ものづくり補助金平成27年度学術研究、専門・技術サービス業北海道

世界初の統合型孔内計測システムによる総合的ボーリング情報提供サービスの創出

株式会社レアックス

この事例のポイント

  • 従来は計測されることが少なかったボーリング孔の曲がり具合や到達地点などの幾何学情報を得られず、ボーリング調査・工事を高いレベルで保証するには不十分だった。
  • 各種測定機や魚眼型ボアホールカメラなどの新機材を導入し、独自開発の製品・技術と組み合わせて、ボーリング孔の曲がり具合や到達地点、孔径、孔壁状態などを取得する「統合型孔内計測システ…
  • 実証試験の結果を踏まえ、ボーリング孔の各種測定結果をパッケージ化して付加価値を高め、統合情報として提供する新技術サービスを創出した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社レアックス
所在地北海道 札幌市
業種技術サービス業
従業員数33人
資本金5,000万円
設立1988年

事業の背景

同社はボアホールカメラを基盤に、地中の岩盤のひび割れなどを可視化する調査を国内外で手掛けており、ボアホールカメラは国内トップシェアを誇る。ボアホールカメラは円錐型の鏡で穴の壁面を映し、360度の全周を鮮明に撮影できる技術で、長年継承されながら更新を続けている。ダムや原子力発電所などの大型構造物の立地には、ボーリング調査・工事の高い性能と品質の保証が欠かせない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来は計測されることが少なかったボーリング孔の曲がり具合や到達地点などの幾何学情報を得られず、ボーリング調査・工事を高いレベルで保証するには不十分だった。
  • 新製品・新技術ボアホールカメラで得る孔内画像だけでなく、ボーリング孔や井戸も基礎インフラとして出来形を計測し、地下領域の見える化をさらに進める必要があった。

やったこと

各種測定機や魚眼型ボアホールカメラなどの新機材を導入し、独自開発の製品・技術と組み合わせて、ボーリング孔の曲がり具合や到達地点、孔径、孔壁状態などを取得する「統合型孔内計測システム」を構築した。並行して、自社用地である八剣山テストフィールド(札幌市南区)を再整備し、同システムの検証・校正を行うための実証試験を実施した。テストフィールドには模擬孔をつくり、実際の計測条件に近い環境で試験を行った。

検査測定各種測定機
検査測定魚眼型ボアホールカメラ
その他統合型孔内計測システム

新しい製品・サービス:ボーリング孔の各種項目の測定結果をパッケージ化し、統合情報として顧客に提供する新技術サービス

事業の効果

実証試験の結果を踏まえ、ボーリング孔の各種測定結果をパッケージ化して付加価値を高め、統合情報として提供する新技術サービスを創出した。防災・減災意識の高まりを背景に地質調査の重要性が増しており、統合型孔内計測システムを用いた技術貢献の機会も増加傾向にある。インフラ事業者や公共事業発注者、工事会社からの注目も高まっている。工事成果物の安全性や耐久性、信頼性を担保することで、インフラ整備や生活環境の保全にも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の自社開発の強みを前面に出す方針や、ボアホールカメラ技術の継承が書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内トップシェアのボアホールカメラと、同業他社との差別化を図る狙いが示され、強みを活かした競争優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    ボーリング孔の曲がりや到達地点などが実測されにくい課題を認識し、統合型システムで解決する方針が書かれているが、事業計画の数値は薄い。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員33名、研究開発投資を繰り返す体制が示されるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ボーリング孔の幾何学情報や統合情報のパッケージ化など提供価値が具体的で、インフラ事業者や発注者からの注目度も示されている。

  • 事業化までの道筋2

    八剣山テストフィールドでの実証試験と技術データ蓄積の方針はあるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    統合型孔内計測という新技術サービスを創出し、世界初をうたう新市場の開拓を狙う点から、高付加価値化の方向性が読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用4

    ダムや原子力発電所などの社会基盤整備に欠かせない調査で、工事の安全性や防災・減災に貢献する点が具体的に書かれている。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加、生産性向上の数値が示されておらず、費用対効果はうかがえる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    統合型孔内計測システムという新しいデジタル計測の仕組みで、地質調査のイノベーションに貢献する方向が読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    防災・減災意識の高まりや海外市場進出に触れるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    札幌市の自社テストフィールド再整備はあるが、地域の雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は追加試験などで技術データを蓄積しながら、潜在需要を掘り起こして新市場の開拓を進め、同業他社との差別化をさらに強化していく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。