ものづくり補助金平成27年度製造業徳島県

高精度同時5軸加工機導入による高度立体部品の製造と生産性の向上

有限会社天野鉄工所

この事例のポイント

  • 現有のマシニングセンタでは、船舶部品や繊維機械部品の複雑な円筒形部品を加工できなかった。
  • 平成27年度事業では、高精度同時5軸加工機を導入し、船舶部品や繊維機械部品の複雑な円筒形部品の加工を実現した。
  • 門型5面加工機による大型部品の加工では、他にはない技術力が高く評価されている。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社天野鉄工所
所在地徳島県 徳島市
業種金属製品製造業
技術分野デザイン,精密加工,立体造形
従業員数30人
資本金800万円
設立1970年

事業の背景

京阪神へ販路を広げた門型5面加工機の導入で県外からの受注につながり、難しいオーダーを仕上げたことが自信になった。その後も積極的な設備投資で対応力を高め、受注拡大を続けてきた。船舶、繊維、有機ELの分野は成長分野で、市場の拡大に伴い加工要望が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有のマシニングセンタでは、船舶部品や繊維機械部品の複雑な円筒形部品を加工できなかった。
  • コスト・採算現有設備では複雑な円筒形部品の加工が不採算になっていた。
  • 新製品・新技術航空機部品の高精度な立体加工には対応できる設備が必要だった。
  • 生産能力機械の連携が取れておらず、IoT化による生産性の向上が求められていた。

やったこと

平成27年度事業では、高精度同時5軸加工機を導入し、船舶部品や繊維機械部品の複雑な円筒形部品の加工を実現した。平成28年度には、AI門型5面5軸加工機を導入し、航空機部品の高精度な立体加工を行うとともに、他の機械とのIoT化による生産性向上を目指した。平成29年度には、有機EL製造装置の微細加工のために高回転マシニングセンタを導入した。これにより微細加工から大型部品まで一式で加工できる体制を構築した。同時に3次元CAD/CAMを導入し、複雑な立体加工のプログラミングを行えるようにした。

加工機高精度同時5軸加工機
加工機AI門型5面5軸加工機
加工機高回転マシニングセンタ
ソフト3次元CAD/CAM

事業の効果

門型5面加工機による大型部品の加工では、他にはない技術力が高く評価されている。複雑な立体加工プログラミングにより生産性が上がり、収益の増加につながった。船舶、繊維、有機ELといった成長分野の受注を取り込み、生産体制の整備によって受注が拡大した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    門型5面加工機で県外受注につながり、京阪神へ仕事を広げたとの経緯が書かれ、設備投資の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    船舶・繊維・有機ELが成長分野で市場拡大に伴い加工要望が増えたと書かれ、外部環境と強みの関係はうかがえる。

  • 課題の認識と解決2

    受注拡大や収益増は書かれるが、現状課題の認識と計画の具体的な数値目標は見当たらない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、収益増につながったという結果のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    機械ごとの専任技術者が加工を担当すると書かれ、体制の一端は読み取れるが事務処理能力などは薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    高精度立体加工や一式加工体制の強みは書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは明確ではない。

  • 事業化までの道筋2

    29年度までの年度別の導入順は書かれるが、中長期の課題検証や解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高精度同時5軸加工や大型門型5面加工機は他にない技術力と評価を得たと書かれ、高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    船舶・繊維・有機ELなど成長分野の加工需要に応えると書かれ、経済波及の具体的記述は薄い。

  • 費用対効果2

    CAD/CAMで生産性がアップし収益増につながったと書かれるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    AI門型5面5軸加工機やIoT化による生産性向上が取り組まれ、デジタル技術の活用が具体的に読み取れる。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    船舶・繊維・有機ELといった成長分野への進出が書かれ、構造転換との関係はわずかにうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    徳島沖洲ICの地の利を生かし、県内協力企業への発注で徳島経済に貢献すると書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

津田海岸町に拠点を整備する予定で、技術力と生産力を生かしてさらなるニーズに応えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。