ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

革新的プラスチック結束具の商品化と量産体制の構築

有限会社岡田樹脂工業

この事例のポイント

  • テスト用の1個取り金型での生産体制しか確立しておらず、量産体制がない。
  • 量産化に向けて、まず多数個取りの金型を作成した。
  • 多数個取り金型で成形した製品は1個取り金型と同等の品質が得られ、商品化が可能であることが確認された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社岡田樹脂工業
所在地群馬県 群馬県富岡市
業種プラスチック製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数35人
資本金400万円
設立1966年

事業の背景

有限会社岡田樹脂工業は昭和41年設立の、資本金400万円、従業員35人のプラスチック製品製造業である。食品袋の結束具では、強度のある製品は金属製に限られ、水産食品などの検査に使えない状況が続いている。一方、流通しているプラスチック製の結束具は強度が弱く、お菓子の袋など強度を求められない用途に限られている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力テスト用の1個取り金型での生産体制しか確立しておらず、量産体制がない。
  • 新製品・新技術金属製の結束具は金属探知機に反応するため、食品の異物検査が成り立たない。
  • 新製品・新技術液体を入れても漏れない強度を持つプラスチック製の結束具が流通していない。
  • 品質・精度多数個取りに変えると、材料の充填が不安定になり欠損やバリが出やすい。

やったこと

量産化に向けて、まず多数個取りの金型を作成した。当初は80個取りを想定したが、金型内の製品連結用スペースと成形バランスを考慮し、40個取り金型で実施することにした。射出成形機の導入にあたっては、材料の充填不定による欠損やバリを抑えるため、最適なスクリュー径と射出圧力をあらかじめ検討した。取出しロボットは金型の破損を防ぐよう1/100mm単位で調整した。試作品では水を入れた袋の口をNLクリップで留めたものを20個用意し、①10kgの圧力を容器にかけた場合、②約100℃の熱湯に20分間入れた場合、③室内に2週間自然放置した場合、④-20℃の冷凍庫に4時間放置した場合を想定して、水漏れ・変形・破損などを確認した。

新しい製品・サービス:NLクリップ(食品袋のプラスチック製結束具)

事業の効果

多数個取り金型で成形した製品は1個取り金型と同等の品質が得られ、商品化が可能であることが確認された。射出成形機と取出しロボットを組み合わせて自動化での生産が可能となり、量産体制が構築できた。手動生産と比べて成形サイクルは12秒短縮され、1時間当たり1,051個、1日当たり25,211個の増産になる見込みである。自動化により生産性が大きく向上し、生産コストも抑えられることが確認できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    設立は昭和41年と記載があるが、これまでの事業との一貫性や経営戦略上の位置付けは事例からは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    開発品は金属製結束具の問題点をすべてクリアすると書かれ、競争優位の方向性は読めるが、市場や競合との比較データは乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    金属探知機の検査不能という課題を明示し、量産化で解決する流れは読み取れるが、高付加価値化や成長の数値は示されていない。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    手動比で成形サイクル12秒短縮、1時間あたり1.051個、1日あたり25,211個の増産と数字で目標効果が示されている。

  • 事業を進める体制3

    金型作成や射出成形機・取出しロボットの設定調整を行ったと書かれるが、人材や事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    金属探知機の検査問題や液体を入れても漏れない強度など、ニーズと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    80個取りから40個取りへの変更理由や耐圧・耐熱等の試験項目は示されるが、今後のスケジュールは概略にとどまる。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    金属製と同等強度のプラスチック結束具で、液体を入れた状態で漏れない製品は流通していないと明記されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    食品の異物混入防止や食の安全に貢献すると述べられるが、波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    手動比で日当たり25,211個増産と示され費用対効果の方向性は読めるが、補助金額に対する効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化と取出しロボットの導入は書かれるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    食品業界の食の安全や環境問題への対応とあり、成長分野への進出はわずかにうかがえる程度。

  • 地域経済への波及2

    群馬県冨岡市の所在地は書かれるが、地域の特性を活かした経済成長への言及は薄い。

今後の展望

食品業界の食の安全や環境問題を解決する製品として位置づけられ、当面は水産食品などの製造企業を主要ターゲットとする。固形物以外の用途にも応用できるため、市場規模は相当大きいと見られる。今後は展示会への出展などで製品を周知し、ユーザーの仕様要求を反映させながら品質・生産性を高め、早期の事業化を目指す。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。