ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

多関節ロボットに搭載可能な、長刃に対応した超音波カッター用発振器の開発

日本省力機械株式会社

成果円周状に通常刃で切る場合に対して25%程度の時間短縮

この事例のポイント

  • 切断幅の長い超音波切断は加工が困難で、ニーズがあるにもかかわらず対応できていなかった。
  • 長刃に対応するため、刃物の大型化によるチッピングや割れを防ぐ刃物材料を改良し、超音波振動に対応できるようにした。
  • 円周状に通常刃で切る場合に対して25%程度の時間短縮。長刃を用いてダクト状樹脂製品を切ると、通常刃で円周状に切る場合に比べ25%程度の時間短縮ができ、長刃自体の製作コストと…

事業者のプロフィール

事業者名日本省力機械株式会社
所在地群馬県 伊勢崎市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数44人
資本金6,250万円
設立1983年

事業の背景

約10年前に当社が開発した高出力の発振器を多関節ロボットに搭載した超音波トリム装置を自動車業界に提供していた。電気自動車などの次世代自動車では軽量化のため高機能樹脂材が使われ、成形後のバリ取りや穴あけなどのトリム加工の需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術切断幅の長い超音波切断は加工が困難で、ニーズがあるにもかかわらず対応できていなかった。
  • 新製品・新技術自動車業界の川下メーカーから、CFRP対応の超音波トリム装置と、刃物取り付け部分が干渉する形状の樹脂成形品に対応する長刃(50ミリ以上)の開発を求められていた。

やったこと

長刃に対応するため、刃物の大型化によるチッピングや割れを防ぐ刃物材料を改良し、超音波振動に対応できるようにした。長刃・高出力の替刃式の刃物について、長刃に適合した超音波発振器の出力・振幅・周波数を選択し、刃物の形状とホーン形状を最適化するシミュレーションを行った。刃物倣い機構の多関節ロボットへの搭載方法を決め、実験装置と刃物の設計・製作、加工実験を行った。超音波切除用途の専用刃と専用超音波発振器、専用の実験装置を製作し、超音波加工に付随する装置も開発した。

加工機長刃用超音波カッター
その他替刃+倣い機構(長刃共通)
その他超音波発振器(専用)
検査測定超音波切除用専用実験装置

新しい製品・サービス:多関節ロボットに搭載可能な長刃対応の超音波カッター用発振器および長刃(替刃式)。

事業の効果

  • 円周状に通常刃で切る場合に対して25%程度の時間短縮
  • 替刃は従来刃に対して10%程度の切削速度の向上
  • 長刃自体の製作コストとメンテナンス費用を含めても10%程度のコストダウン
  • 売上 5,000万円→10,000万円

長刃を用いてダクト状樹脂製品を切ると、通常刃で円周状に切る場合に比べ25%程度の時間短縮ができ、長刃自体の製作コストとメンテナンス費用を含めても10%程度のコストダウンが見込める。替刃は従来刃より10%程度切削速度が向上する。長刃と替刃組み込み装置は、複数ダクトでロボットを取り回せない場合などに採用される可能性が高く、協力会社を増やすことで売り上げ倍増を見込む。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    約10年前に開発した高出力発振器を多関節ロボットに搭載した超音波トリム装置の活用が述べられ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    自動車業界からの要請や樹脂成形品の形状多様化の需要に触れ、特許技術の刃物倣い機構を強みとして挙げている。

  • 課題の認識と解決3

    刃物取り付け部が干渉する形状への対応という課題が示され、長刃による解決方針が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    長刃で円周切削の時間25%短縮、替刃で切削速度10%向上、コスト10%減、売上倍増で年間2台・10億円程度と数値で示されている。

  • 事業を進める体制2

    実験装置、刃物設計・製作、加工実験を行ったとあるが、人材や事務体制についての記載はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車業界の川下メーカーからの要請、ダクト状樹脂製品への利用、年5000万円程度の売上見込みなど具体的に述べられている。

  • 事業化までの道筋3

    シミュレーション、刃物設計、加工実験、専用装置製作という工程は示されるが、スケジュールや期間の記載は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超音波切断は加工が困難だった分野で、刃物と発振器の組み合わせによる高付加価値化がうかがえるが、普及度の数値はない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・家電・日用品など樹脂成形品全般への需要や雇用の記述はあるが、国が補助する理由までは書かれていない。

  • 費用対効果3

    時間短縮やコストダウンの効果は数値で示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    ロボット搭載による3次元加工やCFRP対応が述べられ、サプライチェーンへの貢献がうかがえるが具体性は薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    電気自動車やCFRP使用拡大への対応が述べられ、成長分野への進出がうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

長刃は主にダクト状の樹脂製品に利用でき、数年後には年間2台の導入を見込んでいる。替刃組み込み装置については同材料を効率良く加工する技術の重要性が高まると考えられている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。