ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

高品質且つ多量生産を目的とした自動車向け燃料圧センサー用部品の表面処理技術の開発

東邦メッキ株式会社

この事例のポイント

  • 取引先の新工法で製造する燃料圧センサー用部品は未貫通孔を持つ鍛造部品で、量産化に向けて冷間鍛造による大量生産に対応した新たな表面加工技術の開発が必要だった。
  • 平成26年にものづくり補助金を活用し、自動化パシベートラインを導入した。
  • 自動化パシベートラインの完成により、センサー用部品の表面処理の量産化が実現し、受注に至った。

事業者のプロフィール

事業者名東邦メッキ株式会社
所在地宮城県 村田町
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数66人
資本金2,000万円
設立1946年

事業の背景

東邦メッキは昭和21年創業のメッキ等による表面処理加工会社で、取扱の約8割が自動車や二輪車のエンジン廻りの部品であり、特に自動車用インジェクターやセンサーを多く手がけている。自動車部品には年々高い精度と高性能化が求められ、表面加工もより高度になっていた。東北地方での新車販売数は伸びており、自動車部品の需要も好調に転じていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術取引先の新工法で製造する燃料圧センサー用部品は未貫通孔を持つ鍛造部品で、量産化に向けて冷間鍛造による大量生産に対応した新たな表面加工技術の開発が必要だった。
  • 生産能力センサー用部品の製造前の潤滑処理は他社に発注されており、金型のメンテナンス時間と金型の寿命に課題があった。
  • コスト・採算手作業では品質を保てるものの低コスト化が難しいため、大量加工に向けて自動化パシベートラインの導入が必要だった。

やったこと

平成26年にものづくり補助金を活用し、自動化パシベートラインを導入した。部品の内径にいかに処理液を浸透させるか、汚れ除去をどう実現するかの技術開発に取り組んだ。適切な処理温度、処理時間、処理濃度を導き出すためテストを繰り返した。界面活性剤による処理では最適な浸透仕様の管理範囲を、遠心分離機を使った処理液放出では遠心作業時間と温度の範囲を見極めた。硝酸使用による環境面への影響を抑えるため汚れ除去工程に超音波振動子での洗浄を追加した。翌年、新たにものづくり補助金を活用して潤滑性処理試験装置を導入し、潤滑性能を高める表面処理加工の開発に着手した。

加工機自動化パシベートライン
検査測定潤滑性処理試験装置

新しい製品・サービス:自動車向け燃料圧センサー用部品の高品質・多量生産を目的とした表面処理技術

事業の効果

自動化パシベートラインの完成により、センサー用部品の表面処理の量産化が実現し、受注に至った。開発した潤滑処理によって部品の品質が向上し、金型のメンテナンスコストが削減され、金型寿命も延びた。取引先での大量生産が実現したことで、同部品の受注は今後5割増しになる見込みである。取引先の製造効率の向上やコスト削減にも寄与している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の表面処理技術の積み重ねと新部品ごとの対応が語られるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車部品の高度化や量産化への対応力が強みとして示されるが、市場動向との関係の詳細は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    金型寿命とメンテナンス時間という課題を認識し、潤滑処理で受注が5割増しになる見込みと具体的な効果が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    受注が5割増しになる見込みと量産化の実現が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    試作品に専任部署を置く体制や品質管理の認証取得が書かれるが、人材や事務処理能力の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先の高い信頼や小ロット短納期対応が示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋4

    テストを繰り返す工程確立の過程や、処理温度・時間・濃度の範囲を見極める方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    燃料圧センサー用部品の潤滑性皮膜処理は、自社の高水準の表面加工として位置づけられている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    自動車産業の需要回復や東北の新車販売増にふれるが、国が補助する経済波及効果の記述は限定的。

  • 費用対効果3

    メンテナンスコスト削減と金型寿命延長が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化パシベートラインの導入は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    村田工業団地での事業や地域の自動車産業との関わりが少しうかがえるが、地域経済への効果は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先での大量生産が実現したことで、今後、同部品の受注は5割増しになる見込みとなっている。部品製造の前段階の処理の依頼にも繋がる見込みである。

事業者の声

当社の技術は自社加工の効率だけでなく、取引先の製造効率の向上、コスト削減に寄与できます。今後も技術力、品質力、環境対応力を向上させながらニーズに応え、取引先とともにものづくりに取り組んでいきたいと思います

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。