ものづくり補助金平成25年度情報通信業大阪府

中小IT企業連携体による「中小小規模企業向けクラウドサービス」の提供

株式会社アスコット

成果月額2万円程度からという低価格での提供を実現

この事例のポイント

  • アスコットが提供するERPは従来オンプレミス(自社保有)で提供しており、自社でサーバー環境を用意できない中小企業には導入が難しかった。
  • 共同購入したサーバーに、アスコットが開発したASPACシリーズと、アイエルエスが開発した経営情報解析システム「BIツール」をインストールし、両システムを構築した。
  • 月額2万円程度からという低価格での提供を実現。ERPを月額2万円程度からという低価格のクラウドサービスとして提供できるようになり、中小零細企業への提案を強化できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アスコット
所在地大阪府 大阪市
業種情報サービス業
従業員数92人
資本金5億円

事業の背景

アスコットは中堅・中小企業向けに特化したERPを開発しており、主力製品のASPACシリーズは流通業・製造業向けに10種類以上のラインアップを展開していた。ERPは中堅・中小企業で採用されていたが、企業体力が小さい中小零細企業には導入ハードルが高い状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術アスコットが提供するERPは従来オンプレミス(自社保有)で提供しており、自社でサーバー環境を用意できない中小企業には導入が難しかった。
  • コスト・採算企業体力が小さい中小零細企業には、ERPの導入ハードルが高かった。

やったこと

共同購入したサーバーに、アスコットが開発したASPACシリーズと、アイエルエスが開発した経営情報解析システム「BIツール」をインストールし、両システムを構築した。イースクラムがサービスレベル・価格・契約などを決定し、コンピュータ・サイエンスが申込み用の紹介ホームページを作成した。サーバーの運用管理はアスコットが担当し、製造業向けに強いイースクラム、卸売業向けに強いコンピュータ・サイエンスが自社の販売網を生かして営業提案を行った。4社で資金を供出し、大手IT企業レベルの大規模なサーバー構築を実現した。

その他クラウドサーバー

新しい製品・サービス:ASPACシリーズをクラウドサービスとして提供する仕組み

事業の効果

  • 月額2万円程度からという低価格での提供を実現

ERPを月額2万円程度からという低価格のクラウドサービスとして提供できるようになり、中小零細企業への提案を強化できた。サーバーを共同購入し4社で運用することで、従来導入が難しかった小規模企業でもERPを利用できるようになった。また、低コストでERPを利用可能にしたことは中小企業支援の観点からも社会的意義が大きい。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    アスコットのERP開発経験や中堅・中小向けの事業実績があり、クラウド化で中小企業へ提案を広げる方向性は読み取れるが、具体的な経営戦略上の位置づけは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    売上高10億円以下の小規模企業向けに月額2万円程度から提供と具体的数字があり、業種別ラインアップで汎用ERPの負担を減らす強みも読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    中小零細企業がERPを導入しにくい課題と、クラウド化による解決の方向は読み取れるが、高付加価値化や成長の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げを示す目標値は記載されておらず、わずかに成長への期待がうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制4

    4社がそれぞれサービスレベル決定、ホームページ作成、サーバー運用、営業提案を分担する体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中堅・中小向けERPで低価格・業種別10種類以上のラインアップ、月額2万円程度という具体的な提供内容と選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    平成25年度の事業と、今後はSE人材を強化し業種別ラインアップを拡充する方針がうかがえるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    4社で資金を供出したとあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    平成27年当時はクラウドサービスが一般的でなく先進的な取組だったと書かれており、新市場性の一端は読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    中小企業が大企業との取引に必要なEDIを用意できない課題に対し、社会的意義が大きいと具体的に説明されている。

  • 費用対効果2

    4社で大規模サーバーを構築し低コスト提供を実現したとあるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    クラウド化により中小零細企業が電子データ交換を用意できる点は、サプライチェーンのイノベーションに関係するが、具体性は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    中小企業の成長やサプライチェーンでの生き残りへの寄与がうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大阪の中小企業を支援する事業とわかるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はSE人材を強化し、業種別ラインアップを拡充することが不可欠だとされている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。