ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業山形県

微小粒子状物質(PM2.5)の電子顕微鏡(SEM-EDX)を用いた測定技術サービスの開発

株式会社理研分析センター

この事例のポイント

  • PM2.5は2.5μm以下の粒子のため、画像解析や形状観察には電子顕微鏡が必要だったが、自社にはその測定技術がなかった。
  • PM2.5のサンプラー(基本は1か所に2〜3台1組で設置してサンプリング)、形状や表面解析のための電子顕微鏡、計量のためのチャンバー、ウルトラミクロ天びんを新たに導入した。
  • 電子顕微鏡や計量機器の導入により、PM2.5の新たな測定技術を構築し、サービスの開発と展開を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社理研分析センター
所在地山形県 鶴岡市
業種技術サービス業
設立1977年

事業の背景

中国での大規模な大気汚染を機に、越境大気汚染が報道され社会的関心が高まった。PM2.5は肺の奥まで入り、呼吸器系や循環器系への影響が心配されている。健康に資する発生源対策や発生源寄与の把握のため、今後ますます需要が高まると予測される成分分析や電子顕微鏡を用いた高精度な測定へのニーズがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術PM2.5は2.5μm以下の粒子のため、画像解析や形状観察には電子顕微鏡が必要だったが、自社にはその測定技術がなかった。
  • 新製品・新技術成分分析と画像解析を組み合わせ、サンプリングから質量測定までを含む一連のサービスを構築する必要があった。

やったこと

PM2.5のサンプラー(基本は1か所に2〜3台1組で設置してサンプリング)、形状や表面解析のための電子顕微鏡、計量のためのチャンバー、ウルトラミクロ天びんを新たに導入した。当社既存のICP-MS、蛍光X線分析装置、イオンクロマトグラフ分析装置、カーボンエアロゾル分析装置などと組み合わせ、大気中微小粒子状物質(PM2.5)成分測定マニュアルを基本とした調査分析サービスを開発した。あわせて電子顕微鏡を組み合わせた粒子形状・表面解析などのサービス提供を達成した。

検査測定PM2.5サンプラー(採取装置)
検査測定走査型電子顕微鏡
検査測定計量チャンバー
検査測定ウルトラミクロ天びん

新しい製品・サービス:微小粒子状物質(PM2.5)の電子顕微鏡(SEM-EDX)を用いた測定技術サービス(サンプリングから質量測定、成分分析、画像解析までを含む一連のサービス)

事業の効果

電子顕微鏡や計量機器の導入により、PM2.5の新たな測定技術を構築し、サービスの開発と展開を実現した。画像解析による粒子の形状確認と、蛍光X線分析装置などを用いた成分分析を組み合わせ、自治体や民間からの関連依頼に対して一連のサービスを提供できるようになった。現在は数件の実業務を受注して実施している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から分析業務を手がけ、ISO取得や既存分析機器との組合せに触れており、事業との一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    PM2.5需要の高まりや自治体・企業の安心安全対策への言及はあるが、競争上の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    新サービスの確立と数件の実業務受注が書かれ、課題認識と成長方向はあるが、数値目標や事業計画の具体性は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    ISO/IEC 17025認定や既存分析機器を持つ体制は書かれているが、人材や事務処理体制の具体記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    サンプリングから質量測定、成分分析、画像解析までを一貫して提供する点と、自治体や民間からの依頼が対象である点が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後アスベスト分析への展開や社内分析力の国際標準化への取組が示されるが、スケジュールや課題解決方法は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    PM2.5の電子顕微鏡による形状・表面解析は新しい測定技術として書かれているが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    健康影響や発生源対策に資するデータ収集への貢献が背景に書かれ、公益性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    電子顕微鏡と既存分析機器を組み合わせた新サービスが書かれ、デジタル活用の一端はあるが、地域やサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    大気汚染対策や環境分野への貢献がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見られない。

  • 地域経済への波及2

    山形県鶴岡市の本社所在は分かるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

全国的な意識の高まりから、PM2.5に関する調査の要求は今後も増えると想定される。既存の分析技術と新規導入機器のデータを組み合わせ、新サービスとして確立させていく。ISO/IEC 17025試験所認定を生かして社内分析力の国際標準化にも取り組み、需要が伸びると予想されるアスベスト分析などにも対応していく。

業種と困りごとが近い成果事例

滋賀県学術研究、専門・技術サービス業平成25年度

水環境浄化循環技術の開発

ナノバブル技術を導入した新しい水浄化システムの開発を目指した。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。