ものづくり補助金平成24年度愛知県

電気自動車向けリチウム電池に使用される絶縁プレート生産用金型の開発

株式会社山田製作所

成果金型寿命 1倍→9倍

この事例のポイント

  • ベークライトのプレス加工に使う金型は寿命が半年ほどしかもたず、金属用金型の寿命が10年とされるのに比べて短いことが長年の悩みだった。
  • ワイヤ放電加工機を導入した。
  • 金型寿命 1倍→9倍。超硬金型の開発により金型の寿命が従来の9倍以上に延び、ベークライトのプレス加工の課題を克服した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社山田製作所
所在地愛知県 刈谷市
業種はん用機械器具・生産用機械器具・業務用機械器具製造業
技術分野金型
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

同社は車載用モーターなど自動車電装部品の絶縁体をメインに手がけており、材料はベークライト(フェノール樹脂)である。電気自動車向けの受注が好調で、ベークライトのプレス加工をメインで手がける点は珍しいとされる。電動化の流れが加速する自動車業界で、同社の存在感は増している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度ベークライトのプレス加工に使う金型は寿命が半年ほどしかもたず、金属用金型の寿命が10年とされるのに比べて短いことが長年の悩みだった。
  • 生産能力金型の耐久性と剛性を上げるため超硬の金型を内製することが求められていたが、従来の設備では加工が難しく、時間もかかった。

やったこと

ワイヤ放電加工機を導入した。通電を避けるため油や水が使えない加工で、求める機能が充実していたため採用を決めた。条件出しから始まり、試作を経て量産用の超硬金型を製作した。その結果、従来の9倍以上という長寿命化に成功した。

加工機ワイヤ放電加工機

新しい製品・サービス:超硬金型(ベークライトのプレス加工用金型)

事業の効果

  • 金型寿命 1倍→9倍

超硬金型の開発により金型の寿命が従来の9倍以上に延び、ベークライトのプレス加工の課題を克服した。次世代自動車の普及が進む中で受注が増え、繁忙が見込まれている。今後は自動車以外の絶縁体を用いる分野の開拓も図っていく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    ベークライトのプレス加工を主力とし、超硬金型の内製化を進めてきたことは読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    電気自動車向け受注が好調で、絶縁体の他分野開拓も図るとあるが、市場動向と自社の強みを突き合わせた記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型寿命が半年ほどしかなく悩みだったという課題が明示され、超硬金型の開発で従来の9倍以上の長寿命化を達成したと記載がある。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    従来の9倍以上という長寿命化の数値目標と成果が具体的に示されており、実現済みの成果として読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    社員の4割近くが女性で多忙な体制とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理能力の確保状況は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    電気的特性や耐熱性を持つ絶縁体として自動車部品に用いられ、ベークライトのプレス加工という長所を生かす方針が明確に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    条件出しから試作、量産用超硬金型の製作までの工程と、ワイヤ放電加工機の導入という遂行方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ベークライトのプレス加工を主力とし、金属プレスより加工条件が難しい分野で、同社の特殊な加工能力が際立つことが示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    次世代自動車の普及が追い風とされるが、国が補助する経済波及や雇用創出の観点は明示されていない。

  • 費用対効果3

    従来の9倍以上の寿命化という効果は読み取れるが、補助金投入額に対する費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤ放電加工機の導入で超硬金型を製作したが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    電気自動車など次世代自動車の普及に対応し、自動車産業の電動化分野へ進出する点はうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    刈谷市に拠点を構える点はあるが、地域の特性を活かした雇用や地域経済の牽引についての記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

次世代自動車の普及が加速することが想定され、順調に受注を獲得すれば繁忙がさらに進むため、新工場の建設も視野に入れている。

事業者の声

金属のプレス加工へのシフトは全く考えていない。ベークライトのプレス加工という長所をしっかりと生かす

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。