ものづくり補助金平成24年度静岡県

NCマイクロブラスト装置による高速部品加工

株式会社アルプスエンジニアリング

成果エア消費量 609立方メートル→175立方メートル

この事例のポイント

  • 顧客の要求が精度の安定化や生産効率化へと高度化しており、既存のマイクロブラスト装置では対応が難しくなっていた。
  • 加工環境の影響を取り除くため、装置を環境管理ブースで覆い、天候などの外部要因に左右されない構造とした。
  • エア消費量 609立方メートル→175立方メートル。NC駆動方式により加工時間とエア消費量を大幅に削減し、装置1台当たり約70%のエア消費量削減と電気料金の削減が期待でき…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルプスエンジニアリング
所在地静岡県 浜松市
業種はん用機械器具・生産用機械器具・業務用機械器具
技術分野切削加工
従業員数70人
資本金8,500万円
設立1975年

事業の背景

マイクロブラストは、数ミクロンから数十ミクロンの微細な加工を均一に行える技術で、同社は世界に先駆けて実用化に成功した。近年は半導体関連や電子部品の材料としてガラスやセラミックスなどの新素材が台頭し、新しい加工法としてマイクロブラストが脚光を浴びている。同社のマイクロブラスト事業は直近数年、年間30〜40%増と高い成長を続けてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力顧客の要求が精度の安定化や生産効率化へと高度化しており、既存のマイクロブラスト装置では対応が難しくなっていた。
  • コスト・採算従来の全体に吹き付ける方式ではエア消費量が多く、コンプレッサーの負担と電気料金がかさんでいた。
  • 品質・精度高温多湿な環境では静電気破壊や研磨剤循環不良が起こりやすく、加工品質が安定しなかった。
  • 品質・精度梅雨の時期は不良率が高くなっていた。
  • その他研磨材の粉末が飛散すると健康や環境への影響につながるため、対策が求められていた。

やったこと

加工環境の影響を取り除くため、装置を環境管理ブースで覆い、天候などの外部要因に左右されない構造とした。研磨材を噴射するノズルは口径の異なる2種類を比較し、径の小さい方を採用した結果、エア消費量を約4分の1に抑えた。さらに機械精度を高めることで、大きい径とほぼ同等の加工速度を実現できることも確認した。従来の全体に吹き付ける方式から、加工が必要な部分だけに研磨材を集中して吹き付けるNC駆動方式に変更した。量産対応を想定してノズルは4本とし、1つのブースに複数台の装置を導入できるようにした。

  • 加工機高効率・省電力マイクロブラスト装置NC制御

新しい製品・サービス:NC制御により省エネルギーと高精度加工を両立させた、高効率・省電力マイクロブラスト装置。

事業の効果

  • エア消費量 609立方メートル→175立方メートル
  • 特殊強化ガラス基板の試作では加工時間を約3分の1に短縮できた。

NC駆動方式により加工時間とエア消費量を大幅に削減し、装置1台当たり約70%のエア消費量削減と電気料金の削減が期待できる。生産性が高く作業環境の良い設備と安定した工程が確立し、特殊強化ガラス基板の試作では加工時間が約3分の1に短縮された。外販せず自社で装置を持ち受託事業として展開することで、技術の優位性を維持しながら事業拡大を図る方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    マイクロブラストはリーディングカンパニーとして従来から手がけてきた事業で、年間30〜40%増と成長を続けてきたと記載があり、経営上の位置付けが明確に読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体・電子部品材料のガラスやセラミックスの需要拡大を外部環境として挙げ、自社の強みとして装置の外販をせず自社受託で優位性を保つ方針が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    温湿度による不良率上昇やエア消費量の課題を認識し、NC駆動化で加工時間とエア消費量を大幅に削減、特殊強化ガラス基板の加工時間を約3分の1に短縮と具体的に記載。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    エア消費量を約609から約175立方メートルへ、装置1台あたり約70%削減する見通しなど数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    開発陣が技術検討会で議論していることや、ブラスト室を改修し平成○年中に完成させる計画が書かれているが、人材や事務体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体関連メーカーからの受託事業として展開し、顧客の要求高度化に応える点は示されるが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の詳細は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    初年度に開発機2台、5年後に14台設置する段階的計画と、NC経路の重複による寸法精度低下という課題と解決の方向性が記載されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マイクロブラストは世界に先駆けて実用化された技術で、年間30〜40%増と成長し、既存の同分野で高水準の高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    半導体・電子部品材料の新しい加工法として脚光を浴びていると記載はあるが、国が補助する理由となる雇用創出や波及効果の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果4

    エア消費量を約70%削減し電気料削減も期待できるとし、加工時間を約3分の1に短縮と具体的な効率化効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    NC制御による省エネ・高精度化は示されるが、サプライチェーンやローカルイノベーションへの貢献について明示的な記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    半導体関連材料の需要拡大に乗る事業とはうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    浜松市や鹿児島工場での事業展開が書かれ地域拠点を活かす様子はうかがえるが、地域経済の牽引や雇用創出の具体的記述は薄い。

今後の展望

初年度は開発機を2台設置し、5年後には14台を設置して事業拡大を図る計画である。本社工場の一角をブラスト室として改修し、平成の年内に完成させる予定である。鹿児島工場の増強も計画している。

事業者の声

マイクロブラストのリーディングカンパニーとして、他社に対しアドバンテージを維持していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。