ものづくり補助金平成26年度建設業広島県

スマートフォンを活用した情報の収集と提供を行う糖尿病予防アプリの開発

ダックケーブル株式会社

成果アプリ利用者は非利用者に比べ有意に腹囲が減少した

この事例のポイント

  • 生活習慣病の予防に役立つスマートフォンアプリを、まだ製品として持っていない。
  • スマートフォンで収集した活動履歴(飲食、運動、体調等)をもとに、健康を促進するメニューを作成するアプリを開発した。
  • アプリ利用者は非利用者に比べ有意に腹囲が減少した。約100名の住民が参加した実証実験で、利用者、非利用者など3群に分けて検証した。

事業者のプロフィール

事業者名ダックケーブル株式会社
所在地広島県 広島市
業種設備工事業
従業員数16人
資本金8,000万円
設立1985年

事業の背景

当社は、高齢者でも使えるケーブルテレビ向けの買い物支援サービスを運用するなど、流通システムやアプリケーション開発に取り組んできた。多様なハードウェアやソフトウェア、通信ネットワークから最適なものを選んで組み合わせ、誰もが使いやすいシステムを構築してきた。このノウハウを生活習慣病の予防に生かせると考え、大学や医療機関との協力体制も整ったため、具体的な製品開発に動き出した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術生活習慣病の予防に役立つスマートフォンアプリを、まだ製品として持っていない。
  • 品質・精度アプリを実際に使ってもらい、効果と使いやすさ、動作不良の有無を確かめる必要がある。

やったこと

スマートフォンで収集した活動履歴(飲食、運動、体調等)をもとに、健康を促進するメニューを作成するアプリを開発した。アプリには、食事情報から摂取エネルギーや栄養情報をグラフで表示する機能、体組成計や活動量計で測定した消費エネルギーを登録して独自の「リスク分類・分析アルゴリズム」で食品のお奨めを含む総合的なアドバイスを自動作成する機能を持たせた。スマートフォンのGPS機能で利用者を店舗に誘導し、健康に必要な食品の購買につなげる機能も備えた。医療機関、行政、保険会社等と連携して情報を集めた。要件定義と設計は完了しており、本事業では実用化に向けたフィールド実験を行い、利用者からのヒアリングで使いやすさや動作不良を確認して改修した。

検査測定体組成計
検査測定活動量計

新しい製品・サービス:スマートフォンを活用して健康管理を行う「健康管理アプリ『あすふぃっと』」。食事や運動の記録をもとに健康を促進するメニューを作成し、GPSで最寄りの店舗を勧め、専門医の監修による生活改善の助言を行い、糖尿病等の生活習慣病を予防する。

事業の効果

  • アプリ利用者は非利用者に比べ有意に腹囲が減少した
  • アプリ利用者の体重が有意に減少した
  • アプリ利用者の飲酒量が有意に減少した

約100名の住民が参加した実証実験で、利用者、非利用者など3群に分けて検証した。その結果、アプリ利用者は非利用者に比べて腹囲、体重、飲酒量が有意に減少し、健康指標の改善が確認できた。定期レコメンド配信と相関して利用者の購買行動も確認できた。本アプリの継続活用が生活習慣病の発症予防に効果的であることが実証された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    ケーブルテレビ向け買い物支援など流通システム開発の実績から健康アプリ開発へ進む経緯が書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多様なハードウェア・ソフトウェア等を組み合わせて使いやすいシステムを構築してきた強みと大学・医療機関との協力体制が書かれている。

  • 課題の認識と解決2

    生活習慣病の予防という課題は示されているが、高付加価値化や成長につながる収益の仕組みまでは読み取れない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    実証で腹囲・体重・飲酒量の有意な減少が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    大学や医療機関との協力体制が整ったと書かれているが、補助事業を遂行する人員や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    約100名の住民による実証で利用者と非利用者を比較し、アプリ利用者の健康指標改善と定期レコメンドに連動した購買行動が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    フィールド実験、利用者ヒアリング、改修による精緻化という段階が書かれているが、スケジュールや期間の記載はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    スマホによる生活習慣病予防アプリという分野で、AIや企業向け商品への展開も書かれているが、普及度や高水準化の数値根拠は乏しい。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    医療機関・行政・保険会社との連携や健康経営への貢献が書かれており、社会的な意義は読み取れるが定量的な波及効果は示されていない。

  • 費用対効果3

    約100名の実証で複数の健康指標の有意な改善が確認されたとあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    GPS誘導、活動量計・体組成計データ、AI活用など先端的なデジタル技術と店舗連携の新しい仕組みが具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    健康管理アプリという成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとまでは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    広島市の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

摂取エネルギーや消費エネルギーに加えて心拍数、呼吸数、血圧などのストレス指標や睡眠情報も取り入れ、より総合的なデータから自動でアドバイスを作れるようアプリを発展させている。AIやディープラーニングを活用し、個人の状態や性格に合わせたアドバイス作成を目指す。企業の従業員の健康管理需要の高まりを受け、企業管理者向けの商品開発も行っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。