ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業茨城県

PCR-DGGE法による安価な土壌DNA診断サービスの開発と実用化

株式会社リーゾ

成果現行キットより半額以下の費用で検査に使用できる品質のDNAを抽出できた。

この事例のポイント

  • 土壌病害防除のための土壌DNA検査は1件3万円以上と高額で、農業者に普及していない。
  • 土壌からの効率的なDNA抽出ができる粉砕装置と、DGGE電気泳動装置を導入した。
  • 現行キットより半額以下の費用で検査に使用できる品質のDNAを抽出できた。現行のキットより半額以下の費用で検査に使える品質のDNAを抽出でき、試薬コストを下げられた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社リーゾ
所在地茨城県 つくば市
業種技術サービス業
従業員数6人
資本金600万円
設立2009年

事業の背景

リーゾは植物ゲノム分野の研究経験をもつ女性研究者を中心とする小さなバイオベンチャーで、DNA・RNA実験用試薬キットの開発・販売や研究補助を主な事業としている。農薬の過剰使用による コスト高、健康被害、土壌劣化、病害の深刻化が問題になっており、PCR-DGGE法による土壌DNA検査が注目されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算土壌病害防除のための土壌DNA検査は1件3万円以上と高額で、農業者に普及していない。
  • 人手・技能検査工程が難しく、人件費がコストの大部分を占めている。

やったこと

土壌からの効率的なDNA抽出ができる粉砕装置と、DGGE電気泳動装置を導入した。自社開発の土壌用試薬をベースとした方法を現行キットと比較検討した結果、現行の半額以下の費用で検査に使用できる品質のDNAを抽出できた。画像データから生物多様性指数を算出し、健康状態の評価はクライアントに行ってもらう簡易な工程とした。

  • その他土壌からDNAを抽出する粉砕装置DGGE電気泳動装置

新しい製品・サービス:土壌DNA検査サービス

事業の効果

  • 現行キットより半額以下の費用で検査に使用できる品質のDNAを抽出できた。

現行のキットより半額以下の費用で検査に使える品質のDNAを抽出でき、試薬コストを下げられた。作業の簡易化により技術レベルを下げられるため、将来的には人件費削減と検査料金の値下げにつながる見込みである。試験運用では長野県などの農業指導場から30検体を提供してもらい、検査手順から結果の検証まで行った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    植物ゲノム研究の経験と試薬開発の実績を土壌DNA検査へ展開したと読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    検査料3万円以上という高コストを課題とし、試薬コストを半額以下にする強みを示すが、市場や競合との比較は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    農薬過剰使用や土壌劣化といった課題を示し、試薬と労務の二つのコスト削減で料金を下げる具体的な方策が書かれている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    全国農家140万戸の1%が田畑10カ所を3年に1度検査すると想定し、市場年間4.6億円と数値で示している。付加価値や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員6人で女性研究者中心の体制と、主婦向け実験補助者の育成計画が書かれているが、体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    検査料が3万円以上で普及していない課題、農業試験場の対応限界、長野県での30検体検証など、ニーズの裏付けが数字で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    平成28年3月末までの試験運用と実験補助者の育成計画が示されるが、中長期のスケジュールは曖昧。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    土壌DNA検査は普及度が低い分野で、3万円以上の検査料を半額以下に抑える高付加価値化の方向性が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    農薬の過剰使用や健康被害、土壌劣化への対策として、農業と環境保全への貢献がうかがえるが、国が補助する理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    検査コストを下げることによる費用対効果が示唆されるが、補助金投入額と効果の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    DGGE法による微生物多様性の解析とサービス化がうかがえるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルとしての記述は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    土壌DNA調査市場の成長を見込む記述があり、農業分野の成長に寄与しうるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    つくば市の企業で農業試験場との連携がうかがえるが、地域の雇用や経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

国内の土壌DNA検査市場は年間4.6億円と見込まれ、成長分野として期待している。全国の農家数140万戸のうち1%が、田畑10カ所を3年に1度検査すると想定した試算による。

  • 目標:検査料は1件3万円以上だったが、試薬コスト削減と労務コスト削減により料金を下げられる見込み。

事業者の声

需要の少ない試薬の開発をはじめ、交配袋を自作していた研究者の要望から、研究対象にあった植物の交配に使用する高機能不織布製の研究用交配袋を商品化するなど、扱う内容は多岐にわたるが、それこそがベンチャー企業ゆえに請け負える仕事だという。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。