ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業愛媛県

新型路面空洞探査車による路面空洞調査の精度向上について

株式会社カナン・ジオリサーチ

この事例のポイント

  • 手押し式の地中レーダーは非常に効率が悪く、業務量の増加に対応しきれなかった。
  • GPS・カメラリンクシステム、可変式アンテナシステム、車内計測システムを備えた自走式地中レーダー(GMS3)を開発した。
  • 位置精度の高いGPSとビデオのリンクにより、路面下空洞調査の精度とトレーサビリティが向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社カナン・ジオリサーチ
所在地愛媛県 松山市
業種技術サービス業
従業員数45人
資本金1,000万円
設立1993年

事業の背景

当社は20年以上、物理探査により地下の状況を可視化する調査を行ってきた。高度成長期に建設された道路、トンネル、橋梁、港湾施設などの老朽化に伴い、構造物の調査・診断業務が増加している。また、地震や大雨などの異常気象で地中構造物の異変が急増しており、路面下の空洞等を調査する業務も増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手押し式の地中レーダーは非常に効率が悪く、業務量の増加に対応しきれなかった。
  • 品質・精度GPSによる位置情報には限界があり、牽引式地中レーダーでは十分な位置精度が得られなかった。
  • 人手・技能車両による牽引式は、探査車の大きさなどから安全性にも課題があった。

やったこと

GPS・カメラリンクシステム、可変式アンテナシステム、車内計測システムを備えた自走式地中レーダー(GMS3)を開発した。3次元地中レーダーとGPSにビデオカメラの位置情報から作成したオルソ画像をリンクさせ、位置精度とトレーサビリティの向上を同時に実現した。この地中レーダーとビデオによる地上情報の一元管理技術は特許として認められた(特許第6446005号)。さらに狭隘部の調査のため、軽車両への搭載と改良型手押しカート(自走補助型)の開発も完了した。

加工機路面下空洞探査車(GMS3)
検査測定GPS・カメラリンクシステム
その他改良型手押しカート(自走補助型)

新しい製品・サービス:路面下空洞探査車(GMS3)

事業の効果

位置精度の高いGPSとビデオのリンクにより、路面下空洞調査の精度とトレーサビリティが向上した。探査車を自走式かつコンパクトにしたことで安全性も高まった。他社との差別化により競争力が強化され、国や地方自治体、建設コンサルタントからの問い合わせが増加し、新規受注が期待できる。今後は商圏を中四国・九州から都市部中心の全国へ広げる計画である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    20年以上の物理探査実績と路面空洞調査への展開が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    牽引式に比べ高精度・コンパクト化で差別化し競争力を強化すると明記され、都市部需要の増加や商圏拡大も示されている。

  • 課題の認識と解決3

    老朽インフラの増加と異変予知業務の拡大という課題認識は書かれているが、高付加価値化や成長の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    新規受注や商圏拡大が期待できるとあるが、売上や付加価値の具体的な目標値や賃上げ目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    開発の検討項目や支店・営業所などの拠点は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    位置精度とトレーサビリティ向上、狭隘部対応など製品の価値が具体的で、国や自治体・建設コンサルからの問い合わせ増加も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    開発の検討段階や狭隘部用カートの開発完了は書かれているが、今後の具体的なスケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    路面下空洞調査は一般的な分野ではないとうかがえるが、普及度や高価格化について具体的な記述はない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    社会インフラの老朽化や異常気象による地中構造物の異変増加が背景として書かれ、公共インフラ維持の意義はうかがえる。

  • 費用対効果2

    手押し式から自走式への効率化は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元地中レーダーとGPS・ビデオ位置情報を統合した新技術で特許を取得したと明記され、イノベーションへの貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    社会インフラ維持管理分野への対応とうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県松山市の拠点と中四国・九州の商圏は書かれているが、地域の雇用創出や経済成長への効果は示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

社会インフラの老朽化により路面空洞化調査の市場は年々増加しており、国や地方自治体、建設コンサルタントからの問い合わせが増えていることから、新規受注が期待できる。主要商圏は中四国・九州だが、都市部中心の路面下空洞化調査に対応するため、商圏を全国に広げていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。