ものづくり補助金平成26年度製造業滋賀県

大規模データセンター向けの無停電装置等の試作開発

三友エレクトリック株式会社

成果不良品発生率 3%/月→0.1%/月

この事例のポイント

  • 精密な曲げができず、曲げによる不良品が月3.0%発生していた。
  • 板金工程の曲げ加工の課題を解決するため、鋼板の曲げによる伸びなどを自動計算し、入力どおりの曲げ角度に補正するNCベンディングマシンを導入した。
  • 不良品発生率 3%/月→0.1%/月。不良品の発生が大幅に減り、曲げ工程の工数と納期が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名三友エレクトリック株式会社
所在地滋賀県 米原市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数130人
資本金4,000万円
設立1974年

事業の背景

当社は1974年に電気機器の組立・配線を主要事業として創業し、現在は産業用電気機器の設計から出荷、現地作業までをほぼ一貫して手掛けるワンストップ生産体制を築いている。重要顧客からの要請に基づき、高い国際競争力を持つパワーエレクトロニクス製品および周辺機器の試作開発に取り組んだ。この製品はIT・省エネ関連、産業機器、電力機器などに使われ、近年需要が急速に高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

やったこと

板金工程の曲げ加工の課題を解決するため、鋼板の曲げによる伸びなどを自動計算し、入力どおりの曲げ角度に補正するNCベンディングマシンを導入した。これにより正確な曲げと正確な切断が可能になった。さらに加工データ作成専用のソフトを導入し、パソコン上で加工データを構築できるようにした。これを用いて試作開発と仕様決定、試作品の評価、生産工程の整備を進め、受注案件を確実に販売に結びつけることを目指した。

加工機NCベンディングマシン
ソフト加工データ作成専用ソフト

新しい製品・サービス:大容量パワーエレクトロニクス製品

事業の効果

  • 不良品発生率 3%/月→0.1%/月
  • 曲げ工程の時間短縮により工数の57%を削減
  • 納期 7日間→3日間
  • 売上高(2015年を100とした指数) 100指数→110指数

不良品の発生が大幅に減り、曲げ工程の工数と納期が短縮された。試作品の評価に時間をかけられるようになり、多くの改良を重ねて顧客から高い評価を得た。2016年度から商品化し、国内外で販売が伸びて市場シェアも拡大している。受注の波による生産能力の不足は課題として残っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    1974年創業以来の配線組立・精密板金・塗装の実績と、ワンストップ生産体制の構築が書かれており、事業の一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    重要顧客からの要請に基づく大容量パワーエレクトロニクス製品の試作であり、国際競争力への言及はあるが、競争優位の定量的根拠は乏しい。

  • 課題の認識と解決5

    不良率3.0%/月を0.1%/月に、工数を57%削減、納期を7日から3日に短縮と、課題と数値目標・結果が具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    2015年売上を100として2016年110、2017年142の見通しと数値が示され、高い付加価値や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員130人や事業担当者の部署・氏名は書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体的な人員配置は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からの高評価や市場シェア拡大、IT・省エネ・電力機器での需要増が書かれ、ニーズの裏付けは一定程度ある。

  • 事業化までの道筋4

    2016年度から商品化、2次元から3次元CADへの切替など補助事業後の取組とスケジュールが示され、課題も言及されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    大容量パワーエレクトロニクス製品は需要が急増とあるが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    IT・省エネ・産業機器・電力機器に使われ需要が高まり、海外販売もあるが、経済波及や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果3

    不良率や工数・納期の改善数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    加工データ作成ソフトの導入やCADの効率化はあるが、先端デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    滋賀県米原市の本社所在地は記載があるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の具体的記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2017年は142になる見通しで、今後も150前後で推移すると考えている。パワーエレクトロニクス市場はIT化・省エネ化・スマート化で今後も伸長すると予想され、生産能力の向上が求められる。開発と生産のリードタイム短縮や変更への柔軟性も進め、新たな事業展開も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。