ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

耐震補強工事用「摩擦ダンパー」生産における部品加工能力の強化

北日本機械金属株式会社

成果工程間仕掛品数 50個→1個

この事例のポイント

  • 既存設備での加工能力に限界があり、摩擦ダンパーの生産能力が不足していた。
  • 摩擦ダンパーの主要構成部品である内筒と外筒の重切削が可能な大型複合CNC旋盤を導入した。
  • 工程間仕掛品数 50個→1個。工程間の仕掛品が大幅に減り、滞留がなくなったことで不良発生率が抑えられ、再加工の必要性も減少した。

事業者のプロフィール

事業者名北日本機械金属株式会社
所在地青森県 八戸市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工

事業の背景

弊社は金属精密加工による各種機械部品の製造を行っている。その中で摩擦ダンパー(既存建物の耐震補強に用いるエネルギー吸収部材)の生産にも取り組んでいたが、既存設備では加工能力に限界があった。さらに取引先からは受注価格の低減も求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備での加工能力に限界があり、摩擦ダンパーの生産能力が不足していた。
  • 品質・精度品質の向上が課題だった。
  • 納期・工程リードタイムが長く、その短縮が求められていた。
  • コスト・採算取引先から受注価格の低減を求められていた。

やったこと

摩擦ダンパーの主要構成部品である内筒と外筒の重切削が可能な大型複合CNC旋盤を導入した。既存設備との連携や加工工程を検討したうえで、L字型のレイアウト図面を作成し、それに基づいて据付けを行った。これにより、一人作業で加工と高効率が可能な製造ライン「L字型配置一人作業『加工ショップ』」を確立した。メーカー担当者立会いの下で操作講習及び試運転を実施し、さらに加工能力や品質等を検証するためテスト加工を行った。

加工機大型複合CNC旋盤

事業の効果

  • 工程間仕掛品数 50個→1個
  • 合計製作日数 21日→11日
  • 月産 50組→100組
  • 不良率 5%→0%

工程間の仕掛品が大幅に減り、滞留がなくなったことで不良発生率が抑えられ、再加工の必要性も減少した。加工ラインの効率化により製作日数が短縮し、生産性は200%向上した。製品のコストダウンにより受注価格の低減にも対応できるようになり、生産能力、品質向上、リードタイム短縮、受注価格低減の課題が解決された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    摩擦ダンパーの生産や金属精密加工を手がけてきたことは書かれているが、経営戦略上の位置づけまでは述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    年間生産約400台・売上約3,200万円、過去5年で約1,500台、ISO9001取得、摩擦荷重調整が可能とする強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    課題として生産能力・品質・リードタイムを挙げ、仕掛品50個から1個、製作日数21日から11日、生産性200%向上と数値で成果を示している。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    5年後売上高1億2,000万円の見込みと生産性200%向上の目標・成果が数値で示され、需要の根拠も東京オリンピックや受注見込みで説明されている。

  • 事業を進める体制3

    メーカー立会いの操作講習やテスト加工を実施したと書かれるが、人材や事務処理体制についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐震補強用摩擦ダンパーの製品特性と、取引先から求められた受注価格低減への対応が具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋4

    L字型配置一人作業の加工ショップ構築、操作講習、テスト加工という実施手順と、課題解決の方法が段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    摩擦ダンパーは耐震補強に用いる部材とあるが、分野の普及度や高付加価値化の水準については記述が薄い。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    東京オリンピック後の需要拡大や高速道路橋脚補強への言及はあるが、国が補助する波及効果や雇用創出は明示されていない。

  • 費用対効果5

    製作日数の半減や生産性200%向上、不良率の抑制など、設備投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    一人作業の加工ショップという製造ラインの工夫はうかがえるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    青森県八戸市の企業であることは書かれているが、地域特性を活かした雇用や地域成長への貢献は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在の摩擦ダンパーの売上は年間生産量約400台、売上高約3,200万円である。東京オリンピック開催に伴う需要拡大が予想され、建築用40t摩擦ダンパーに加え、試作開発中の建築用60t摩擦ダンパーや高速道路橋脚等の補強工事用摩擦ダンパーの受注が見込まれる。5年後の売上高は1億2,000万円となることが推測される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。