ものづくり補助金平成29年度建設業佐賀県

最新高精度加工機導入によるコンクリート型枠製造における革新的工期短縮工程の構築

株式会社タシロ

この事例のポイント

  • 型枠の材料の墨出しやカットを人の手で行っているため、品質が不安定になる。
  • 型枠の材料であるベニア合板を加工するため、高精度加工機のパネルソーを主としたシステムを新たに構築した。
  • 新システムの導入によりユニット工法を採用し、複雑な組立ての大部分を工場内で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タシロ
所在地佐賀県 佐賀市
業種職別工事業(設備工事業を除く)
技術分野精密加工,製造環境
従業員数50人
資本金2,000万円
設立1967年

事業の背景

当社は50年以上にわたり型枠工事業を営み、ビルやマンション、教育機関、医療機関、公共施設など数多くの建設現場に携わってきた。大型物件、複雑な形状の物件、RC造の神社仏閣様式など特殊な物件にも対応できる技能を備え、佐賀県知事技能者表彰や全国技能士会表彰を受けた実績もある。建築分野では部材を工場で組み立てて現場に持ち込む方法が浸透しているが、型枠大工工事では現在も現場で加工・組立てが行われているのが現状である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度型枠の材料の墨出しやカットを人の手で行っているため、品質が不安定になる。
  • 生産能力墨出しやカット作業に時間がかかる。
  • 人手・技能作業に熟練の技術が必要なため、人材の確保が困難である。
  • 人手・技能材料を台車に載せて現場へ運ぶ作業があり、作業者の体力的な負担が懸念されていた。

やったこと

型枠の材料であるベニア合板を加工するため、高精度加工機のパネルソーを主としたシステムを新たに構築した。機械に寸法を設定することで墨出しが不要となり、効率化とミスの減少を実現した。パネルソーは最大3枚を同時に加工できる。あわせてバッテリーフォークリフトを導入し、事前にユニット化した型枠を現場へ運搬できるようにした。フォークリフトは電動のため工場内に排気ガスを出さず、作業環境をクリーンに保てる。

加工機高精度加工機パネルソー
その他バッテリーフォークリフト

事業の効果

新システムの導入によりユニット工法を採用し、複雑な組立ての大部分を工場内で行えるようになった。型枠製品の寸法精度と品質が大きく向上し、工程全体が約半分まで短縮された。熟練技術のない作業者でも加工や組立てができるようになり、育成期間も短縮された。工程短縮により余裕が生まれて技能継承の体制も整い、大型物件の受注量を増やすことも可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    50年以上の型枠工事の実績と技能者表彰に触れ、過去の取組との連続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    熟練技能者の不足や大型物件の受注増に触れ、自社の強みを活かす方向は読み取れるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    墨出しや材料運搬の課題を挙げ、工程が約半分に短縮、必要人員の大幅削減、大型物件の受注量増加など数字と事実で効果が示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程が約半分に短縮、育成期間の短縮、大型物件の受注増などの効果が示されており、付加価値向上の見通しは読み取れるが数値目標は記載がない。

  • 事業を進める体制4

    ベテラン技術者によるOJTや技能士派遣など体制の記載があり、従業員50人規模での遂行体制は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    熟練不要で加工できる環境や大型・複雑物件への対応力など、選ばれる理由と顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    型枠の軽量化やアルミ仮設資材への変更検討など今後の方向は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    型枠製造の工場組立ユニット工法への転換が示されるが、高付加価値化や市場の希少性を示す記述は限定的である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    地域への貢献や職人育成への言及はあるが、波及効果や雇用創出の規模を示す数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    投資後に工程が半分程度に短縮され、必要人員が大幅に削減されたという効果が事例に示されている。補助金額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    高精度加工機による工場内ユニット化は生産方式の改善だが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献は具体的に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県内の大型工事を手がける地域企業として、地域の人材育成に寄与する方針が示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は作業者の負担減とコスト削減に向けて型枠の軽量化をめざし、仮設資材をスチールからアルミへの変更を検討している。今回の事業で抑えられた人員やコストを生かし、品質向上と価格競争力の強化を図るとともに、従業員の給与アップなど雇用条件の向上にも取り組み、人材確保に注力する方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。