ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

複雑形状・難削材部品の高精度・一貫加工体制構築と納期短縮

株式会社西野精器製作所

この事例のポイント

  • 従来の4軸複合加工機では六角穴の隅部を鋭角にする加工や円筒部・突起部の加工ができず、多くの部品でマシニングセンタによる後加工が必要だった。
  • 5軸複合加工機を新規導入した。
  • 5軸複合加工機の導入により、3次元加工や複雑形状の部品加工が可能となり、後加工が不要になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社西野精器製作所
所在地茨城県 ひたちなか市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数70人
資本金1,000万円

事業の背景

同社はカメラや半導体装置、自動車、コネクター、プリンター、医療機器などの精密試作部品を製作し、板金部と機械部が用途に応じて製作を担当している。近年は市場のグローバル化が進み、量産品の製作拠点は東南アジアに移る傾向にある。一方で開発部門は依然として国内にあるため、試作・開発品など少量品の加工依頼が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の4軸複合加工機では六角穴の隅部を鋭角にする加工や円筒部・突起部の加工ができず、多くの部品でマシニングセンタによる後加工が必要だった。
  • 生産能力顧客から持ち込まれる製作図の多くは3次元CADデータで、制御OSが対応できないため追加の変換作業が必要となり、作業が煩雑で時間がかかり、作業者が間違える可能性もあった。
  • 生産能力量産品の製作拠点が東南アジアに移る一方、試作・開発品など少量品の加工依頼が増え、納期の短縮も求められる中で、海外で加工できない部品や中間製品に臨機応変に対応する必要があった。

やったこと

5軸複合加工機を新規導入した。3次元の多面加工ができ、高速切削が可能になったことで、インコネルやチタンなど切削が難しい金属材料の加工能力が高まった。各種プラスチックでは従来より高精度で平滑な表面に仕上げられるようになり、強度に優れたエンジニアリングプラスチックも加工条件を最適化して後加工が不要となった。新たな制御OSは3次元CADデータに対応するため、データを容易に作業用データへ変換でき、同一素材で外径が同じものは連続加工が可能となった。

加工機5軸複合加工機

事業の効果

5軸複合加工機の導入により、3次元加工や複雑形状の部品加工が可能となり、後加工が不要になった。3次元CADデータを直接扱えるようになったことで変換作業が不要になり、同一素材の連続加工で段取り時間も短縮された。これにより顧客が求める短納期に対応でき、加工精度の向上と加工コスト・使用電力の削減も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    4軸複合加工機から5軸への更新と、試作・開発品の受注を増やす方向は読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外移転で国内は開発・試作品の少量加工依頼が増えたという市場動向と、海外で加工できない部品に対応する方針が読み取れる。自社の強み・弱みの記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    後加工やCADデータ変換の作業負担が課題とされ、5軸複合加工機で後加工が不要になり段取り時間が短縮したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の削減や加工コスト・電力の削減はうかがえるが、高付加価値化や賃上げの目標値、その数値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    新加工機導入で作業者は操作法の習得と訓練が必要になったとあるが、体制や人材確保の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    インコネルやチタンなど難削材、エンジニアリングプラスチックの加工能力向上と、海外で加工できない部品への対応という選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は試作・開発品の受注増と海外受注を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ゴマ粒大の微細精密から高速アルミ切削まで対応し、難削材を後加工なしで加工する点に高水準の加工力がうかがえるが、市場の普及度や高価格化は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国内開発部門の試作ニーズや国内加工の維持に触れるが、地域経済や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工コストと使用電力の削減、作業時間削減が挙げられているが、補助金投入額に対する付加価値や数値の費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    3次元CADデータを直接扱える制御OSの導入でデータ変換を不要にしたとあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    茨城県ひたちなか市の企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は試作・開発品の受注を増やすとともに、海外からの受注を目指し、安定的な収益拡大に挑戦していく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。