ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

生産方式改革とIoT駆使による業容拡大で外販比率29%へ革新

株式会社大石工作所

成果切断・開先加工の所要時間 18.3分→2.4分

この事例のポイント

  • 大手化学品メーカーからの高度な要求への対応を重ねた結果、依存度が高まり、積極的な業容拡大が困難になっていた。
  • 三次元加工を可能とする3Dレーザー加工機(3D FABRI GEAR 400 2、4.0kW)を導入し、切断スピードと加工精度が大きく向上した。
  • 切断・開先加工の所要時間 18.3分→2.4分。3Dレーザー加工機の導入により、角パイプへの長孔やタップ切りなど中間部品の生産と、パイプ先端のノッチ(歯先)加工といっ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大石工作所
所在地愛媛県 新居浜市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1961年

事業の背景

昭和13年の創業で一般建設業の許可を取得し、一貫して地元の大手化学品メーカーのプラントメンテナンス事業を展開してきた。近年は大手化学品メーカーからの高度な要求に応えてきた結果、取引への依存度が高まり、積極的な業容拡大が難しい状況にあった。そこで自社工場を再整備し、共創型の攻めの経営へ転換することを計画した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大手化学品メーカーからの高度な要求への対応を重ねた結果、依存度が高まり、積極的な業容拡大が困難になっていた。
  • 人手・技能配管加工の初期工程の切断・開先加工などの前処理が作業者の経験と勘に頼っており、前処理品質にばらつきがあった。
  • 生産能力自社工場の自働化と省力化が十分でなく、生産性と品質の向上が課題となっていた。

やったこと

三次元加工を可能とする3Dレーザー加工機(3D FABRI GEAR 400 2、4.0kW)を導入し、切断スピードと加工精度が大きく向上した。これまで作業者の経験と勘に頼っていた配管加工の初期工程であるパイプの切断、切断面のバリ取り、溶接のための開先加工などの前処理作業を自動化した。これにより前処理品質のばらつきが解消され、安定した品質を確保できるようになった。前処理に要していた時間は正味作業に組み入れられ、配管加工全体で付加価値時間が大きく増加した。IoT技術も導入し、社内体制を一新した。

加工機3D FABRI GEAR 400 2(3Dレーザー加工機、4.0kW)
ソフトIoT関連の設備・システム

新しい製品・サービス:3Dレーザー加工機による精密加工品

事業の効果

  • 切断・開先加工の所要時間 18.3分→2.4分
  • 原価率は約30ポイント低減した。
  • 配管加工全体(切断〜本溶接)の生産性が概ね13%改善された。

3Dレーザー加工機の導入により、角パイプへの長孔やタップ切りなど中間部品の生産と、パイプ先端のノッチ(歯先)加工といった複雑で精密な三次元加工が可能になった。配管プレハブの前工程が省力化され、切断・開先加工の所要時間は87%削減、原価率は約30ポイント低減した。配管加工全体の生産性は概ね13%改善し、付加価値時間も大幅に増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のプラントメンテナンス事業と配管加工の蓄積に言及し、3Dレーザー加工機で外販を広げる方針は読めるが、位置付けの詳細は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手化学メーカーへの依存度が高く業容拡大が困難と課題を示し、3D加工で潜在市場を開拓すると記載している。強み・弱みの分析は具体的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    依存度の高さや生産性を課題として示し、切断・開先加工を24分から2.4分へ(87%削減)、原価率30ポイント低減と効果を数字で記載している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    切断・開先加工の所要時間を87%削減、配管加工全体の生産性を約13%改善と数字で示している。ただし賃上げや付加価値の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    3次元の特殊加工で角パイプ中間部品やパイプ先端ノッチ加工など、顧客ニーズに応じた用途は示されているが、ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動として展示会出展や販路開拓、精密加工品の新たな収益源確保が挙がっているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3D加工による精密加工品の潜在需要開拓を掲げ、四国初の3Dレーザー加工機導入と記載されているが、市場水準の数値比較はない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地域強靭化策の一環として展示会への出展推薦を受けたと記載され、地域への波及は読み取れるが、雇用や需要創出の数字はない。

  • 費用対効果4

    約2,000万円規模の資本金に対し、切断・開先加工の時間を87%削減、配管全体の生産性を約13%改善と効果を数字で示している。投入額との対比はない。

  • イノベーションへの貢献3

    三次元レーザー加工と設備加工による品質の安定化は読み取れるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    精密加工品の開拓や総合エンジニアリング企業への変革は書かれているが、日本経済の構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及3

    新居浜市と西条市の地域強靭化策に触れ、瀬戸内商圏への販路拡大を掲げているが、地域成長への貢献の具体性は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

各種展示会を活用して販路を開拓し、愛媛県新居浜市と西条市が共同で進める地域強靭化策の一環として展示会出展の推薦を受けるなど、認知度向上に取り組む。販売改革として業容拡大の基盤を築き、3Dレーザー加工機による精密加工品の潜在需要を開拓して新たな収益源の確保を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。