ものづくり補助金平成25年度学術研究、専門・技術サービス業鳥取県

快適で安全な生活環境を創造する新たな防災危機管理のためのシステム構築

アイコンヤマト株式会社

この事例のポイント

  • 公共事業の減少、ダンピングによる入札、総合評価制度の導入、有資格者の確保などにより受注環境が困難になっている。
  • 当社が開発した道路台帳システム(GIS)に、新技術測量機器IP-S2(360°全方位動画)と点群情報(3次元データ)を取り入れ、災害の未然防止を目的とした高度情報維持管理システム…
  • 地震・豪雨・豪雪等の自然災害や、橋梁・トンネル・道路法面等の経年的損傷・劣化で引き起こされる災害の未然防止が可能になる。

事業者のプロフィール

事業者名アイコンヤマト株式会社
所在地鳥取県 鳥取市
業種技術サービス業
従業員数26人
資本金1億円
設立1987年

事業の背景

当社は測量・設計・補償・地質・GISの建設コンサルタント業として、公共事業を主に業務を行っている。平成13年よりGIS(地理情報システム)ソフトの独自開発に着手し、平成19年には鳥取県発注の山地災害情報システム開発業務を受注した。その後も道路台帳システム、河川台帳システム、砂防台帳システム、水道台帳システムと導入実績を上げている。近年は公共事業の減少やダンピングによる入札、総合評価制度の導入、有資格者の確保などで受注環境が厳しくなっている。平成23年の東日本大震災後、独自開発のGISシステムが災害の未然防止や早期災害復旧に活用できる可能性を検討した。高度経済成長期に整備された橋梁、トンネル、道路構造物などのインフラは数十年が経過し、維持管理と修繕が地方自治体の大きな課題となっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力公共事業の減少、ダンピングによる入札、総合評価制度の導入、有資格者の確保などにより受注環境が困難になっている。
  • 新製品・新技術独自開発のGISシステムを災害の未然防止や早期災害復旧に活用できる可能性があるが、その展開が十分ではなかった。

やったこと

当社が開発した道路台帳システム(GIS)に、新技術測量機器IP-S2(360°全方位動画)と点群情報(3次元データ)を取り入れ、災害の未然防止を目的とした高度情報維持管理システムを構築した。点群データ計測機としてレーザースキャナーを2台搭載し、左右上下の点群情報を取得できるようにした。これにより法面、橋梁、トンネル等に関する点群情報の取得が可能になった。さらにαUAVを測量等へ応用する基盤として購入し、写真撮影による3D点群作成に利用した。レーザースキャナで取得した3D点群を立体的に閲覧できる点群情報3Dビュー機能を実装し、点群情報を幅や位置等の応用的な情報に変換できるようにした。撮影した情報からゴルフ場の3D地形映像も作成した。

検査測定点群データ計測機(レーザースキャナー)
その他αUAV
検査測定新技術測量機器IP-S2(360°全方位動画カメラ)
ソフト道路台帳システム(GIS)

新しい製品・サービス:道路台帳図や各種関連台帳のGISに、360°全方位動画と点群情報(3Dデータ)を組み合わせた、災害の未然防止のための高度情報維持管理システム。

事業の効果

地震・豪雨・豪雪等の自然災害や、橋梁・トンネル・道路法面等の経年的損傷・劣化で引き起こされる災害の未然防止が可能になる。鳥取県全体で維持管理、防災管理、環境改善の活動を含めて大幅な経費削減効果が見込まれる。定量化できない住民の生活環境向上や暮らしの安心・安全への効果もある。今回の開発システムにより、メンテナンス箇所の早期発見と地域環境保全につながると考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の道路台帳GISを発展させる流れは読めるが、過去の取組との一貫性を経営戦略上どう位置付けたかの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公共事業減少や入札環境の悪化は書かれているが、自社の強みと市場動向を突き合わせて競争優位を示す記述は限定的。

  • 課題の認識と解決3

    受注環境の困難という課題認識はあるが、高付加価値化・成長につながる事業計画としての具体性は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、経営上の数値目標の実現可能性はうかがえるのみ。

  • 事業を進める体制3

    平成13年からのGIS開発や鳥取県発注の受注実績から体制面の蓄積はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    防災・維持管理の効果や住民の安心向上は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は明確でない。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展開は事業化未実施と書かれ、スケジュールや課題解決方法の記述はほぼない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    360度動画と3D点群を組み合わせたGISは新規性がうかがえるが、普及度や高価格化の定量的な根拠は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    橋梁・トンネル等の老朽化対策や災害の未然防止という社会的背景が示され、公的必要性はうかがえる。

  • 費用対効果3

    鳥取県全体で大幅な経費削減効果があると書かれるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    360°動画・レーザースキャナ点群・GISを組み合わせ、維持管理の高度化という先端的デジタル活用が具体的に記載されている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    インフラ維持管理の課題は触れられるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出という観点の記述は弱い。

  • 地域経済への波及3

    鳥取県という地域の自治体インフラ維持管理に焦点を当てているが、地域経済の成長や雇用創出への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

事業化は行っていないが、今回の開発システムによって住民の生活環境、メンテナンス箇所の早期発見、地域環境保全につながると確信している。

  • 目標:従業員数26名(平成28年7月末時点)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。