ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業宮城県

低コスト・省スペースを実現する、厨房・バックヤード向け小型解凍機の試作開発

フジ技研工業株式会社

この事例のポイント

  • 飲食店で多い流水解凍や自然解凍は水道代や時間がかかり、ドリップの流出など品質低下も起きる。
  • 店頭で市販されている14種の試料で解凍実験を繰り返し、データを分析・数値化して誰でも簡単に操作できるシステム構築を図った。
  • 密封ケースを用いた全方位放射伝熱解凍により均一な解凍を実現し、解凍シミュレーションの精度も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名フジ技研工業株式会社
所在地宮城県 利府町
業種機械器具卸売業
技術分野製造環境
従業員数4人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

当社は解凍機「解凍マイスター」シリーズを展開し、食品工場向けの解凍機を販売していた。スーパーのバックヤードや厨房向けの小型解凍機はほとんどない状況だった。大手製造メーカーが小型解凍機の製造販売から撤退したことも、開発に乗り出す機会と捉えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術飲食店で多い流水解凍や自然解凍は水道代や時間がかかり、ドリップの流出など品質低下も起きる。
  • 新製品・新技術店舗用の小型解凍機がほとんどなく、潜在的ニーズを掘り起こせていない。

やったこと

店頭で市販されている14種の試料で解凍実験を繰り返し、データを分析・数値化して誰でも簡単に操作できるシステム構築を図った。全方位放射伝熱解凍を採用し、低温高湿ミスト解凍システムの断熱・冷却性能を継承した試作品を完成させた。密封ケースを使い均一な解凍を実現し、解凍シミュレーション計算を導入して解凍時間の推測を目指した。解凍機のサイズは店舗の冷蔵庫サイズを調べ、設置スペースを考慮して設定した。

その他厨房型解凍機(小型解凍機)

新しい製品・サービス:厨房型解凍マイスター(小型解凍機)

事業の効果

密封ケースを用いた全方位放射伝熱解凍により均一な解凍を実現し、解凍シミュレーションの精度も向上した。食品が直接熱気にさらされないため乾燥を防ぎ、解凍時にドリップが出ないため味の劣化も防げる。普段の手入れも簡単になった。平成27年8月に発売を開始し、ホテル、レストラン、厨房機器展示会で業界から高い関心を得ている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の解凍機開発の延長で、大手撤退を機に小型解凍機へ参入する方針が書かれているが、過去の取組との一貫性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手メーカーの撤退や小型解凍機の少なさ、中小ならではの小回りを強みとして挙げ、外部環境と自社強みの関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    飲食店での流水解凍の水道代や時間、ドリップ流出という課題は示されているが、事業計画としての高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人の体制と補助事業後の発売時期は書かれているが、事務処理や遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    店頭の14種の試料での実験やホテル・高級店ターゲット、海外輸出検討など、顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    補助事業終了3カ月後の2015年8月発売、タッチパネル改善や5カ国語対応など、遂行スケジュールと課題対応が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大手が撤退した厨房用小型解凍機という分野で、低温高湿ミストや全方位放射伝熱を用いた高品質解凍を新規市場として開拓する姿勢が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    食品ロスや品質向上の意義はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    水道代や時間の削減が課題として挙げられるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    従来の解凍技術を発展させた点はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    宮城県利府町の地元企業であることはうかがえるが、地域特性を活かした雇用創出などの効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

食の安全性と高品質志向の高まりから需要が見込まれるが、価格面での納得が課題。純国産で海外生産に切り替えず信頼性をアピールし、高級店やホテルを狙う。海外輸出も検討中で、タッチパネルは5カ国語に対応させている。今後は新たな冷凍凍結機の開発にも力を入れる。

事業者の声

以前から厨房用小型解凍機の必要性は考えていました。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。