ものづくり補助金平成25年度建設業青森県

産業用動力回転装置等軸受け部振動計測監視システム試作開発

広和計装株式会社

この事例のポイント

  • 産業用動力回転装置の軸受け部の状態を自動で把握できるシステムが求められていた。
  • 産業用動力回転装置の軸受け部の振動を連続計測・監視する振動検出音響COM型センサ(AEセンサ)による振動計測監視システムを試作開発した。
  • 試作したAEセンサは、外部振動源の入力に対応した各周波数の振幅に比例したアナログ出力を取り出し、長時間軸でロギングできた。

事業者のプロフィール

事業者名広和計装株式会社
所在地青森県 八戸市
業種設備工事業
技術分野機械制御,情報処理,測定計測
従業員数41人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

当社は創立以来、計装技術を中心に各種自動制御システムや警報監視システムを開発しており、環境監視システムや電子基板自動試験装置で多くの実績がある。取引先の要望に応えるため新技術を積極的に採用し、オーダーメイド型ソリューションを展開している。主な取引先は八戸沿岸工業地帯の大規模製造工場や中規模製造プラント企業などである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力産業用動力回転装置の軸受け部の状態を自動で把握できるシステムが求められていた。
  • 人手・技能製造設備のメンテナンス労力を低減する必要があった。
  • 新製品・新技術蓄積データの解析により設備の寿命を推定できる仕組みが必要だった。

やったこと

産業用動力回転装置の軸受け部の振動を連続計測・監視する振動検出音響COM型センサ(AEセンサ)による振動計測監視システムを試作開発した。AEセンサは、長さにより共振周波数を制御した複数のカンチレバーをアレイ状に製造して形成し、各共振周波数に応じた変位をデジタル式で検知して、周波数特性の分解・検出(ディジタル化)を可能とする構造とした。試作したAEセンサの機能を評価し、外部信号入力に対して各周波数成分のカンチレバーがそれぞれに応じた振動波形を出力することを確認した。

検査測定振動検出音響COM型センサ(AEセンサ)

新しい製品・サービス:振動検出音響COM型センサ(AEセンサ)を用いた振動計測監視システム

事業の効果

試作したAEセンサは、外部振動源の入力に対応した各周波数の振幅に比例したアナログ出力を取り出し、長時間軸でロギングできた。産業用として要求される堅牢性や耐環境性を有することも判明した。今後は個別周波数や全周波数の信号レベルによる振動解析を進め、解析技術を蓄積しながら試作開発を継続する。大型動力電動機の主軸に取り付けて1年間データを収集し、寿命推定データを蓄積する計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創立以来の計装・監視システム開発の実績と、環境監視・電子基板試験装置での実績が書かれ、事業の延長線上にあることがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    八戸沿岸工業地帯の大規模製造工場を主要取引先とし、オーダーメイド型ソリューションを展開すると書かれ、強みの位置づけは読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    メンテナンス労力の低減と設備寿命の推定を課題として挙げ、振動連続計測による解決策を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。年間搭載数十台の見込みのみで、数値目標とは言えない。

  • 事業を進める体制3

    従業員41名や計装技術の実績から体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制として具体的には書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    寿命推定機器としての採用や数十台の搭載見込みで顧客ニーズはうかがえるが、選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋4

    大型電動機で1年間のデータ収集、寿命推定理論の確定後の知財申請など、段階的な遂行計画が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    振動による状態監視の必要性に着目しているが、普及度や高付加価値化の水準までは書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    八戸沿岸工業地帯の製造業への貢献はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    連続計測による状態監視と蓄積データ解析という先端的な取組はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    製造設備の保全高度化という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    八戸の地域の工業地帯を対象とすると書かれ、地域性は読み取れるが、地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

重工業環境で市場性評価を実施する予定である。寿命推定機器として採用された場合、年間の搭載本数は数十台の規模が見込まれる。寿命推定理論が確定した段階で知的財産権を申請する予定で、寿命推定確度を高めるため試作開発を継続する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。