ものづくり補助金平成28年度製造業香川県

3D ビッグデータ利活用とIoT 対応AI 機能付加5 軸マシニングセンタ導入による医薬品製造装置分野への進出

株式会社幸洋製作所

成果加工中故障による年間稼働時間が40時間改善でき、年間稼働時間が2%向上した。

この事例のポイント

  • 東日本大震災の影響で、会社全体の60〜70%を占めていた原子力発電所用部品の発注が停止した。
  • 稼働軸が5つあり、テーブルに品物をセットして全体を加工できるIoT対応AI機能付加5軸マシニングセンタを導入した。
  • 加工中故障による年間稼働時間が40時間改善でき、年間稼働時間が2%向上した。5軸マシニングセンタとCAD/CAMデータの連携により加工データを一元管理し、高精度な3次元カム加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社幸洋製作所
所在地香川県 高松市
業種はん用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数14人
設立1973年

事業の背景

弊社は難削材の精密加工技術に特化した企業である。東日本大震災の影響で、会社全体の60〜70%を占めていた原子力発電所用部品の発注が停止した。その中で錠剤製造装置国内トップメーカーから発注依頼を受け、医薬品製造装置分野へ進出する機会を得た。海外向け原子力・火力発電所向けガスタービンの受注回復も見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力東日本大震災の影響で、会社全体の60〜70%を占めていた原子力発電所用部品の発注が停止した。
  • 新製品・新技術医薬品製造装置分野へ新たに進出するための加工技術と設備が不足していた。
  • 品質・精度医薬品向け3次元加工を県内で行う企業は少なく、品質・コスト面で他社との競争力を高める必要があった。

やったこと

稼働軸が5つあり、テーブルに品物をセットして全体を加工できるIoT対応AI機能付加5軸マシニングセンタを導入した。3D CAD/CAMビッグデータと連携させ、加工データを一元管理した。これにより高精度加工データベースを活用した5軸加工による3次元カム加工が可能となった。AI機能でファンの回転数、モータの回転数、バッテリー電流等の機械不稼働要因データを収集分析し、定期保守から予防保全を可能にした。

加工機IoT対応AI機能付加5軸マシニングセンタ
ソフト3D CAD/CAMシステム

事業の効果

  • 加工中故障による年間稼働時間が40時間改善でき、年間稼働時間が2%向上した。
  • 従来機器と比較して作業工程・作業時間が20%の時間短縮できた。
  • 本事業による売上目標は1年目1,000千円、2年目2,000千円、3年目3,000千円、4年目3,000千円、5年目3,000千円とされた。

5軸マシニングセンタとCAD/CAMデータの連携により加工データを一元管理し、高精度な3次元カム加工が可能になった。AI機能による予防保全で稼働率が向上し、作業工程と作業時間が削減された。医薬品製造装置分野への進出により、品質の向上と売上増加が見込まれる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    原子力発電所用部品で培った難削材加工技術と3D CAD/CAMビッグデータを基に医薬品製造装置分野へ進出する流れが書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    医薬品向け3次元加工を県内で唯一行っていると書かれ、品質・コスト競争力での差別化が具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    原子力部品の発注停止が売上の60〜70%に及んだという課題が数字で示され、医薬品分野進出で解決を図る計画になっている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1年目1,000千円から3年目以降3,000千円の売上目標と、稼働時間2%向上、工程時間20%短縮の実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    新卒者・機械加工経験者を3年間で3名雇用する計画が書かれているが、事務処理や推進体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    錠剤製造装置国内トップメーカーからの発注や医薬品分野の品質要求は書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    5カ年計画と医療機器・航空宇宙分野への展開が書かれるが、課題の解決方法とスケジュールの詳細は限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    医薬品製造装置分野への本格進出と、難削材・3次元カム加工の高精度化という同分野での高付加価値化が述べられている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    地域の仏生山町の活性化に共生する姿勢が書かれるが、波及効果や雇用創出の国の関与理由は具体的でない。

  • 費用対効果4

    工程時間20%短縮、年間稼働時間2%向上、売上目標の数字が示され、投資に対する効果の方向性は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    IoT対応AI機能とAIによる不稼働要素の監視・予防保全、3D CAD/CAMデータのデジタル化が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    医薬品・医療機器・航空宇宙分野への進出が視野にあると書かれるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及3

    仏生山町の地域変化と共生に触れ、雇用増員にも言及するが、地域経済の牽引への具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

医薬品製造装置分野や医療機器、航空宇宙分野への進出を視野に入れ、新卒者・機械加工経験者など3年間で3名の雇用増員を計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。