ものづくり補助金平成25年度製造業茨城県

医療用精密部品の多数個取り生産方式の開発

株式会社神原鉄工所

成果加工時間が平均約56%大幅に短縮

この事例のポイント

  • 医療用精密部品を量産するには、部品を同時に多数個取りできる生産方式の確立が必要だった。
  • 老朽化した旧加工機にかえて「立形マシニングセンタ」を導入した。
  • 加工時間が平均約56%大幅に短縮。立形マシニングセンタの導入により多数個取りが可能になり、作業工程や加工時間が大幅に減少した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社神原鉄工所
所在地茨城県 ひたちなか市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数30人
資本金1,000万円

事業の背景

同社は月間の製造部品の種類が700種以上と多種多様な部品を製造し、なかでも医療機器や新幹線で使われる精密部品の製造を多く手掛けている。1個の試作品からロット製品まで幅広く対応しており、製品の種類が多く1個からの製造にも対応できることが会社の大きな強みとなっている。医療機器向け精密部品は主力製品の一つである。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力医療用精密部品を量産するには、部品を同時に多数個取りできる生産方式の確立が必要だった。
  • 品質・精度多数個取りのためには高精度の加工機械の導入と加工プロセスの高度化が課題だった。
  • コスト・採算従来の四角い板を切断し旋盤で加工したのち切り取りなどを一つずつ行う方法では、工程ごとに移動や反転が必要で、切り粉などで知らず知らずのうちに製品を傷つけ精度不良が発生していた。
  • 品質・精度顧客の要求が年々高度化し、信頼性と短納期が最も重視されるようになっていた。

やったこと

老朽化した旧加工機にかえて「立形マシニングセンタ」を導入した。導入機のテーブルの稼働範囲は1050ミリ×450ミリと広く、大きな物も加工できる。新加工機の導入に伴い部品を多数個取りできる治具を製作し、試作加工を実施した。外径が大きく単品加工していたものを6個取りに、8個取りだったものを50個取りにできた。立形マシニングセンタを効率よく稼働させるためCAD・CAM一貫システムを導入し、技術者は2日間の講習と1カ月半の復習期間を経て再度2日間の講習を受講して基礎技術を習得した。

加工機立形マシニングセンタ
ソフトCAD・CAM一貫システム

事業の効果

  • 加工時間が平均約56%大幅に短縮
  • 作業工程が半分程度に縮小
  • 1製品あたりのプログラム作成時間を従来のほぼ80%削減
  • 製品コストも従来の80%以下にできた

立形マシニングセンタの導入により多数個取りが可能になり、作業工程や加工時間が大幅に減少した。製品の傷も激減し、納期の大幅な短縮と品質向上が実現した。CAD・CAM一貫システムにより1製品あたりのプログラム作成時間が従来のほぼ80%削減され、製品コストも従来の80%以下となった。作業テーブルが広くなり大型製品の加工も可能になり、受注できる製品の拡大が期待できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    旧加工機の老朽化に対応し立形マシニングセンタを導入、医療機器部品を主力とする既存事業の延長にあり、経営戦略上の位置付けは読み取れるが明記は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    医療機器や新幹線部品の精密加工、700種以上の多種対応が強みとされ、大型製品加工で受注拡大が期待できると書かれているが、市場動向の分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    製造時間の短縮と信頼性向上という課題を挙げ、加工時間を平均約56%短縮、工程を半分程度に縮小したと具体的な数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工時間約56%短縮、プログラム作成時間ほぼ80%削減、製品コスト80%以下とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    技術者が2日間の講習を受け、1カ月半の復習期間を経て再受講したとあるが、体制や事務処理能力の確保については読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療機器部品で信頼性と短納期が重視されると整理され、キズの減少も示されるが、顧客ターゲットの明確化は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    治具製作と試作加工を経て、6個取りや50個取りに段階的に移行した流れは示されるが、中長期のスケジュールや課題解決の方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    医療機器向け精密部品の高度化への対応はうかがえるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新幹線や医療機器の部品を手掛けるとあり、社会インフラ分野への関与はうかがえるが、波及効果や雇用創出の記述は乏しい。

  • 費用対効果4

    加工時間約56%短縮、プログラム作成時間ほぼ80%削減、製品コスト80%以下と、導入効果が数字で示され費用対効果の高さが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD・CAM一貫システムの導入で自動プログラム化を実現したとあるが、地域やサプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    ひたちなか市に所在する企業で地域の製造業だが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は限定的にとどまる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

受注できる製品の大幅な拡大が期待でき、将来的には医療用製品以外の分野にも進出していくことを考えている。いままで依頼を受けても時間的に難しいと断らざるを得なかった仕事も受注することができ、可能なものはどんどん取り入れていきたいと意欲を見せている。

事業者の声

外部の講習会などで知識を得て、良い製品を作る下準備をしています

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。