ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

医療・環境分野の樹脂加工における生産効率及び品質向上の強化を目指したシステム構築

株式会社東北エンジニアリングプラスチック

成果測定の繰返し算出精度(誤差) 20μm→3μm

この事例のポイント

  • 手動でプローブを操作する従来の測定機では、オペレーターの力加減によって最大20μ程度の誤差が生じていた。
  • 検査工程にCNC三次元測定機とCNC画像測定機を新たに導入した。
  • 測定の繰返し算出精度(誤差) 20μm→3μm。新しい測定機の導入により、検査時間が短縮され、正確な判定による品質保証が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社東北エンジニアリングプラスチック
所在地山形県 高畠町
業種プラスチック製品製造業
従業員数35人
資本金1,800万円
設立1990年

事業の背景

主に医療・環境分野向けに精密な樹脂加工部品を提供しており、両分野では精密な加工寸法精度と品質保証が求められている。一方で、従来の測定機では精密部品の多様なニーズに即応しきれない状況だった。医療・環境分野は今後も市場拡大が確実視されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手動でプローブを操作する従来の測定機では、オペレーターの力加減によって最大20μ程度の誤差が生じていた。
  • 品質・精度取付け可能なプローブ径より小さい形状や、より大きなサイズの加工物は測定できず、品質保証が製造機のマシン精度頼みになっていた。
  • 生産能力検査工程から加工現場へのフィードバックに時間がかかり、生産性と品質の向上を妨げていた。

やったこと

検査工程にCNC三次元測定機とCNC画像測定機を新たに導入した。三次元測定機は自動測定を行う接触型で、先端のプローブが入らない形状やサイズの加工物は画像測定器に切り替えて測定する計画とした。新設備に合わせて専用の検査室を社内に増設し、温度・湿度管理を徹底した。検査工具についても独自の校正管理を実施した。

検査測定CNC三次元測定機
検査測定CNC画像測定機

事業の効果

  • 測定の繰返し算出精度(誤差) 20μm→3μm

新しい測定機の導入により、検査時間が短縮され、正確な判定による品質保証が実現した。画像測定機によって、従来測定できなかったサイズの加工物も品質保証できるようになった。測定数値が明確になったことで加工現場へ迅速にフィードバックでき、形状精度が向上して不良品が減り、コスト低減にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    医療・環境分野をメインとする事業と測定機導入の関係は書かれるが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは具体的に読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療・環境分野は今後も市場拡大が確実視されるとあり外部環境に触れるが、自社の強み・弱みとの関係は具体性が薄いです。

  • 課題の認識と解決4

    手動プローブで最大20μの誤差、検査からのフィードバックに時間がかかる課題を認識し、検査体制の再構築で解決を図っています。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    三次元測定機の繰返し算出数値が±3μ以下とあり、不良品低減によるコストダウンにも触れられ、目標の具体性があります。ただし付加価値額の目標数値は示されていません。

  • 事業を進める体制2

    従業員35名で技術一筋の社員と最新設備を使うとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的記述は少ないです。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療・環境分野の高い精度と品質保証のニーズ、検査による品質保証と短納期対応が選ばれる理由として整理されています。

  • 事業化までの道筋3

    専用検査室増設や校正管理、航空宇宙向け品質マネジメント認証取得の取組が書かれますが、スケジュールや課題解決方法は具体性が薄いです。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    医療・環境分野の樹脂加工で高精度測定を導入しているとうかがえますが、高付加価値化・高価格化の水準は数値で示されていません。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療・環境分野の市場拡大や航空宇宙関連への展開が触れられ、地域や雇用への波及効果は具体的に書かれていません。

  • 費用対効果2

    不良品低減によるコストダウンが書かれるが、補助金投入額に対する付加価値額や生産性の数値は示されていません。

  • イノベーションへの貢献2

    画像測定器による自動測定やデータベース化に触れ、デジタル活用がうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は具体的ではありません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・環境・航空宇宙分野への進出が書かれるが、日本経済の構造転換への貢献は読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形県高畠町の事業所とあるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用・成長への効果は書かれていません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は複雑化する加工形状の検査データベース化を進め、検査工程を軸とした改善サイクルの運用を強化していく。また、航空宇宙関連を医療・環境に続く第三の収益の柱と位置付け、専用の品質マネジメントシステムの認証取得に取り組んでいる。本事業の測定機器も活用して受注拡大を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。