ものづくり補助金平成24年度愛知県

超高精度治具製作のための最新研削機導入による生産プロセスの強化

株式会社ヤマヂ精密

成果納期 45日→40日

この事例のポイント

  • 航空機ジェットエンジンのタービンブレード加工用治具で求められる±0.01mmの精度を確保するのに手間がかかっていた。
  • 平成24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金を活用し、高性能の平面研削機を導入して、3台あった平面研磨機のうち1台と入れ替えた。
  • 納期 45日→40日。平面研削盤の導入により土台の平面度加工を機械化し、手作業と職人の修正作業を減らして品質を安定させた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヤマヂ精密
所在地愛知県 愛知郡東郷町
業種生産用機械器具製造業
技術分野切削加工
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

中部地区は自動車産業の集積がすでに進んでおり、開発が進む国産小型ジェット旅客機MRJなどで航空機産業の集積も進んでいる。ヤマヂ精密は自動車や航空機向けの精密加工用治具やゲージを主力としている。取引先の開発スピードアップのため治具などの調達サイクルも短くなり、納期短縮の要請は強まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度航空機ジェットエンジンのタービンブレード加工用治具で求められる±0.01mmの精度を確保するのに手間がかかっていた。
  • 品質・精度治具のベースとなる土台の平面加工を行う既存の平面研磨機は平面度10μmまでしか加工できず、加工後に職人がダイヤモンドの粉を使った手作業で仕上げていた。
  • 納期・工程土台の平面度仕上げの手作業に10時間かかり、治具を組み上げても精度が出ずに修正や検査を繰り返すことがあり、納期は40日程度かかっていた。
  • 人手・技能何年もの経験が必要な職人作業に頼っており、競争力向上のネックになっていた。

やったこと

平成24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金を活用し、高性能の平面研削機を導入して、3台あった平面研磨機のうち1台と入れ替えた。平面研削機で土台の平面度を高精度に加工することで、治具で位置決めする際に求められる複雑な角度からなる複数ポイントの精度もほぼ修正作業なしで出せるようになった。これにより、従来外注していた研磨工程などの一部を内製化した。また、ワイヤカット加工機を治具やゲージの高精度部品の加工に用い、複雑な形状でも5μm〜10μmの高精度を出せるようにして、最終仕上げや修正の手作業を減らした。

加工機平面研削盤
加工機ワイヤカット加工機

事業の効果

  • 納期 45日→40日
  • 平面度 10μm→5μm

平面研削盤の導入により土台の平面度加工を機械化し、手作業と職人の修正作業を減らして品質を安定させた。治具の組み上げ時の修正や検査の繰り返しが減り、納期が5日短縮して40日程度となり、競争力が高まった。外注していた研磨工程の一部を内製化したことで治具やゲージのコスト競争力が上がり、見積もりを従来より数%低くするだけで競合他社に対し価格優位性を出せるようになり、受注率も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の平面研磨機の老朽化と治具精度の課題に対し、機械化で解決する流れが書かれており、過去からの取組との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    航空機・自動車産業の集積と受注増、価格競争力の向上が具体的に書かれ、外部環境と自社の強みが結びつけて説明されている。

  • 課題の認識と解決5

    平面度10μmから5μmへの精度向上、納期40日程度、5日短縮、受注金額を年率5%増加など数字つきで課題と効果が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注金額を年率5%増やす方針と納期短縮の数値が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    職人の経験や人材確保に触れているが、体制や事務処理能力の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空機エンジン部品用治具など顧客ニーズと、見積もり価格の数%低減による受注率向上が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    平成30年秋をめどにワイヤカット加工機を1台増設し3台体制とする時期と投資額1500万円程度が示されている。

  • 財務と資金の調達2

    投資額は1500万円程度と示されるが、資金調達の方法や財務状況は書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超高精度治具の製作という分野で、同分野の中で精度を高めた取組であることがうかがえるが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    航空機産業の集積や国産小型ジェット旅客機の開発に触れているが、国が補助する積極的理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    投資額1500万円に対し、納期短縮や受注増、精度向上の効果が示されているが、付加価値額や生産性の数値は限定的。

  • イノベーションへの貢献2

    ワイヤカット加工機や平面研削盤の導入が書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    航空機産業などの成長分野に触れているが、日本経済の構造転換に資する点は具体的に述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    中部地区の産業集積に言及しているが、地域の雇用創出や経済成長への具体的な効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成30年秋をめどにワイヤカット加工機を1台増設して3台体制とし、高負荷を解消して受注増に対応する。投資額は1500万円程度を見込み、受注金額を年率5%増やす方針である。

  • 目標:受注金額を年率5%増やす方針

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。