ものづくり補助金平成25年度製造業福島県

操作性の良いカテーテル用Yコネクタの開発

アルファ電子株式会社

この事例のポイント

  • 従来のカテーテル用Yコネクタは可動部を回転させる方法で、片手での操作性に課題があった。
  • 特許調査を踏まえ、薬液や血液が漏れない仕組みとして、シリコンなど弾性を有する材料を圧縮する方法を採用した。
  • 試作・開発を通してType Ⅲが完成し、加工精度を高めた状態で試作品を手にできるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名アルファ電子株式会社
所在地福島県 岩瀬郡天栄村
業種電気機械器具製造業
技術分野立体造形

事業の背景

当社は「不可能を可能に」を掲げ、高品質な製品に付加価値を与えるものづくりサービス業として、開発から量産まで一貫対応している。電気・電子、医療機器、産業機械など多くの分野で実績を重ねてきた。医療機器は成長分野の一つで、県や大学と産・学・官連携を進めながらノウハウを蓄積してきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のカテーテル用Yコネクタは可動部を回転させる方法で、片手での操作性に課題があった。
  • 新製品・新技術医師の手技をアシストできるよう、カテーテルが患部に達したら直線的な動きで簡便に固定できるYコネクタの開発が必要だった。

やったこと

特許調査を踏まえ、薬液や血液が漏れない仕組みとして、シリコンなど弾性を有する材料を圧縮する方法を採用した。試作Type Ⅰでは直線的な動きで固定するフック構造とし、形状が単純で量産向けに金型を成型しやすくした。可動部である固定用・リリース用ノブの強度は構造解析シミュレーションソフトで要求レベルに達していることを確認した。Type Ⅱではフック構造を両サイドに設けてガタの発生を抑え、ワンタッチで開放できる回転式パーツを加えた。材料はポリカーボネート樹脂を用い、CADデータから3次元加工機で試作部品を製作して固定・解放の動作をチェックし、Type Ⅲを完成させた。

ソフト構造解析シミュレーションソフト
加工機3次元加工機

新しい製品・サービス:操作性の良いカテーテル用Yコネクタ(Type Ⅲ)

事業の効果

試作・開発を通してType Ⅲが完成し、加工精度を高めた状態で試作品を手にできるようになった。ランニングコストの軽減も図れる設備投資となり、多品種少量・開発から試作・量産までの一貫生産の方針に合致した。Yコネクタは全国で年間約300,000個の市場があり、使い切りタイプのため安定した需要が見込める。医療機器販売会社と提携して市場へ参入し、一定割合のシェア獲得を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    当社の強みはものづくりサービス業と多品種少量・試作から量産までの一貫生産とされ、Yコネクタ開発もその延長として位置づけられている。過去の取組との連続性は文章から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機器分野の実績と産学官連携、ワンストップ対応が強みとして示されるが、市場規模や競合との比較など外部環境の数値分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    医療機器の参入を見据え、課題を操作性と強度として捉え試作を重ねている。ただし売上や付加価値の目標値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    Yコネクタの年間市場規模は約300,000個と示されるが、付加価値や賃上げの目標値は書かれていないため、目標値の実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    Plan→Do→Checkを繰り返し、構造解析シミュレーションと3次元加工機を用いた試作体制が示される。人材や事務体制は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    臨床ニーズを想定し、医師の片手操作や直線的な固定といった使い勝手を価値として示す。ターゲット顧客は医師として明確である。

  • 事業化までの道筋3

    今後は市場調査、医療機器販売会社との提携、量産への移行と段階が示されている。ただしスケジュールの時期や期間は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    Yコネクタは使い切りタイプで年間約300,000個の市場とされ、普及度の記述はあるが、高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器という成長分野への取組とされるが、経済波及効果や雇用創出への言及はなく、国が補助する理由は文章から明確にうかがえない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    構造解析シミュレーションと3次元加工機によるデジタル設計・試作を活用している。サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    成長分野の医療機器へ進出する点はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は具体的には書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    地域は天栄村の企業であり、県や大学との連携が示されるが、地域の雇用や経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本格生産に向けて医師らユーザーによる試作品の市場調査を行い、より良いスペックの検討を続ける。使いやすいYコネクタの具現化と、アイデアや技術をカタチにする製造体制の構築を視野に入れ、完成度を高めていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。