ものづくり補助金平成25年度製造業青森県

CNC旋盤、CAD/CAM等の導入による加工製品の高精度化と製造工程のワンストップ化の実現

有限会社清水鉄工所

成果切断速度 100%→340%

この事例のポイント

  • 加工精度のばらつきや生産性の低さがあり、取引先から求められる高精度化に対応できなかった。
  • 新規設備としてCNC旋盤、CNC切断機(ポータブルCNC切断機)、2次元CAD/CAMシステムの3点を導入した。
  • 切断速度 100%→340%。数値制御による自動運転で若手従業員でも高精度加工ができ、短納期・大量ロットの受注にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社清水鉄工所
所在地青森県 八戸市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

創業以来、金属加工業として溶接技術を得意としており、取引先は真空部品、石油ガスプラント、鉄道保線工事、通信システム、漁業機械など多業界・多分野に及ぶ。近年は取引先から高精度化・短納期化・大量ロット・多様化への要望が出ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度加工精度のばらつきや生産性の低さがあり、取引先から求められる高精度化に対応できなかった。
  • 納期・工程切断時の温度管理や切断寸法精度にばらつきがあった。
  • 品質・精度CADと工作機械のネットワークが不足しており、不良品が発生していた。
  • 納期・工程高精度化・短納期化・大量ロット・多様化の要望に現有設備では技術的に限界があり対応が困難だった。

やったこと

新規設備としてCNC旋盤、CNC切断機(ポータブルCNC切断機)、2次元CAD/CAMシステムの3点を導入した。CNC旋盤はフライス加工1,050mm×550mm、旋盤加工φ650mmに対応し、特殊ネジ、テーパー、球面、長尺などの複雑加工が可能である。ポータブル切断機はエアープラズマ切断機を備え、軟鋼12mmで340%の高速化が可能で、省スペース設置もできる。CAD/CAMシステムは作図の効率化、公差補正値設定による加工サポート、あらゆるNC工作機への対応、データ作成時間の短縮とデータ管理を実現する。導入設備でテスト加工として管用25Aネジ検査冶具、SS400 t16.0×100×300 φ50穴板、真空フランジを製作した。

加工機CNC旋盤
加工機ポータブルCNC切断機
ソフト2次元CAD/CAMシステム

事業の効果

  • 切断速度 100%→340%

数値制御による自動運転で若手従業員でも高精度加工ができ、短納期・大量ロットの受注にも対応できるようになった。切断では寸法精度が向上し、切断スピードが速まって切断面も滑らかになった。青森県産業技術センターに評価を依頼し、高精度化が確認されたことで取引先の受入検査にも対応できる結果となった。内製化により材料支給や外注加工が不要になり、工程間の時間短縮も見込まれる。CAD/CAMとの工作機械ネットワーク化により、図面製作から加工までを一貫して行うワンストップ化が実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    溶接を得意とする創業以来の金属加工業で、課題として高精度化・短納期化を挙げており、既存事業との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    取引先からの高精度化・短納期化・大量ロット・多様化の要望と、現有設備の技術的限界が示され、強みと弱みを踏まえた導入になっている。

  • 課題の認識と解決4

    現有設備の課題として加工精度のばらつき、切断精度、CADと工作機械のネットワーク不足を挙げ、ワンストップ化で解決する計画になっている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    高精度化・短納期化は示されているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    テスト加工や青森県産業技術センターへの評価依頼はあるが、人材体制や事務処理能力の記載は薄い。ただし若手従業員でも加工できるとの記述はある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    取引先アルバック東北などのターゲットと、高精度加工・短納期・大量ロット対応という提供価値が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ワンストップ化の方向性と評価依頼の段取りはあるが、中長期の検証やスケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    溶接技術を強みとする金属加工の既存分野で、高水準の高付加価値化を示す記述は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    八戸地域の石油・ガスプラントの老朽化による保全需要や、北海道新幹線・東京オリンピックに向けた需要増が具体的に示されている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値が示されておらず、費用対効果はわずかにうかがえるのみである。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMと工作機械のネットワーク化は行われているが、先端デジタル技術としての地域・サプライチェーンへの波及効果は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    八戸地域の石油・ガスプラントや鉄道インフラに関わる地域立地の取引を活かす点は読み取れるが、雇用や成長への定量的記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

真空部品の取引先であるアルバック東北㈱を主要ターゲットとし、自社内一貫生産で受注拡大を目指す。八戸地域の石油・ガスプラントは昭和40年代建造の設備が多く老朽化により保全・補修工事が盛んで、これらの工事を行う三井金属エンジニアリング㈱に緊急対応力を武器に取引拡大を目指す。通信システムや新幹線・鉄道インフラ分野では北海道新幹線や東京オリンピックに向けた需要増大が予想されるため、営業活動に注力する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。