ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業茨城県

分布型光ファイバセンシング5による構造物の予防保全型維持管理事業の展開

株式会社KSK(構造診断研究所)

この事例のポイント

  • 従来の橋梁やトンネルの点検は目視や打音などの人手による方法が中心で、特に地方では遠くから目で確認する方法が主となり、精度が課題となっていた。
  • 橋梁の表面に、光ファイバー内にFBGセンサーを組み込んだユニットを取り付けた。
  • 測定用の機材を導入したことで、レンタル代などのコストを削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社KSK(構造診断研究所)
所在地茨城県 取手市
業種専門サービス業
技術分野測定計測
従業員数50人
資本金2,500万円

事業の背景

同社は橋梁やトンネルといったコンクリート構造物の維持管理に関する点検、調査、計測のほか、コンサルティング業務を行っている。従来の点検は、表面のひび割れを人の目やデジタル画像で確認し、浮きや剥離をたたき点検や超音波法で確認するなど人の手を使う方法が多かった。建設から時間が経過した構造物の維持管理ではモニタリングの重要性が認知されていたが、必要な機器がなかった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の橋梁やトンネルの点検は目視や打音などの人手による方法が中心で、特に地方では遠くから目で確認する方法が主となり、精度が課題となっていた。
  • 品質・精度人の目による点検では長期間にわたる対象物の変化に気付きにくいという問題があった。
  • コスト・採算モニタリングの機材が無く、測定のたびに機材をレンタルする必要があり、そのレンタル代がコスト面での課題となっていた。

やったこと

橋梁の表面に、光ファイバー内にFBGセンサーを組み込んだユニットを取り付けた。このシステムは、光ファイバー内を光が伝わる際に橋上を通過する車両などによって生じる橋のひずみを感知する。使用した光ファイバーは約1メートルで、その間の平均ひずみを計測する。パソコンにつなげることで、車両通過時のひずみ、振動、たわみ、荷重、損傷などを離れた場所でもリアルタイムに把握できるようにした。FBGセンサーは狭い空間にも設置でき、耐久性が高く長期計測が可能で高精度の測定ができる。センサー部は電源を必要とせず、ランニングコストも安い。

その他光ファイバー
検査測定FBGセンサー
検査測定測定器

新しい製品・サービス:FBGロングセンサーを用いた、橋梁などコンクリート構造物の分布型光ファイバセンシングによるモニタリングサービス

事業の効果

測定用の機材を導入したことで、レンタル代などのコストを削減できた。人手をかけずに対象物の変化を知ることができるようになった。顧客の予算に合わせたモニタリングを提案できるようになり、従来はコスト面で受注が難しかったケースも受注できるようになった。モニタリングデータを見える化することで、その存在と必要性を広めていく方針である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来は点検をレンタル機材で行っていたが、機材が無く課題だったとあり、過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    従来の目視・たたき点検は精度と長期変化の把握に課題があったと書かれ、光ファイバー計測で強みを補う方向は読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    目視点検の精度課題を挙げ、光ファイバーで連続的にひずみを捉え劣化予測に活かす計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    コスト削減や人手削減の趣旨はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は数字で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    代表の理念や技術開発への取組は書かれるが、従業員50人規模の体制や事務処理能力の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    橋梁の健全度把握、地震後の判断、疲労破壊時期の検証など目的が三つに整理され、顧客ニーズへの対応も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    FBGセンサー設置と測定機導入で提案を始めたとあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来のレンタル機材の課題を挙げ、光ファイバーによる連続ひずみ計測を高精度で提供する点が、既存の点検手法と差別化されている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    建設から時間が経過したコンクリート構造物の維持管理に重要とあり、インフラ保全の社会的必要性はうかがえるが、経済波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    センサー部は電源不要でランニングコストが安く、レンタル代削減とあるが、投入額に対する数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    光ファイバーによるリアルタイム計測とデータの見える化で、インフラ維持管理の高度化に貢献し得る取組が具体的に書かれている。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    インフラの維持管理・予防保全の重要性は書かれるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    地方での点検の課題に触れるが、地域の特性を活かして雇用や成長を生む記述は限定的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

インフラ整備において目視だけの点検には精度の点から限界がある。身近な橋やトンネルなどのコンクリート構造物で、建設から時間が経過したものを維持管理していくためにはモニタリングが非常に重要となる。構造物の一生を見守るトータルマネジメントの提供を目指す。

事業者の声

正しいことを正確に

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。