設備を武器にした記述があり、強みへの言及はあるが定量的な優位性は薄い。

  • 課題の認識と解決2

    受注減という課題と中大型分野への設備導入は読み取れるが、高付加価値化や成長につながる計画の数値や実効性の記述は確認できない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員58人で設備導入や新社屋建設を進めた記述はあるが、補助事業を遂行する体制や人材の具体的な説明は確認できない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療・介護向けパワーリハビリ機械の主要部品の受注や高品質な大型製品の生産といった顧客ニーズへの対応は書かれているが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    隣接工場の借用、レーザー板金工程の集約、2014年11月の新社屋建設など工程や時期の記述はあるが、中長期の検証や解決方法は確認できない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    大型・高精度の板金や切削は一般的な分野との記述にとどまり、新分野や高価格化の水準を示す記述は確認できない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    南海トラフ地震に備えた安全対策や環境・省エネ分野への取り組み、被災地復興への貢献が挙げられているが、波及効果の定量的な説明はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    ものづくり技術の社会的な必要性はうかがえるが、先端デジタル技術やビジネスモデルの記述は確認できない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    環境・省エネや防災分野への対応がうかがえるが、構造転換への寄与を示す記述は確認できない。

  • 地域経済への波及2

    松本市の企業として地域での事業は示されるが、地域特性を活かした付加価値や雇用創出の具体的記述は確認できない。

今後の展望

今後受注の伸びが期待される分野は建設機械にとどまらず、被災地復興や国土強靱化、南海トラフ地震への安全対策、環境・省エネ分野にも同社のものづくり技術が求められている。

事業者の声

積極的な営業の成果というよりも、お客様が別のお客様をつないでくださった結果です。今後世の中で必要になってくる分野に対して、当社として役に立てる取り組みができれば良いなと思っています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。