ものづくり補助金平成24年度岐阜県

新たなレーザーエッチング技術によって刃物製造技術向上と付加価値サービスを提供する事業

株式会社清水刃物工業所

この事例のポイント

  • CAD形式のデザインデータを鮮明に刃物へ転写・加工できる新技術の確立が課題だった。
  • レーザーエッチング加工機を新しく導入した。
  • レーザー加工により薬品・インク・製版・冶具が不要となり、加工時間を大幅に短縮して短納期に対応できる生産体制を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社清水刃物工業所
所在地岐阜県 関市
業種金属製品製造業
技術分野金型
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1979年

事業の背景

主に家庭用・業務用包丁などを製造・販売し、プライベートブランド製品や各刃物会社のOEM製品も手掛けている。替刃包丁サービスも提供し、顧客との継続的な信頼関係づくりに力を入れている。消費者の価値観が多様化しECが活性化する中、刃物業界では品物の個性化・高付加価値化と小ロット多品種化・短納期化が求められていた。食品加工業者から管理ナンバーや使用者名のマーキング依頼が増え、食の安全意識の高まりから薬品・インクを使わないマーキングの要望も強かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度CAD形式のデザインデータを鮮明に刃物へ転写・加工できる新技術の確立が課題だった。
  • 新製品・新技術薬品やインクを使わないマーキング技術の確立が課題だった。
  • 生産能力生産の小ロット多品種化と短納期化への対応が課題だった。

やったこと

レーザーエッチング加工機を新しく導入した。CADデータ等を刃部・柄部に正確に表現するための試作を繰り返し、技術力の向上を図った。CAD形式(DXFデータ)に対応した加工技術を習得し、様々なデザインを用いた鮮明でエッジの際立つマーキング加工を、金属製の刃部・柄部や樹脂・木の柄部に施せるようになった。レーザーマーキングは薬品・インクが不要で安全性が高く、製版や冶具の製作・セッティングも不要である。ピザカッター等の特殊形状刃物やタイ語等の特殊文字にも対応できるようになった。

加工機レーザーエッチング加工機

新しい製品・サービス:「名入れチケット」(500円/回)

事業の効果

レーザー加工により薬品・インク・製版・冶具が不要となり、加工時間を大幅に短縮して短納期に対応できる生産体制を確立した。刃物1本からの名入れ・文字入れサービスが可能になり、商品の付加価値を高めた。自社ショッピングサイトでは名入れチケットの新サービスを展開し、個人顧客の要望にも応えられるようになった。安全性の高い加工により食品加工業者などの要望にも応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の刃物製造・OEM・替刃サービスから名入れサービスへ転換したと記載され、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の明確な位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の要望(食品加工業者の管理ナンバー、調理師学校の氏名入り包丁)と食の安全意識の高まりに触れているが、競争優位の根拠となる数値や比較は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    課題として薬品・インク不要のマーキング技術と小ロット多品種化・短納期化を挙げ、レーザー加工機導入で解決する流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上や短納期化の方向性は書かれているが、目標値や賃上げの数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    試作の繰り返しによる技術力向上の記載はあるが、人材や事務体制を具体的に示す記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットは個人の贈答需要や調理師学校・食品加工業者とされ、名入れチケット500円/回など具体的な提供内容と顧客要望が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    試作の取組を繰り返し技術力を高めたとあるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ピザカッター等の特殊形状刃物やタイ語等の特殊文字対応など、一般的でない高付加価値化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の刃物産業への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由の記述は少ない。

  • 費用対効果2

    加工時間の大幅短縮と短納期対応は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加額などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザーエッチングのデジタルデータ活用(DXFデータ)と食品業界への対応は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    関市の刃物製造という地域性は読み取れるが、地域経済の成長や雇用創出への言及は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。