ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

炭酸ガス冷媒活用製品の販売促進に向けた耐圧試験システムの開発

株式会社岩崎工業

成果製造納期 2.5カ月→2カ月

この事例のポイント

  • 炭酸ガス冷媒は従来のフロン系冷媒の約5倍の圧力となるため、熱交換器を含む部品が堅牢になり、コストが高くなっていた。
  • 大手ガスメーカーと共同で「真空・加圧装置」の新規開発に取り組んだ。
  • 製造納期 2.5カ月→2カ月。真空・加圧装置の導入により、耐圧試験時間及び乾燥時間が大幅に改善し、製造工程の一部も削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岩崎工業
所在地群馬県 伊勢崎市
業種金属製品製造業
技術分野製造環境
従業員数50人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

地球環境保護のため、オゾン層を破壊しない自然系冷媒の炭酸ガスへの転換に開発期待が高まっている。炭酸ガスは従来フロン冷媒の約5倍の圧力となるため、機器は堅牢でコスト高になる。社会からは低価格・短納期の炭酸ガス冷媒製品が強く求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算炭酸ガス冷媒は従来のフロン系冷媒の約5倍の圧力となるため、熱交換器を含む部品が堅牢になり、コストが高くなっていた。
  • 生産能力熱交換器の出荷検査で行われる耐圧試験に時間がかかり、耐圧試験時間の短縮が必要だった。
  • コスト・採算耐圧試験の前に乾燥工程が必要で、製造工程と納期が長くなっていた。
  • 生産能力昇圧工程は人力に頼る部分が多く、作業時間も長かった。
  • 品質・精度昇圧の液体に水を使っていたため、漏れの発見がしにくかった。

やったこと

大手ガスメーカーと共同で「真空・加圧装置」の新規開発に取り組んだ。当初は窒素ガスとヘリウムガスの併用を計画していたが、コスト高を避けるため、漏れ検査に適したヘリウムガス1種類とした。装置は①乾燥工程は不要、②耐圧試験工程の作業時間を大幅に短縮、③高圧ガス使用のため安全面を優先、④ヘリウムガス回収による地球環境負荷低減、を仕様とした。高圧ガス保安上の「高圧ガス製造所」に該当するため、当社で安全防御壁を製作した。完成した装置で、炭酸ガス用で最大の大型熱交換器の耐圧試験を当初目標の2時間以内で終了し、仕様を満足することを確認した。

検査測定真空・加圧装置
検査測定耐圧試験システム

新しい製品・サービス:炭酸ガス冷媒活用製品(低価格・短納期の熱交換器)

事業の効果

  • 製造納期 2.5カ月→2カ月

真空・加圧装置の導入により、耐圧試験時間及び乾燥時間が大幅に改善し、製造工程の一部も削減できた。製造納期は2.5カ月から2.0カ月に短縮され、コストは14%ダウンした。乾燥工程が不要になり燃焼ガスの消費を削減できたほか、ヘリウムガスの回収・再利用により環境保護への貢献度も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存機の手直しから新規開発へ方針転換し、熱交換器の耐圧試験短縮という課題に取り組んだと書かれているが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自然冷媒への転換という市場要望と、大手ガスメーカーとの共同開発という経営資源が書かれているが、競争優位の内容は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決4

    炭酸ガス冷媒は従来の約5倍の圧力という課題を示し、耐圧試験の時間短縮と納期・コストの改善に結びつけている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    耐圧試験・乾燥時間はマイナス87.5%、製造納期は2.5カ月から2.0カ月、コストは14%ダウン、2018年売上目標13億5,600万円と数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    大手ガスメーカーとの共同開発と従業員数50人が書かれるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    低価格・短納期の自然冷媒熱交換器へのニーズと、エコキュートや大手空調メーカーへの販売促進という対象が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    装置仕様や完成後の目標到達は書かれるが、中長期の検証方法やスケジュールの詳細は限られている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    自然冷媒の炭酸ガス対応は普及途上の領域と位置づけられ、同分野で高付加価値の耐圧試験装置を開発した点が読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    フロン規制や環境保護の社会的要請、ヘリウム調達難への言及はあるが、雇用創出や波及効果の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    投資に対し工程短縮率、納期短縮、コスト14%減という効果が示され、費用対効果が具体的に読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    ヘリウム回収による環境負荷低減や安全防御壁の設置が書かれるが、デジタル技術やサプライチェーン革新への言及は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    オゾン層保護から自然冷媒への転換という分野への進出が書かれるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    群馬県伊勢崎市の所在地は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用への言及はうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2018年の売上目標を13億5,600万円(2014年比168%)とし、追加ニーズの把握と設備追加を念頭に、「エコキュート」や大手空調メーカーへの販売促進を積極的に進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。