ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

金属の非球面加工技術の開発による受注拡大

ヤマト精機株式会社

成果反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの超高精度を安定して再現できた

この事例のポイント

  • 取引先から依頼された、反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの超高精度な非球面部品を、金属切削で製作する技術が社内になかった。
  • 平成25年に非球面加工のためのオリジナルソフトウエアを開発した。
  • 反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの超高精度を安定して再現できた。高性能な機械でなくても、ソフトウエアによる加工の工夫で非球面を高精度に量産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名ヤマト精機株式会社
所在地茨城県 筑西市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数40人
資本金1,000万円

事業の背景

主に工作機械の部品を切削加工で製造しており、自動車部品から建設機械部品、計測機械部品へと製造品目を広げてきた。金属切削加工は製造コストの観点から海外へ製造拠点を移す企業が多く、汎用部品や形状が単純な部品では国際競争が今後ますます激しくなると考えられている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術取引先から依頼された、反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの超高精度な非球面部品を、金属切削で製作する技術が社内になかった。
  • コスト・採算非球面を加工できる精密加工機は高額で、投資額が大きくなり顧客のコスト負担も大きくなってしまう。
  • 品質・精度非球面は光の乱反射が許されない製品に使われるため、切削面に刃物の痕が残らない高い技術が必要である。

やったこと

平成25年に非球面加工のためのオリジナルソフトウエアを開発した。今回の補助事業で高精密自動旋盤、長さゲージ、表面粗さ測定機を購入し、ソフトウエアと組み合わせて導入した。高精密自動旋盤はダイヤモンド丸を使って非球面の仕上げ加工を行う切削機で、長さゲージは非球面の面高さを精密に評価するために使う。表面粗さ測定機は非球面の形状を精密に評価する計測機器である。非球面加工部品の試作実験では、ソフトウエアにより、マイクロメートル単位の誤差の品質を安定して再現できた。

新しい製品・サービス:金属切削による非球面加工技術および非球面加工部品

事業の効果

  • 反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの超高精度を安定して再現できた

高性能な機械でなくても、ソフトウエアによる加工の工夫で非球面を高精度に量産できるようになった。投資額を抑えられる見通しが立ち、製作コストも抑えられるようになった。これにより低コスト化と量産化が可能になり、非球面加工に対応できる希少な金属加工業者として受注拡大への大きな一歩となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    開業当初の自動車部品から建設機械・計測機械部品へ品目を広げてきた経緯が書かれ、非球面加工技術を今後の方向として位置づけている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    金属切削は海外移転で国際競争が激化する一方、非球面を切削で再現できる業者はほぼいないとして、技術的優位性を明示している。

  • 課題の認識と解決3

    取引先からの依頼を機に技術開発を決めた経緯はあるが、受注拡大に向けた具体的な事業計画の数値や段取りは薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    低コスト化と量産化が可能になったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性を判断する数字がない。

  • 事業を進める体制3

    従業員40人、資本金1,000万円の規模と、技術者のオペレーション能力に触れているが、補助事業を遂行する体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    超高精度の非球面部品を、レンズや反射鏡など乱反射を許さない製品向けに供給する顧客像と、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    試作実験や今後の試作・製造販売の拡大が書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    反射面の許容寸法誤差1マイクロメートルの非球面を切削で量産できる業者が少ないと述べ、高水準の高付加価値化が明確に読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    非球面の需要は世界規模で高まり国内外で開発競争があると述べるが、雇用創出や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果2

    高額機械を導入せず汎用工作機械とソフトで投資額を圧縮できる見通しとあるが、補助金額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    独自ソフトウエア開発で高精度加工を安定再現した点は技術革新といえるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    光学部品など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    茨城県筑西市の企業とわかるが、地域特性を活かした雇用創出や地域成長への言及はほぼない。

今後の展望

非球面加工の需要は世界規模で高まっており、国内外のメーカーが開発競争を行っている。今後は非球面加工に対応できる希少な金属加工業者としてアピールするとともに、その他の非球面加工部品についても試作および製造販売を広めていく。

事業者の声

お客様に感動と喜びを与えることができる価値あるものづくり

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。