ものづくり補助金平成25年度製造業岩手県

自社設計開発治具を活用した高精度精密加工の短納期化・高品質化の実現

株式会社ツクバ

成果この数年で約4%の増加が図られている。

この事例のポイント

  • 携帯電話機やノートパソコンなど産業用機器主要部品の精密加工は海外へ移行し、受注量が大幅に減少していた。
  • 3次元CADの図面データを活用できるよう設計開発プロセスを見直し、現在使用しているソフトを活かしながら加工プログラム作成手順を新たに構築した。
  • この数年で約4%の増加が図られている。高精度マシニングセンタの導入により加工精度が向上し、テスト加工では既存設備に比べて加工時間の短縮が確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ツクバ
所在地岩手県 奥州市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数63人
資本金1,850万円
設立1980年

事業の背景

当社は親会社やメーカーから提供される加工図面に基づく精密機械加工を受注し、治具の設計・開発・製作も自社内で行っている。これまでは携帯電話機やノートパソコンなど産業用機器主要部品の精密加工が中心だったが、その加工は加工賃の安い海外へ移行し、受注量は大幅に減少した。そのため、今後需要の増加が見込まれる産業用ロボット関連部品の加工へ軸足を移しつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑携帯電話機やノートパソコンなど産業用機器主要部品の精密加工は海外へ移行し、受注量が大幅に減少していた。
  • 販路・情報発信発注者からの3次元CADデータ図面が急増していたが、治具製作の設計開発プロセスが対応できていなかった。
  • 生産能力産業用ロボット部品は複数パーツの融合化で加工難易度が高く、加工に多大な時間を要していた。
  • 人手・技能人口減少による人材不足があり、高度な加工技術を担う人材の育成が必要だった。

やったこと

3次元CADの図面データを活用できるよう設計開発プロセスを見直し、現在使用しているソフトを活かしながら加工プログラム作成手順を新たに構築した。各部門から担当者を選び、社内OJTと外部研修により加工プログラムの作成および段取り替えの教育訓練を行った。平成27年1月に高精度マシニングセンタを導入し、独自に設計開発する治具作成をマシニングセンタに組み合わせて難易度の高い部品加工を行えるようにした。導入機は既存設備より加工範囲が広く、切削刃の回転が速いため加工効率が向上した。平成27年4月より産業用ロボット部品の生産転用を開始した。

加工機高精度マシニングセンタ

事業の効果

  • この数年で約4%の増加が図られている。

高精度マシニングセンタの導入により加工精度が向上し、テスト加工では既存設備に比べて加工時間の短縮が確認された。既存設備より加工範囲が広く切削刃の回転が速いため加工効率も上がり、加工時間の削減と生産数量の増大、短納期化を実現した。産業用ロボット部品に加え既存受注部品の効率的な生産にも貢献した。設計開発プロセスの見直しにより各部署間の連携が強化され、既存取引先からの受注量拡大と新規取引先の獲得につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    携帯電話や産業用機器部品の精密加工から産業用ロボット部品へ軸足を移す方針が書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外移行で受注が大幅減った背景と人口減少による需要増が書かれ、外部環境を踏まえた転換は読み取れるが、自社の強みの定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    複数パーツの融合化で加工難易度が上がる課題に対し、高精度マシニングセンタと設計開発プロセス見直しで対応した経緯が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    産業用ロボット分野の売上が約4%増加した実績と、加工精度向上・加工時間短縮の確認が書かれている。

  • 事業を進める体制4

    各部門の担当者を選び社内OJTと外部研修に派遣し、加工プログラム作成の教育訓練を行ったと具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    メーカーが求める精度・納期・コストを満たし新規取引先を獲得したとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的である。

  • 事業化までの道筋3

    平成27年1月導入、同年4月の生産転用開始というスケジュールが示されているが、中長期の検証や課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    産業用ロボット部品は需要増が見込まれる分野とされ、難易度の高い加工で他社と差別化する方向は読み取れるが、普及度や高価格化の数値はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    人口減少による人材不足を背景に需要増が見込まれる分野への転換が書かれ、雇用や地域への波及は具体的には書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工時間削減と生産数量増大、短納期化が書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    高精度マシニングセンタと3次元CADデータ活用は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    人口減少で需要が伸びる産業用ロボット関連分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    奥州市の立地は示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

この分野の品質管理ノウハウを蓄積でき、今後も産業用ロボット関連部品の加工事業の拡大を図っていきたい。

事業者の声

新規設備の導入と設計開発プロセスを見直した結果、各部署間の連携強化が図られた

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。