ものづくり補助金平成25年度製造業秋田県

最新設備による生産力と社員の年間所得を向上させる事業

株式会社十文字サントップ

成果生産性が30%向上した。

この事例のポイント

  • 既存設備の生産能力では新規受注に対応できず、新規の受注依頼を見送らざるを得なかった。
  • ボトルネックとなっていた柄合わせ裁断工程と玉縁製作工程に、最新の自動裁断機と自動玉縁機を導入した。
  • 生産性が30%向上した。自動裁断機の導入で正確な柄合わせと裁断が可能になり、生産性は30%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社十文字サントップ
所在地秋田県 横手市
業種繊維工業
従業員数91人
資本金900万円
設立1988年

事業の背景

当社は専門店や百貨店向けの一流ブランド品のスラックスを中心に製造する縫製業者で、国内アパレルメーカーからの委託加工として受注している。国内の縫製業者が減少するなか、品質の高さや精度、納期遵守、スピード感、柔軟性などが評価され新規先からの問合せが増加していた。一方で、海外との激しい価格競争から製造コストの上昇を販売価格に転嫁できない状況が続いていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備の生産能力では新規受注に対応できず、新規の受注依頼を見送らざるを得なかった。
  • 人手・技能柄物の裁断を熟練技術者の目視と針刺し作業に頼っていた。
  • 品質・精度旧式の自動裁断機ではタッチパネルへのデータ手入力による誤入力で誤裁断が起き、生地の再調達や納期遅延が発生していた。
  • 納期・工程製品ごとに異なる玉縁などの仕様と多品種少量生産のため、段取り替えに時間を要していた。
  • コスト・採算材料・燃料・電気・運賃などの製造コストが高騰したが、海外との価格競争から販売価格に転嫁できなかった。
  • 人手・技能縫製業の賃金水準が他業種に比べ見劣りし、新規採用と定着率の向上のために雇用条件の引上げが課題だった。

やったこと

ボトルネックとなっていた柄合わせ裁断工程と玉縁製作工程に、最新の自動裁断機と自動玉縁機を導入した。自動裁断機はプロジェクター投影機とカメラを組み合わせ、投影したマーキングデータを基に正確な柄合わせと裁断を可能にした。QRコードやバーコードで裁断データを瞬時に読み取る仕組みにより、手入力をなくした。玉縁ポケットのゲージ交換(両玉縁と片玉縁の切り替え)は従来90分程度かかっていたが、半分に短縮した。

加工機P-CAM(自動裁断機)
加工機自動玉縁機

事業の効果

  • 生産性が30%向上した。
  • 入力ミスや生地の品番切換えにともなう段取り変更等のロスが20%減少した。
  • 玉縁ポケットのゲージ交換時間 90分→45分
  • 縫い始めから縫い終わりまでのサイクルタイムは従来比35%短縮した。

自動裁断機の導入で正確な柄合わせと裁断が可能になり、生産性は30%向上した。QRコードやバーコードによるデータ読み取りで入力ミスや段取り変更のロスが20%減少した。自動玉縁機の導入でゲージ交換時間が半分に短縮し、縫い始めから縫い終わりまでのサイクルタイムは従来比35%短縮した。生産効率の向上で新規受注を増やすことができ、収益力が強化されたことで従業員の賃上げも実現できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存設備の生産能力不足で新規受注を見送っていたと書かれ、設備投資の目的は読めるが、過去の取組との一貫性は記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新規先からの問合せ増加と、品質・精度・納期遵守・柔軟性が評価されている点が具体的に書かれ、強みと市場動向の関係が読める。

  • 課題の認識と解決5

    誤裁断による生地再調達、段取り時間の長さなど課題が具体的で、生産性30%向上や段取りロス20%減、サイクルタイム35%短縮の数字で解決効果も示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性30%向上、サイクルタイム35%短縮、ロス20%減の目標と実績が示されており、賃上げにも触れている。

  • 事業を進める体制2

    従業員91人や多能工化の取組はうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一流ブランド品の専門店・百貨店向け受注や国内アパレルの委託加工、品質と納期の評価が書かれ、選ばれる理由が読める。

  • 事業化までの道筋3

    3M洗い出しや設備導入の流れは書かれているが、中長期の検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    一流ブランド品のスラックス製造で高水準の品質を強みとしているが、分野の普及度や高価格化の数字は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    国内縫製業者の減少や医療用ガウン供給への言及がわずかにうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し生産性30%向上や新規受注増、賃上げ実現が書かれ、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    プロジェクター投影とカメラの融合、QRコードやバーコードでのデータ読取りが書かれ、デジタル技術活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田県横手市の地域企業として、家族が農家を営む従業員の雇用を支えていると書かれ、地域雇用への関わりは読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ビジネスシーンでのスーツ離れやコロナ禍による在宅勤務の増加でフォーマルの需要が落ち込んでいる。コロナ感染拡大後は使い捨ての医療用ガウンを製造し、全国の医療現場の需要に対応している。従業員の多能工化にも取り組み、休暇等で生産性が低下しないようにしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。