ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

長尺シャフト切削加工における横型マシニングセンターの導入による生産性の向上

磯上歯車工業株式会社いわき工場

成果1本あたりの製作加工時間 15分→5分

この事例のポイント

  • 取引先から長尺シャフトの量産化を求められていたが、いわき工場と川崎工場の両工場では生産量が限られていた。
  • 丈決め工程の作業を短縮するため横型マシニングセンターを導入した。
  • 1本あたりの製作加工時間 15分→5分。横型マシニングセンターの導入により、丈決め工程の作業時間が大幅に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名磯上歯車工業株式会社いわき工場
所在地福島県 いわき市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,精密加工
設立1954年

事業の背景

1954年に東京都大田区大森で創業し、28年前に先代社長が故郷のいわき市好間工業団地に土地を取得して第一工場を建設した。震災後は復興資金を利用して第二工場を建設し、現在は第三工場を施工中である。事業はギア・シャフト製造、機器開発、ソフトウエアで、大型道路機械の需要増に伴い射出成形機および道路機械向けの長尺シャフトの量産化が取引先から求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先から長尺シャフトの量産化を求められていたが、いわき工場と川崎工場の両工場では生産量が限られていた。
  • 納期・工程NC旋盤加工の前工程である丈決め(シャフト両側の長さ決めと両側センター穴あけ)がボトルネックになっていた。

やったこと

丈決め工程の作業を短縮するため横型マシニングセンターを導入した。旧来の旋盤を移動し、土台部分のコンクリートを補強したうえで機械を搬入し、アンカーを打って補強を行った。センタリング工程で使う加工用治具を自社で製作し、操作研修を経て稼働させた。今回の試作では1台に2本を搭載できるタイプを製作した。1本あたりの製作加工時間は従来15分だったが、合計5分となり作業時間を3分の1に短縮した。作業内訳はワーク載せ、フライス、センタリング、ワーク反転、旋盤チャック用つかみ代加工(1分)、ワーク降ろしで各0.5分ずつとした。目標の2分以内には届いておらず、ワーク設定本数などの試作を継続中である。

加工機横型マシニングセンター

事業の効果

  • 1本あたりの製作加工時間 15分→5分

横型マシニングセンターの導入により、丈決め工程の作業時間が大幅に短縮された。従来1本15分かかっていた製作加工時間は合計5分となり、作業時間は3分の1になった。現場はフル操業で次々と加工をこなしており、高精度の品質も維持できている。取引先からの長尺シャフトの量産要請に対応できる体制が整いつつある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旋盤作業を横型マシニングセンターへ移すなど事業の流れは読めるが、経営戦略上の位置付けや過去の取組との一貫性までは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    取引先からの長尺シャフト量産要請と自社の大型ギア・シャフト一貫生産という強みは読み取れるが、市場動向や競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    ボトルネックの丈決め工程を課題と認識し、横型MCで作業時間を15分から5分へ短縮した具体的な計画と成果が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    目標は1本2分以内、月4,000本以上、加工時間20%短縮と数値で示されているが、現状は2分に届いておらず実現可能性は途上とされている。

  • 事業を進める体制3

    操作研修の実施やオペレーターの技量への言及はあるが、人材や事務処理体制の充実度は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    取引先からの要請という需要の裏付けはあるが、製品の顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は読み取れない。

  • 事業化までの道筋4

    台数追加、治具台座増設、フライスカッター歯数の増加など、課題解決の段階的な方法と計画が具体的に示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    横型マシニングセンターによる同期切削など高付加価値化の工夫は書かれているが、同分野での水準比較は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    大型道路機械の需要増や地域での一貫生産への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    作業時間15分から5分への短縮(1/3)など、投資に対する生産性向上の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    高性能機械の活用は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確に述べられていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ロボット、エネルギー、医療、航空宇宙など未知分野への挑戦が触れられているが、構造転換への具体的な寄与は示されていない。

  • 地域経済への波及3

    福島いわき工場への本社機能統合や『ものづくりの拠点をふくしまに』という地域拠点化の方針は読み取れるが、地域経済への効果は数値で示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今年は経営革新の年と位置づけ、いわき工場に本社機能を統合してギアとシャフトの一貫生産工場の完成を目指す。今後は加工機を2台追加し、治具台座を増やして6本の同時製作に挑戦する。フライスカッターの歯数を試作時の4枚から8枚に増やし、回転速度も上げてスピードアップを図る。ロボット、エネルギー、医療、航空宇宙などの未知分野へのチャレンジも進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。