ものづくり補助金平成25年度製造業宮城県

高難度素材の可縫製と若年作業者に対応する設備と安定品質を実現

株式会社東京ファッション

この事例のポイント

  • 薄い素材や伸びるストレッチ素材など、高難易度素材の縫製は技術的にも時間的にも難しかった。
  • 高難度素材の縫製を効率化するため、CADデータからレーザー加工機でミシンアタッチメントの型を作製し、プログラムミシンでパーツを縫う仕組みを導入して半自動化を実現した。
  • プログラムミシンによる半自動化で、品質の安定化と作業効率の向上を図ることができた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東京ファッション
所在地宮城県 亘理町
業種繊維工業
技術分野製造環境
従業員数68人
資本金1,000万円
設立1968年

事業の背景

国内の衣料市場では海外生産品に価格で対抗できず、多くの国内縫製工場が姿を消した。日本繊維輸入組合の統計によれば、平成27年度に国内で流通する製品の約97%以上が海外生産である。同社は東京都葛飾区で創業し、25年ほど前から百貨店などが扱う高級品に特化した。現在は重衣料から中軽衣料までを手がけ、特に薄くて軽いストレッチ素材の製品に評価が高く、売上の多くは中軽衣料が占めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術薄い素材や伸びるストレッチ素材など、高難易度素材の縫製は技術的にも時間的にも難しかった。
  • 納期・工程素材ごとにミシン調整が必要で時間的なロスが大きかった。
  • 生産能力高難度素材の案件で断らざるを得ないものが発生していた。
  • 人手・技能縫製作業では熟練者と若年者の作業に差が出て、作業の均一化が課題だった。

やったこと

高難度素材の縫製を効率化するため、CADデータからレーザー加工機でミシンアタッチメントの型を作製し、プログラムミシンでパーツを縫う仕組みを導入して半自動化を実現した。ストレッチ素材では素材が伸びても縫い目が切れないよう、環縫いを多用した仕立てができるようにした。縫製前のパーツ工程をプログラムミシンで行うことで、ミシン調整の時間を減らした。熟練者と若年者の技術継承と作業の一定化を図るため、デジタル作業分析ソフトも導入した。

加工機プログラムミシン
加工機レーザー加工機
ソフトデジタル作業分析ソフト

事業の効果

プログラムミシンによる半自動化で、品質の安定化と作業効率の向上を図ることができた。経験の浅い若年スタッフでも正確な縫製ができるようになり、難素材を使った製品でも高い品質での生産が可能になった。ミシンの調整時間が減ったことで、小ロット・短納期への対応も可能になった。作業効率のさらなる向上と人材育成にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    25年ほど前に百貨店向け高級品へ特化し、設備投資と技術力向上で取引先の信頼を得たと記載があり、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内生産約97%以上が海外生産という市場状況と、難素材の縫製が断られていた自社の弱みを踏まえ、難素材対応で差別化した点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    難素材の縫製に時間的ロスが大きいという課題を認識し、新設備導入で短時間縫製と小ロット・短納期対応を実現したと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、生産効率向上の方向性のみがうかがえる。

  • 事業を進める体制3

    若年層が多く亘理工場の平均年齢28歳、デジタル作業分析ソフトで技術継承を図っていると書かれているが、補助事業の遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    薄くて軽いストレッチ素材の製造に評価が高く、小ロット・短納期を求める高級品メーカーが顧客ターゲットと明記されている。

  • 事業化までの道筋2

    最新設備導入の決断は書かれているが、スケジュールや中長期の課題解決方法の具体的な記載は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    難素材の縫製は技術的にも時間的にも難しく、断らざるを得ない案件があったため、高難易度分野での差別化が読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    国内縫製工場の減少や国内生産に転換するメーカーの増加が背景として書かれ、地域雇用への貢献も目指すとある。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値や付加価値額の増加に関する記述は見当たらず、効果は定性的にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD・CAMやレーザー加工機で型を作製しプログラムミシンで半自動化したと書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、業界全体への波及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    国内生産への転換の流れに触れているが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    東京都葛飾区創業後に亘理町と南相馬市へ工場を設けた地域拠点化と雇用による地域貢献が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

この設備なら経験の浅い若年スタッフでも正確な縫製を行えるので、難素材を使用した製品でも高い品質での生産が可能になりました。機械の調整時間も少ないので、小ロット・短納期への対応が可能となったことも大きいです

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。