ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

「ウニ」「アワビ」の新商品開発に向けた新たな高度化技術の導入

有限会社マルタマ横道商店

成果高品質化により、アワビのレトルト商品の賞味期限が180日間と長くなった。

この事例のポイント

  • 現有の加工設備では、新規取引先となり得る商社からの高付加価値商品の開発・生産依頼に対応しきれない。
  • スチームコンベクションオーブン、高温高圧調理殺菌装置、ブラストチラー&ショックフリーザーの3点を導入した。
  • 高品質化により、アワビのレトルト商品の賞味期限が180日間と長くなった。導入設備により、焼ウニは身や風味が凝縮され味が濃厚になった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社マルタマ横道商店
所在地青森県 階上町
業種食料品製造業
技術分野製造環境

事業の背景

有限会社マルタマ横道商店は、青森県・岩手県産のウニやアワビを素材とした加工品を製造している。現有の加工設備では、商社からの高付加価値商品の開発・生産依頼に応じることが難しかった。既存商品もスチーム加熱による加熱加工に課題を抱えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術現有の加工設備では、新規取引先となり得る商社からの高付加価値商品の開発・生産依頼に対応しきれない。
  • 品質・精度既存のウニ加工品はスチーム加熱のため「水っぽい」「風味が薄い」「食感が悪い」など本来の味を十分に出せない。
  • 人手・技能既存商品の加熱加工に課題があり、高度化が必要になっている。
  • 納期・工程資源確保のため漁獲時期が制限され、ウニやアワビを通年で供給できない。
  • 新製品・新技術アワビの加工品が「煮貝」のみで商品の幅が限られている。

やったこと

スチームコンベクションオーブン、高温高圧調理殺菌装置、ブラストチラー&ショックフリーザーの3点を導入した。スチームコンベクションオーブンは蒸気で食材をコーティングしながら加熱し風味を逃さず、調理時間も短縮できる。高温高圧調理殺菌装置は殺菌条件を設定して高温高圧で殺菌でき、360℃のシャワー方式で理想的な加熱殺菌を行える上、スプレー式で保有水量が少なくランニングコストを削減できる。ブラストチラー&ショックフリーザーは食品の芯温を短時間で細菌が繁殖しにくい温度まで急速冷却し、劣化を抑えて再加熱しても調理直前の味を再現できる。導入設備でテスト加工を行い、焼ウニ、蒸アワビ、冷凍後に解凍したウニを試作した。

加工機スチームコンベクションオーブン
加工機高温高圧調理殺菌装置
加工機ブラストチラー&ショックフリーザー

新しい製品・サービス:焼ウニ、アワビのレトルト商品

事業の効果

  • 高品質化により、アワビのレトルト商品の賞味期限が180日間と長くなった。

導入設備により、焼ウニは身や風味が凝縮され味が濃厚になった。蒸アワビは身が厚く柔らかく鮮度感もあり、身の収縮がなく本来の風味が保たれた。冷凍後に解凍したウニは香りや色味が良く風味もあり、表面と内部の固さが変わらずしっとりした。アワビのレトルト商品は賞味期限が180日間と長くなり、一般消費者や飲食店等の食材にもなり得る。通年供給が可能になり、商社を経由した高級レストランや高級ホテル等の外食産業への展開も期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    既存商品の加熱加工課題の解消と新商品開発への設備導入という流れは読み取れるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは記載がない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新規取引先となり得る商社からの高付加価値商品の生産依頼があり、同業他社より優位との記述はあるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    既存商品の課題(水っぽい、風味が薄い、漁獲時期の制限で通年供給不可)が具体的に挙げられ、設備導入で解決を図る内容になっている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は書かれていない。テスト加工の結果は記載があるが、数値目標はない。

  • 事業を進める体制2

    実施体制や人材、事務処理能力に関する記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    焼ウニや蒸アワビ、アワビのレトルトの特長、賞味期限180日、想定ユーザーとして高島屋や関東の商社が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後のテスト加工と今後の展望は書かれているが、遂行スケジュールや課題の解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ウニ・アワビの加工品で高品質素材を使い、焼ウニや蒸アワビなど同分野で高付加価値化を図る内容が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の水産資源を活かす点はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの数字や記述は少ない。

  • 費用対効果2

    導入設備の投資額や付加価値増加額、生産性向上の数値が書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    高温高圧殺菌や急速冷却など設備の技術的特長は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記載がない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    青森県産・岩手県産の素材にこだわる地域性は読み取れるが、地域経済や雇用への波及の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在の取引先は地元百貨店、高島屋(通年ギフト向け)、鮮魚店、物産館、築地市場等であり、今後は関東方面の商社を新規取引先として想定している。焼ウニやアワビのレトルト商品を通年供給することで、商社を経由した高級志向のレストランや高級ホテル等の外食産業への展開も期待できる。焼ウニはウニ本来の旨味を活かし、高鮮度の素材を価格据え置きで提供できるため同業他社より優位性がある。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。