ものづくり補助金平成25年度製造業鹿児島県

自社のオリジナル図案デザインを活用した新商品開発と市場開拓

窪田織物株式会社

成果試作の製品期間 6ヶ月→1ヶ月

この事例のポイント

  • 大島紬は製造工程が分業化され複雑なため、商品化までの期間が長かった。
  • 色彩・色調や明暗を高感度に調整できる高機能捺染印刷機を導入した。
  • 試作の製品期間 6ヶ月→1ヶ月。印刷機の導入により、企画から製造、販売までを行えるようになり、製造工程の期間を大幅に短縮できることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名窪田織物株式会社
所在地鹿児島県 鹿児島市
業種繊維工業
従業員数29人
資本金3,000万円
設立1978年

事業の背景

大島紬は鹿児島県の伝統的工芸品である。製造工程が分業化され複雑なため、商品化までの期間が長く高単価となり、需要拡大の阻害要因となっていた。自社は創業以来、大島紬の図案を一万点保有している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大島紬は製造工程が分業化され複雑なため、商品化までの期間が長かった。
  • コスト・採算製造工程が複雑で商品化までの期間が長く、単価が高くなることが需要拡大の阻害要因になっていた。

やったこと

色彩・色調や明暗を高感度に調整できる高機能捺染印刷機を導入した。これにより、これまで鹿児島県では製造されなかった大島紬の白生地に、自社のオリジナル図案を用いた新しい生地の試作品を開発した。印刷機では反物幅約40センチの従来品から、約150センチの広幅生地まで印刷できるようになった。図案データから印刷機までをパソコンによるデータ送信でシステム化し、図案の知的保護と下絵の取り込み、きめ細かい織りの再現を実現した。デザイン専門学校の卒業生2名を新規雇用し、洋装生地に向けた新しい図柄の開発と人材育成に取り組んだ。

新しい製品・サービス:鹿児島県では製造されなかった新しい大島紬生地の試作品(洋装・小物生地)

事業の効果

  • 試作の製品期間 6ヶ月→1ヶ月
  • 印刷可能な反物幅 40センチ→150センチ

印刷機の導入により、企画から製造、販売までを行えるようになり、製造工程の期間を大幅に短縮できることを確認した。図案データから印刷機までをシステム化したことで、低コストで多品種小ロット・短納期生産に優れるなど大きなメリットが生まれた。若年者の雇用と技術継承の体制が整い、大島紬業界の振興につながることが期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性87%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来保有する自社オリジナル図案約1万点を活用し、伝統的な大島紬の製品開発につなげている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    自社の図案資産と鹿児島で未製造だった生地への挑戦を強みとし、20代・30代女性向け販路も示されている。

  • 課題の認識と解決5

    分業による長い製造期間と高単価が課題とされ、試作期間が約6ヶ月から約1ヶ月に短縮できたと数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げに関する目標値は示されておらず、高付加価値化の目標がうかがえる程度にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    デザイン専門学校卒業生2名の新規採用と人材育成に触れているが、体制の具体的な内容は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    広幅約150センチへの対応、多品種小ロット生産、20代・30代女性という顧客ターゲットと販売チャンネルが整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    洋装・小物生地の開発や海外ブランド・市場開拓が今後の取組として挙げられているが、時期や方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    伝統的工芸品の分野で鹿児島県では未製造の大島紬生地を試作しており、新規性はあるが高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    若年者の新規雇用2名と伝統産業の後継者育成、大島紬業界の振興という地域の雇用・産業への効果が示されている。

  • 費用対効果2

    期間短縮の数字はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    図案データから高機能捺染印刷機までパソコンでデータ送信するシステムを構築し、データ連携による課題解決が示されている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外ブランド・海外市場の開拓が今後の方針として触れられているが、産業構造転換への具体的な言及は乏しい。

  • 地域経済への波及4

    鹿児島の伝統的工芸品である大島紬の技術と図案を活かし、地域産業の振興と雇用拡大を狙う事業である点が読み取れる。

今後の展望

本場大島紬の技術と価値を保ちながら、洋装・小物生地の新たな商品開発と市場開拓に取り組む。20代・30代の若い女性consumer向けに、主要百貨店や有名呉服販売店などの販売チャンネルを活用して販路を広げる。コスト面の課題が解消されたため、流行のデザインを取り入れて海外ブランドや海外市場の開拓も目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。