ものづくり補助金平成24年度三重県

「安心灯」の性能保証と販売価格引き下げ対策を織り込んだ新基軸試作品の造出

進栄電子株式会社

成果灯器具重量 11kg→7kg

この事例のポイント

  • LED照明灯の全国規模への販売拡大には、大企業が海外で大量生産する安価な製品との競争に勝つ必要がある。
  • 照明灯の電源ボックスを灯具内部に組み込む一体化の構造設計を行い、構成部品の適正化により原価を圧縮した。
  • 灯器具重量 11kg→7kg。一体化により構成部品が減り、原価(変動費のみ)の圧縮率は54.3%となった。

事業者のプロフィール

事業者名進栄電子株式会社
所在地三重県 松阪市
業種電気機械器具製造業
技術分野電子部品・デバイスの実装
従業員数49人
資本金6,000万円

事業の背景

同社は電子回路機器の開発・製造、OEM、LED照明機器の設計・製造、各種センサー製品の設計・製造を事業としている。LED照明灯は津市のLED防犯灯に5年連続で採用されるなど実績を伸ばしてきたが、全国規模への販売拡大には、大企業が海外拠点で大量生産し市場参入している安価な製品への対応が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力LED照明灯の全国規模への販売拡大には、大企業が海外で大量生産する安価な製品との競争に勝つ必要がある。
  • 新製品・新技術販売先ごとに異なる要求仕様の特別仕様照明灯のニーズを掘り起こし、照明灯事業を拡大する必要がある。
  • コスト・採算照明部灯具と制御部BOXを一体化し、構成部品を削減して低原価の商品を開発する必要がある。

やったこと

照明灯の電源ボックスを灯具内部に組み込む一体化の構造設計を行い、構成部品の適正化により原価を圧縮した。灯具本体の外形肉厚を1mm厚くし、取付け金具部のリブ補強と天面の平坦化で着雪落下と高所作業の安全性に対応した。制御基板は温度上昇を測定して放熱性を検証し、LEDは実力値70mAの70%(約50mA)で使用する寿命対策を検討した。センサーレンズ、セード、一体化灯具の金型による試作評価品を7個製作し、6台を完成品として試作、うち1台は部品評価用、灯具本体は塗装強度試験用とした。PSE技術基準適合評価試験を第三者機関で実施し、指摘事項を受けて試作品を部分的に変更した。

新しい製品・サービス:電源を内蔵し一体化した非常用電源内蔵LED照明灯の試作品(従来製品と比べ小型・軽量化し、停電時7時間以上点灯)

事業の効果

  • 灯器具重量 11kg→7kg
  • 停電時点灯時間 7時間→7時間
  • 原価(変動費のみ)圧縮率は54.3%となった。

一体化により構成部品が減り、原価(変動費のみ)の圧縮率は54.3%となった。灯器具重量は約11kgから7.0kgに軽くなり、停電時の点灯時間は7時間以上を実現した。組立では部品点数が減り作業工数が減少した。長寿命化によりライフサイクルコストの低減が見込まれ、他社では対応しにくい客先要望にも応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のLED防犯灯の実績と全国展開の方針は読み取れるが、過去の取組との一貫した経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大企業の海外大量生産品との競争が課題と明記され、自治体防犯灯の5年連続採用や特別仕様対応という自社の強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    構成部品原価の圧縮率54.3%や一体化による原価3分の2の目標など、課題に対する数値付きの解決策が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    原価3分の2、停電時7時間以上点灯、重量11kgから7.0kgなど数値目標が設定され、試作で一部達成が示されている。

  • 事業を進める体制2

    試作開発の担当体制や人材、事務処理能力に関する記述はわずかにうかがえる程度で、具体的には読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    小型・軽量・長時間点灯・特別仕様対応といった差別化点と、全国108ヵ所約6,800灯の納入実績がニーズの裏付けとして示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作評価後にPSE指摘を反映し量産化に向けて品質向上を図るという流れは読み取れるが、スケジュールは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    LED照明の一般普及度には触れられていないが、特別仕様のニッチ分野を狙う点は示唆される。高付加価値化の数値は乏しい。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    防災照明や避難誘導の用途は記載があるが、国が補助する経済波及や雇用創出の理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    原価圧縮率など効果の数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    津市の防犯灯採用や三重県内の企業という地域性はあるが、地域経済の牽引や雇用創出への言及は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

全国の自治体や行政機関で特別仕様に対応するニッチ分野のマーケットを想定し、防災対策課や一般民間企業に営業を展開して、避難誘導灯や津波避難タワーの電気設備、避難所の防災照明として提案する。PSE指摘事項の対応を経て量産化に向けた品質向上を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。