ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

医療分野(ワクチン製造用遠心分離機)向けの高精度切削加工部品の短納期対応製造ラインの構築

株式会社古室製作所

成果試作品の加工時間 4日→2日

この事例のポイント

  • 遠心分離機の高精度化に伴い部品の加工精度の要求が高まり、従来の取り付け(位置決め)精度の確保が難しくなっていた。
  • 加工から検査工程までの短納期ラインを構築するため、5軸マシニングセンタを導入した。
  • 試作品の加工時間 4日→2日。5軸マシニングセンタの導入により、一つの工程に作業が集約され、加工時間が57%短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社古室製作所
所在地茨城県 常陸大宮市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数8人
資本金500万円

事業の背景

同社は医療機器部品のうち、主に遠心分離機に使われる部品を多品種小ロットで製作している。遠心分離機の高精度化に伴い、部品にも高い加工精度が求められるようになってきた。受注部品は高精度化・複雑化の傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度遠心分離機の高精度化に伴い部品の加工精度の要求が高まり、従来の取り付け(位置決め)精度の確保が難しくなっていた。
  • 納期・工程部品の複雑化に伴い従来の加工方法では短納期対応が課題となっていた。
  • 人手・技能多面的かつ複雑な加工を従来の機器で行うには作業時間、精度ともに対応が難しくなっていた。

やったこと

加工から検査工程までの短納期ラインを構築するため、5軸マシニングセンタを導入した。5軸マシニングセンタは複数の工具を工作物上の任意の点に任意の角度で当てられ、異なる加工を1台で行える。製品ごとの治具作製や面ごとの付け替えが不要になり、1工程で複雑な製品を加工できるようになった。最終的な検査は3次元測定器を用いて行う。

加工機5軸マシニングセンタ
検査測定3次元測定器

新しい製品・サービス:遠心分離機のローター部分の加工・受注が可能になった。

事業の効果

  • 試作品の加工時間 4日→2日

5軸マシニングセンタの導入により、一つの工程に作業が集約され、加工時間が57%短縮した。高精度な加工に対応でき、経費削減と短納期対応が可能になった。3次元測定器による精密な検査で品質を保証できるようになった。設備増設により既存取引先の増産に応えるとともに、新たな受注にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の部品製作の実績を背景に、容器からローターへ受注を広げる段階的な取り組みが書かれているが、経営戦略上の位置付けは明確に述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の高精度化要求や新規顧客開拓を課題として挙げ、技術者の技術力を強みとして述べているが、市場動向の具体的な分析は少ない。

  • 課題の認識と解決4

    位置決め精度や短納期対応という課題を認識し、5軸導入と加工から検査までのラインで解決を図る具体的な計画が読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間を57%短縮し、試作品が4、5日から2、3日になるなど、数字つきの目標と成果が示されている。

  • 事業を進める体制4

    少数精鋭で技術者の技術力が高いことや、社長が体制を整えると述べており、人材面の体制が読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療用遠心分離機のローター部品の高精度要求に応える点、顧客ターゲットと受注の理由が明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入から約1年半かけて精度や納期の実績を積み上げたとあるが、中長期の検証や今後のスケジュールは限定的である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    医療用遠心分離機の高精度部品という分野で、多品種小ロットの高付加価値加工を行う点は読み取れるが、高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    医療分野のワクチン製造に関わる部品である点はうかがえるが、国が補助する理由や波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果3

    加工時間57%短縮と経費削減が示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3次元測定器による検査で品質保証する点はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    常陸大宮市の地域企業として事業を展開しているが、地域の特性を活かした雇用創出や経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

遠心分離機の部品の中でこれまでの容器に加え、ローター部分の受注が可能となり、新たな事業と受注につなげている。

事業者の声

ほんのわずかな誤差が、機械の誤作動、さらには破損などにつながる場合がある

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。