ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業岩手県

3次元CAD 活用による高意匠性建築デザインの設計リードタイム短縮と提案力の向上

株式会社木村設計A・T

成果設計人工の削減を目指した。

この事例のポイント

  • 施主と設計者・工事業者の完成イメージにギャップがあり、完成後に施主とのトラブルにつながっていた。
  • 3次元CADを用いたBIM環境システムを導入し、ひとつの設計案件に対してチーム全員で同時に作業を進める体制を整えた。
  • 設計人工の削減を目指した。3次元で外観・内観を事前に確認できるようになり、設計の手戻りを最小限に抑えられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社木村設計A・T
所在地岩手県 花巻市
業種技術サービス業
技術分野情報処理,立体造形
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1989年

事業の背景

当社は創業以来、岩手県内で公共施設、商業施設、医療・福祉施設、住居などの建築設計を手がけてきた一級建築士事務所である。施主は建築知識に乏しく、図面から完成イメージを描くことが難しい。意匠性の高まりとともに高度な建築技術が求められ、経験豊富な工事業者が必要とされている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度施主と設計者・工事業者の完成イメージにギャップがあり、完成後に施主とのトラブルにつながっていた。
  • コスト・採算完成予想図やモックアップを外注するため外注費がかさんでいた。
  • 生産能力意匠性の高いデザインは設計の手戻りや後戻りが多く、設計人工が増大する傾向にあった。
  • 人手・技能高い意匠性と性能の妥当性を両立させるための検証に膨大な時間と設計人工が必要だった。

やったこと

3次元CADを用いたBIM環境システムを導入し、ひとつの設計案件に対してチーム全員で同時に作業を進める体制を整えた。コンピューター専任スタッフが全スタッフにBIMソフトの基本オペレーションを講習し、計画的なオペレーション教育を実施した。BIMモデルで意匠、構造、設備などの仕様やコストを一つのデータで管理できるようにし、アドオン解析ソフトとの連携によりシミュレーションを行えるようにした。簡易なBIMモデルを作成して社内プレゼンテーションを行い、施主・設計者・工事業者で完成イメージを共有できるようにした。

ソフトBIMソフト(3次元CAD)
ソフトアドオン解析ソフト

事業の効果

  • 設計人工の削減を目指した。
  • 大幅な設計リードタイムの短縮及び設計人工の削減が実証された。

3次元で外観・内観を事前に確認できるようになり、設計の手戻りを最小限に抑えられるようになった。施主、設計者、工事業者が同時に3次元データを確認できるため、設計リードタイムの大幅な短縮と設計人工の削減が実証された。BIMで作成した3次元画像により空間の提案力も向上した。完成後の建物とのイメージギャップも抑えられた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成6年からコンピューター設計を導入し、3次元化へ移行してきた実績があると書かれ、過去の取組との一貫性がうかがえる。経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内でBIM環境を導入する設計事務所がほとんどないと記載があり、競争優位の方向性は読み取れるが、強み・弱みの分析は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    設計手戻りや設計人工の増大という課題を挙げ、BIM導入で設計リードタイムの短縮と提案力向上をめざす流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    設計人工の削減やリードタイム短縮は目標として示されているが、数値目標や賃上げ目標は書かれておらず、実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制4

    設計技術者9名が同時にチームで作業し、コンピューター専任スタッフが全スタッフに講習したと書かれ、体制が具体的に読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    施主と工事業者の完成イメージ共有、意匠と性能の両立という顧客ニーズは書かれているが、ターゲットや選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋4

    今後は全員へのBIM教育、2次元からBIM設計ワークフローへの移行、ガイドライン作成など、遂行方法と手順が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    県内でBIM環境を導入する設計事務所がほとんどないとあり、普及度の低さはうかがえるが、高付加価値化の水準は数値で示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の風土と文化に根ざした建築を掲げ、地域に輝きを与えると述べられているが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    設計人工の削減や手戻り防止が効果として挙げられているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は数値で示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元CADを用いたBIM環境と解析ソフトの連携で、設計から施工・維持管理まで情報活用するデジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岩手県花巻市を拠点に地域の風土と文化を活かす設計を掲げ、県内や近県からの受注を目指すと書かれており、地域性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県内で BIM 環境を導入している設計事務所はほとんどないため、本事業の成果を活かして先進的建築士事務所として品質向上、工期短縮、コスト低減に努め、県内や近県からの受注につなげたい。

事業者の声

BIMシステムを先駆けて導入したことにより、建築物の品質、工期、コストなど総合的な向上が目指せる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。