ものづくり補助金平成25年度情報通信業宮城県

Web 技術を活用した「多言語対応新観光ガイド」システムの構築事業

株式会社ナナイロ(旧社名:株式会社Sunnyday)

この事例のポイント

  • 観光バスツアーのガイドはスポットの説明時に、ツアー参加者が該当スポットを識別できず見過ごしてしまう場合がある。
  • 観光バスツアーのガイド向けに、貸出用システム機器(同期配信システム格納済みコンテンツサーバー、無線LANルーター等のセット、タブレット端末)を導入した。
  • 視察ツアーで、瑞巌寺では工事前の画像、円通院では紅葉がライトアップされた庭園の画像を表示したところ、参加者は目の前の庭園風景と見比べて歓声を上げた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ナナイロ(旧社名:株式会社Sunnyday)
所在地宮城県 仙台市
業種情報サービス業
従業員数70人
資本金2,000万円
設立2005年

事業の背景

株式会社Sunnydayは平成28年10月に株式会社PRO&BSCと合併し、株式会社ナナイロに社名変更した。主な事業はシステム・ソフトウエア開発とウェブ関連事業で、ネット販売、デザイン制作、ペットサービス、飲食事業も展開している。当社はシステム受託開発を中心に事業を展開している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑観光バスツアーのガイドはスポットの説明時に、ツアー参加者が該当スポットを識別できず見過ごしてしまう場合がある。
  • 人手・技能日本人と外国人観光客が混在した場合、外国語対応が難しい。
  • 新製品・新技術被災地では車内からの説明や写真だけでは後方座席から見えにくく、現在の雑草の生い茂る風景や跡地を見ても初めて訪れた人には津波被害がイメージしづらい。

やったこと

観光バスツアーのガイド向けに、貸出用システム機器(同期配信システム格納済みコンテンツサーバー、無線LANルーター等のセット、タブレット端末)を導入した。グループ操作用タブレット端末(親機)にコンテンツサーバー機能を持たせ、行程に沿った観光スポットの写真・動画、歴史的背景、エピソード、災害時の緊急避難経路を事前に格納した。ガイドが親機のボタンを操作して画像や動画を表示し、ツアー参加者に貸与した子機タブレットは親機と自動的に同期して同じ画面を映す。電波の弱い地域があるため携帯電話網ではなく電波の安定した無線LANを使い、アプリケーションは親機のみに格納して汎用Webブラウザで閲覧できるようにし、端末メーカーやOSを限定しない設計とした。平成27年3月の国連防災世界会議関連の視察ツアーでシステムを実証し、タブレットは松島町・南三陸町の被災地や観光地のコンテンツを格納して無償供与した。

ソフト同期配信システム格納済みコンテンツサーバー
その他無線LANルーター等のセット
その他グループ操作用タブレット端末(親機)
その他ツアー参加者用タブレット端末(子機)
ソフト多言語対応ガイドシステム「SYNK」

新しい製品・サービス:多言語対応ガイドシステム「SYNK(シンク)」

事業の効果

視察ツアーで、瑞巌寺では工事前の画像、円通院では紅葉がライトアップされた庭園の画像を表示したところ、参加者は目の前の庭園風景と見比べて歓声を上げた。南三陸町では志津川高校で撮影された津波の動画を同じ場所で再生し、臨場感をもって津波を想像できたという感想が寄せられ、高い訴求効果が得られた。技術面と運用面の課題を洗い出し、国内外に類のない先導的モデルとしてアピールできた。今後は公的機関の協力のもとバス会社、タクシー会社、通信会社、観光関連施設などへの普及を進める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    観光ガイドの課題解決としてWeb技術を活用したシステム開発に取り組んだと書かれているが、既存事業との位置付けや経営戦略上の記載は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    被災地での使用を想定して開発したことや有用性は述べられているが、市場動向や自社の強み・弱みへの言及は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    ガイドが抱える課題(スポット識別、外国語対応)を明示し、システム化で解決する方針が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    システム受託開発を中心に事業展開する会社と書かれるが、補助事業の遂行体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガイドが課題とする識別・外国語対応に対し、写真や動画の表示で臨場感を出す点と訴求効果が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    普及先やライセンス展開など今後の方針は書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    多言語対応の観光ガイドシステムという分野で、タブレットと無線LANを組み合わせた先導的モデルとして訴求したと書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    国連防災世界会議の視察や被災地の語り部として、防災・地域観光の社会的意義が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    導入負担が少ないことは触れられるが、補助金投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    タブレットと無線LANによる同期配信で、観光ガイドのサプライチェーンに新しい仕組みを示したと読み取れる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    観光分野での普及やバス会社・通信会社への展開が述べられるが、日本経済の構造転換への言及はわずかである。

  • 地域経済への波及4

    宮城県や南三陸町など地域の観光資源を活かし、宮城の活性化に役立つツールと位置付けている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

公的機関の協力のもと、バス会社、タクシー会社、通信会社、観光関連施設などにシステムの普及を働き掛ける。さらに宿泊施設や土産物販売店などの付加情報を収集し、観光情報の提供と物産販売のPRに応用する。収益事業としてシステム、無線LANネットワーク機器、タブレット端末の貸し出し、SYNKの活用企画・運用支援、コンテンツ作成支援、研修、技術使用ライセンスの供与などを有料で展開する。

事業者の声

被災地での使用を想定して開発したことから、特に観光分野において有用なシステムとなっております。導入負担が少ないことも特長ですので、宮城の活性化に役立てるツールであると考えております。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。