ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

高強度大型FRP タンクおよびパイプのFW 方式による連続自動化生産システムの開発

エコロ・プラント株式会社

成果生産時間(直径2.5m・長さ5mの大型タンク) 6日→3日

この事例のポイント

  • 従来のスプレーアップ方式は人の手による脱泡作業や側面接合、材料ロスなどが課題となっていた。
  • 新潟県の機械工場の協力を得て、ガラス繊維と樹脂を型に自動で巻き付けるフィラメントワインディング(FW)マシンを開発・導入した。
  • 生産時間(直径2.5m・長さ5mの大型タンク) 6日→3日。FW方式の導入で底板の接合のみとなり連続加工が可能になり、FRPの吹き付けや脱泡作業が不要となって工程が大幅に改善した。

事業者のプロフィール

事業者名エコロ・プラント株式会社
所在地宮城県 栗原市
業種プラスチック製品製造業
技術分野精密加工,接合・実装
従業員数26人
資本金4,000万円
設立1974年

事業の背景

宮城県栗原市に本社・製造拠点を置き、水産業関係の養殖水槽、各種タンク、浄化槽などのFRP製品を製造している。東北最大級の規模で、特に大型タンクの製造が強みである。他社に先駆けてスプレーアップ方式を導入してきたが、同方式の課題が残っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来のスプレーアップ方式は人の手による脱泡作業や側面接合、材料ロスなどが課題となっていた。
  • コスト・採算近年はさらなる高効率化を目指して抜本的な製造方法の革新を検討していた。

やったこと

新潟県の機械工場の協力を得て、ガラス繊維と樹脂を型に自動で巻き付けるフィラメントワインディング(FW)マシンを開発・導入した。FW方式は拡縮機能を持つ型で製品を容易かつきれいに取り出せ、接合部がない。ガラス繊維含有量を上げられ強度が向上し、1時間あたり250kgの巻き付けが可能である。クロス巻きで強度を増せ、均一の厚さに巻き上がる。協力会社と試行錯誤を重ね、数多くのタンク試作を経て製品化し、現在まで9本を納品している。

加工機フィラメントワインディング(FW)マシン

新しい製品・サービス:高強度大型FRPタンクおよびパイプのFW方式による連続自動化生産システム

事業の効果

  • 生産時間(直径2.5m・長さ5mの大型タンク) 6日→3日
  • 生産スピードは33%のアップ
  • 成型工程では30~50%の時間削減
  • 接合工程では30%の時間削減
  • 作業量(大型タンク1本) 14人・日→8.5人・日
  • 不具合率は75%の削減
  • ガラス含有割合を50%に増やし、同じ強度で肉厚を20%削減
  • 同じ強度で肉厚を20%削減

FW方式の導入で底板の接合のみとなり連続加工が可能になり、FRPの吹き付けや脱泡作業が不要となって工程が大幅に改善した。生産スピードが上がり、短納期化と価格対応力の強化が図られた。手作業の削減で不具合率が大きく減り、肉厚の均一性も実現して品質が向上した。高強度な製品を安価かつ大量に求めるニーズにも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    水産・農業向けFRP製造を長年手掛け、従来のSPU方式から製造方法を革新する流れが読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    東北最大規模の工場や大型タンクの強みを活かし、高強度・安価・大量のニーズに応える体制が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    SPU方式の脱泡・側面接合・材料ロス等の課題を示し、6日を3日に短縮するなど数値つきで高付加価値化につながる計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    生産スピード33%向上、不具合率75%削減、肉厚20%削減、ガラス含有50%など、目標と達成実績が数値で示されている。

  • 事業を進める体制3

    協力会社と試行錯誤を重ねたことや現在9本納品の実績は読み取れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    水産・農業・建設など顧客分野と、高強度・安価・大量というニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の展望として販路拡大や内陸分野への展開が書かれているが、遂行方法やスケジュールの具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    FW方式の導入は国内で数台しかなく、参考資料がビデオのみだったという記述から、普及度の低い分野への取組が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    雇用維持と新規雇用への言及はあるが、波及効果や社会的インフラとしての国の補助の必要性は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果5

    作業員×日数が14人・日から8.5人・日へ、材料ロスも大幅削減など、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボット的な自動巻き付けや連続自動化の記述はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    製造の自動化による生産性向上は読み取れるが、成長分野への進出や構造転換との関係は明記されていない。

  • 地域経済への波及2

    東北の製造拠点を活かした事業であることはうかがえるが、地域経済の牽引や雇用創出の効果は数字で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産方式の革新により見込み客ニーズへの対応が可能となった。今後は水産業関係に注力しつつ、内陸部の農業、畜産、建設・土木、薬品、食品分野にも販路を拡大し、売上と収益の向上を図る。大型成形品の経験と技術を活かし、より安価にスピーディーに製品を供給していく。

事業者の声

FWマシンは今も日本に数台しかなく、参考資料はビデオのみという中、協力会社と試行錯誤を重ねながら効果的かつ効率的な活用方法を探りました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。