ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

小径穴深部への均一めっき皮膜形成技術の確立

大同工業株式会社

成果製造工程数 7工程→5工程

この事例のポイント

  • 小径の止め穴や凹部を有する部材の内側へのめっき液の浸透が不十分で、無電解ニッケルめっき加工の不良率が20%前後で高止まりしていた。
  • 顧客から提供されためっき難部材をもとに、群馬県立群馬産業技術センターで3Dプリンターによる透明樹脂サンプルを作成し、着色染料を用いて従来の揺動条件での液の浸透と水洗を繰り返し確認…
  • 製造工程数 7工程→5工程。試作開発品の製造で、めっき工程を従来の7工程から5工程に短縮し、再処理サイクルを0に抑えた。

事業者のプロフィール

事業者名大同工業株式会社
所在地群馬県 伊勢崎市
業種金属製品製造業
従業員数45人
資本金2,000万円
設立1949年

事業の背景

当社はアルマイトや無電解ニッケルめっき、硬質クロムめっきを主力とする表面処理加工業で、コンプレッサーや燃料噴射装置部品など自動車向け機能部品に必要な高精度なめっき加工を強みとしている。自動車・産業用機械業界では、微細な形状、特に小径の止め穴や凹部を有する部材へのめっき加工のニーズが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小径の止め穴や凹部を有する部材の内側へのめっき液の浸透が不十分で、無電解ニッケルめっき加工の不良率が20%前後で高止まりしていた。
  • コスト・採算当社が不良要素の影響度を推定し不良率を他社より低い13%に抑えているものの、コストが重荷となっていた。
  • 品質・精度より一層の不良率低減技術の開発が求められていた。

やったこと

顧客から提供されためっき難部材をもとに、群馬県立群馬産業技術センターで3Dプリンターによる透明樹脂サンプルを作成し、着色染料を用いて従来の揺動条件での液の浸透と水洗を繰り返し確認した。めっき難部材で被膜が正常に付かないのは、めっき中に発生した水素ガスが抜けきらないためと推測し、A社と共同で新規治具を作成して、従来の縦方向に加え横方向にも揺動する手法を考案した。B社から技術的サポートを受け、既存の量産設備で試作品の量産テストを実施した。マイクロスコープを導入し、処理しためっき被膜の検査・評価を行った。

ロボット揺動ロボット
加工機3Dプリンター
検査測定マイクロスコープ

新しい製品・サービス:小径穴深部への均一めっき被膜形成技術

事業の効果

  • 製造工程数 7工程→5工程
  • 検査時間 2分→5分
  • 不良(再処理)率 13%→0%

試作開発品の製造で、めっき工程を従来の7工程から5工程に短縮し、再処理サイクルを0に抑えた。検査時間は従来の2〜5日からわずか5分へ短縮され、不良率は13%から0%になり、品質の安定化とコスト削減を実現した。産業用機械や自動車部品の分野で売上増大を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    無電解ニッケルめっきを主力とし自動車向け機能部品に強みがあると書かれ、事業との関連はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社より低い不良率13%、自動車・産業用機械で小径穴ニーズが高まると記され、強みと市場動向に基づく優位性が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    不良率13%から0%、工程7から5、検査2〜5日から5分と数値で課題と改善効果が示され、事業計画の実効性が高く読み取れる。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    不良率0%、工程短縮、検査時間短縮など数値目標と達成度100%が示され、将来売上1億2,500万円の見込みも明記されている。

  • 事業を進める体制3

    群馬産業技術センター、A社、B社との連携や量産テストの記述があり体制はうかがえるが、人材や事務処理能力の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客提供の難部材で試作し、産業機械分野から類似形状の試作依頼が複数来ていると記され、ニーズの裏付けが読み取れる。

  • 事業化までの道筋4

    量産テストから生産転用、量産販売へ進む計画と、水素ガス抜けの推測に基づく横方向揺動という課題解決方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小径穴の無電解ニッケルめっきは難度が高く不良率20%前後で高止まりしていたと記され、高水準の品質での差別化がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・産業用機械向け部品への波及はうかがえるが、雇用創出や川下への経済波及の規模は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果4

    不良率13%から0%、工程短縮、検査時間の大幅短縮など、投資に対する効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    揺動ロボット導入、3Dプリンターによる透明サンプル、マイクロスコープによる検査など新技術の活用は読み取れるが、イノベーションの広がりは限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    群馬県伊勢崎市の企業で地域の産業技術センターを活用しているとわずかにうかがえるが、地域経済への牽引効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

産業用機械分野では類似形状の試作依頼が来ているため、生産転用後に量産販売を行う計画である。既存取引先の自動車部品分野では硬質クロムめっきやアルマイト処理に新技術を応用し、将来的に1億2,500万円の売上を見込んでいる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。