ものづくり補助金平成25年度卸売業、小売業山形県

ガントリーローダ及び機内計測装置付CNC旋盤導入による生産性向上及び高精度化の実現

ヤマト特殊鋼株式会社

この事例のポイント

  • 県内に大手の同業者が多数あり、大手に太刀打ちできない状況にある。
  • ガントリーローダと機内計測装置付のCNC旋盤を導入した。
  • 人件費が削減され、生産量が倍以上に増えたことで、コストの削減を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ヤマト特殊鋼株式会社
所在地山形県 天童市
業種建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
技術分野機械制御,精密加工,測定計測
従業員数100人
資本金5,000万円
設立1947年

事業の背景

当社は鋼材の卸業を営んでいるが、県内には大手の同業者が多数あり、大手に太刀打ちできない状況にあった。そのため、大手が踏み込まないニッチな部分で、顧客にとって川上の仕事を受注し、付加価値を高めていくことで受注量を増やしてきた。顧客の競争相手である中国に対応するためにはコスト削減が課題であり、需要には年間を通して波があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑県内に大手の同業者が多数あり、大手に太刀打ちできない状況にある。
  • コスト・採算競争相手である中国に対応するため、コスト削減が課題になっていた。
  • 人手・技能機械ごとに材料の投入と取り出しを人手で行っており、人件費がかかっていた。
  • 集客・繁閑繁忙期には夜間作業の時間が増え、夜勤の人件費が加算されていた。閑散期には人員に余剰が生じることがあった。

やったこと

ガントリーローダと機内計測装置付のCNC旋盤を導入した。これにより、材料の脱着を自動で行い、部品製造を自動化した。機内計測装置が品質の統一を自動で判断し、寸法補正をかけながら朝まで稼働できるようにした。人が付いていなくても自動で寸法補正が行われ、品質が保たれる。

ロボットガントリーローダ
加工機機内計測装置付CNC旋盤
検査測定機内計測装置

事業の効果

人件費が削減され、生産量が倍以上に増えたことで、コストの削減を実現した。その分、顧客にはコストダウンした価格で提供できるようになり、これまで他社に発注していた顧客の仕事を取り込めるようになった。機械の稼働を需要に合わせてコントロールでき、無駄な人件費を確保する必要がなくなった。一方で、当初予定していた設備導入だけでは済まず、付帯設備が必要になったため、今後も試行錯誤が必要な課題として残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋼材卸業と加工業を営み、顧客は半径40km圏内という事業の位置づけは読めるが、経営戦略上の明確な位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手同業者が多数ある中で、大手が踏み込まないニッチ部分で川上の仕事を受注し、歩止まり100%と在庫の豊富さを強みとしている点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    人件費と需要変動が課題と整理され、ガントリーローダと機内計測装置付CNC旋盤で自動化し、生産量が倍以上に増えたと成果も示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量が倍以上に増えたこと、コスト削減が示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は数値で示されていない。

  • 事業を進める体制2

    付帯設備が必要になったことや試行錯誤が課題として触れられている程度で、実施体制や人材の記述はうかがえる範囲にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は半径30〜40km圏内が中心で、一日に何度も納品できる点やリスクを当社が負う点など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は設備以外の差別化や顧客数の増加を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鋼材卸業や機械加工という分野で、大手が踏み込まないニッチ領域を狙う方針は読めるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の顧客に納品する事業でわずかに地域性がうかがえるが、経済波及効果や雇用創出などの国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    人件費削減と生産量の倍増が示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    機内計測装置による寸法補正や自動化は示されるが、サプライチェーン全体への貢献や新たなビジネスモデルの記述は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    山形県天童市の地域で半径30〜40km圏内の顧客を対象とする点は読み取れるが、地域経済の成長を牽引する記述は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は顧客の数を増やしていく方針である。設備導入は同業者や顧客にも広がるため、設備以外の部分で差別化を図っていく。顧客は半径30〜40km圏内がほとんどで、一日に何度も納品できることや、材料から購入してもらい歩止まり100%で加工できることをメリットとして捉えてもらえる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。