ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

鋳物製造における仕上げ加工の機械化による品質向上・コスト低減により精密・複雑形状製品市場への参入を目指す

株式会社会津工場

成果バリの高さ(CP値) 1.38CP→1.83CP

この事例のポイント

  • 鋳物の仕上げ工程は熟練工の手作業で対応するケースが多く、品質の安定性と工数の面で課題があった。
  • 小型工具を搭載した自動グラインダー機を導入し、自動車エンジン部品などの鋳造で生じるバリの取り除き作業を機械化した。
  • バリの高さ(CP値) 1.38CP→1.83CP。自動グラインダー機の導入により、研削面の品質が向上し、バリの高さはCP値で1.38から1.83へ33%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社会津工場
所在地福島県 福島県南会津郡只見町
業種鉄鋼業
技術分野精密加工

事業の背景

当社は自動車エンジン部品などの高精密・複雑形状のダクタイル鋳鉄鋳物を得意とし、月産100万個を供給している。鋳物業界の海外シフトに伴い、国内ではシンプルな形状の製品づくりが減ってきている。一方、海外で対応できない高難度な鋳物生産は引き続き堅調な需要が見込まれる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能鋳物の仕上げ工程は熟練工の手作業で対応するケースが多く、品質の安定性と工数の面で課題があった。
  • 品質・精度手作業では研削面の精度にムラが出て、0.3mm以下の管理幅いっぱいに仕上がるケースが目立った。
  • コスト・採算加工形状が複雑になるほど工数が増えて効率が落ち、コストが高くなっていた。
  • 人手・技能仕上がり寸法が大きくなるほど製品重量が増し、作業者への荷重負担が懸念されていた。

やったこと

小型工具を搭載した自動グラインダー機を導入し、自動車エンジン部品などの鋳造で生じるバリの取り除き作業を機械化した。研削面は0.3mm以下の管理幅を満たす必要があり、検証で導かれた問題解決の視点に基づいて設備投資を行った。大手自動車メーカー向け製品では、手作業で2工程を要していた仕上げを、自動グラインダー機の導入後は1工程に集約した。

加工機自動グラインダー機

事業の効果

  • バリの高さ(CP値) 1.38CP→1.83CP
  • 仕上げ工程数(大手自動車メーカー向け製品) 2工程→1工程

自動グラインダー機の導入により、研削面の品質が向上し、バリの高さはCP値で1.38から1.83へ33%向上した。大手自動車メーカー向け製品では仕上げ工程を2工程から1工程に集約でき、作業工数が大幅に削減された。タクトタイムも大幅に短縮され、生産性は5倍に高まった。研削面の精度向上がアピールポイントとなり、量産仕様への採用が決定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    鋳造から切削までの一貫工程と自動車部品の供給実績が書かれ、過去からの事業の延長として自動グラインダー導入が位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    薄肉・軽量化や高精密な複雑形状の鋳物が強みと書かれ、海外シフトの中で高難度品が堅調と述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業2工程を1工程に集約、タクトタイム大幅短縮、生産性5倍と課題と効果が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    バリ高さCP1.38→1.83で33%向上、生産性5倍、月4,000~5,000セットの受注と数字で目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制2

    熟練工の手作業から機械化したことは書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    研削面の精度向上が自動車メーカーの量産仕様採用で評価され、顧客ターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋4

    来年夏から再来年に約3倍へ増産し、2台目・3台目を増設する時期と方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鋳造のバリ取り工程の機械化で、同分野で高水準の品質を目指す点はうかがえるが、高付加価値化の数値は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    海外シフトで国内の鋳物需要が変化する中で、雇用や波及効果に関する記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    工数2工程から1工程、生産性5倍、バリ高さ33%向上と、設備投資に対する効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動グラインダーの導入はわずかに自動化を示すが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    自動車部品の鋳物製造から生活・レジャー、建築資材への多角化が述べられ、わずかに成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及3

    福島県南会津の地域で事業を展開し、受注増と増産で雇用に関わる可能性があるが、地域経済への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

1ヵ月に4,000~5,000セットのオーダーが入り自動グラインダー機の稼働率は70~80%のため、来年の夏から再来年にかけて約3倍への増産を計画している。自動グラインダー機も2台目、3台目を増設する構想である。生活・レジャー関連や建築資材の分野も対象に、高精度鋳物の多様化と商品化を進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。