ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

精密板金のバリ取り技術の高度化によるシェアの拡大と競争力強化

株式会社茂木工業所

成果計画当初は8.47分の低減を見込んでいたが、実験では6.25分の低減にとどまり、達成率は74%だった。

この事例のポイント

  • 精密板金製品の切断面の仕上がり具合が、組み立て作業者や使用者の課題となっていた。
  • 協力工場へ出向き、バリ取りの精度と、装置への板金投入や払い出しの作業性を確認した。
  • 計画当初は8.47分の低減を見込んでいたが、実験では6.25分の低減にとどまり、達成率は74%だった。バリ取りが均一になり品質が安定した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社茂木工業所
所在地群馬県 群馬県太田市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数23人
資本金1,800万円
設立1969年

事業の背景

1955年にバイクの燃料タンク製造で創業し、その後は自社オリジナル製品の開発にこだわってきた。AED収納ボックスを開発し、オムロンヘルスケアなどの医療機器メーカーにOEM提供を行っている。今後は受注の増加が見込めるキャッシュレジスターの自動釣銭機やAED収納ボックスの板金加工で、技術力をさらに高めたいと考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度精密板金製品の切断面の仕上がり具合が、組み立て作業者や使用者の課題となっていた。
  • コスト・採算バリ取り作業の負担が大きく、品質課題の解決とコスト競争力の強化が必要だった。

やったこと

協力工場へ出向き、バリ取りの精度と、装置への板金投入や払い出しの作業性を確認した。性能確認では、1日100台分のキャッシュレジスターのバリを取れる生産能力を確認した。レイアウトは部品の流れを考慮して溶接工程を1カ所に統合し、空いたスペースにバリ取り装置を設置する計画とした。バリ取り機は2社の候補機を品質、生産能力、設置スペース、取り扱い性、購入価格などから比較し、エステーリンク社製の機種を購入した。搬入後に試作トライを行い、作業時間の低減効果を確認した。

加工機バリ取り機(エステーリンク社製)

事業の効果

  • 計画当初は8.47分の低減を見込んでいたが、実験では6.25分の低減にとどまり、達成率は74%だった。
  • 年間コスト削減は当初目標の508万円には届かなかったものの、374万円となった。
  • 自動釣銭機の販売台数(見込み) 9,600台→24,000台

バリ取りが均一になり品質が安定した。自動釣銭機1台分のバリ取り作業時間が低減し、全体の作業時間低減により生産コストが下がった。年間コスト削減により市場競争力が高まり、既存取引先のオムロンヘルスケア向けの売上向上につながる見込みである。また、バリ取りの自動化によるコスト低減を見積もりに反映したことで、高速道路ETCステージのセンサー用カバーの受注を新たに得て、2019年3月期に1億8,000万円の売上を想定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は精密板金のバリ取りを課題とし、自動釣銭機・AED収納ボックスの板金加工に取り組むと書かれているが、過去からの一貫した経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    釣銭機の需要増(2019年に24,000台見込み、2014年9,600台)と既存取引先オムロン向け売上向上を挙げ、市場と自社の技術力に言及している。

  • 課題の認識と解決4

    バリ取り作業時間の課題を挙げ、1台あたり8.47分から6.25分へ低減、年間508万円のコスト削減目標を示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    釣銭機1台のバリ取り時間低減は目標8.47分に対し実験で6.25分、達成率74%と数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員23人の企業で、協力工場との確認や設備導入の記述はあるが、補助事業の遂行体制や人材については具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動釣銭機の市場拡大、AED収納ボックスの販売台数拡大、バリ取りの品質安定による選ばれる理由が数字とともに整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作トライ、性能確認、レイアウト変更など工程は書かれているが、中長期の課題検証やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    精密板金のバリ取りは一般的な技術だが、品質安定化による高付加価値化の方向性は示されている。ただし高水準の高価格化は明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    ETCステージのセンサー用カバー受注などの地域的な効果がわずかにうかがえるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    設備投資に対し年間508万円のコスト削減目標と、受注増による1億8,000万円の売上想定が示され、費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    群馬県の医療・福祉現場の課題解決事業に企業エントリーしたと書かれるが、地域の雇用や経済成長への波及は具体的に示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

この成果を他製品の板金部品のバリ取りに活用し、社全体の生産コストを下げてシェア拡大と競争力強化につなげていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。