ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

おが粉の生産性改善のため新規設備投資を行い競争力を強化する

金子林産有限会社

成果刃物交換(段取替所要時間) 40分→20分

この事例のポイント

  • きのこ栽培向けおが粉の生産能力が需要の伸びに追いつかない。
  • 生産性向上のため、おが粉製造機を新規に導入した。
  • 刃物交換(段取替所要時間) 40分→20分。おが粉の生産能力と搬送の効率が向上し、出荷台数が増加した。

事業者のプロフィール

事業者名金子林産有限会社
所在地群馬県 桐生市
業種木材・木製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数17人
資本金300万円
設立1948年

事業の背景

当社は丸太やおが粉の販売、木製品の製造を行う木材業者で、主力はきのこ菌床に使われるおが粉販売であり全体の8割を占める。国内のきのこ需要は拡大傾向にある一方、おが粉生産業者は関東甲信地域に3社しかなく、需要に供給が追いつかない。当社は全国シェアの6%を生産している。きのこの国内総生産量は毎年約2〜3%成長を続け、菌床比率が高まっていることもあり、当社への需要は増加の一途である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力きのこ栽培向けおが粉の生産能力が需要の伸びに追いつかない。
  • コスト・採算原発事故の放射能対策として丸太の洗浄作業が加わり、生産性が低下しコストも上昇している。
  • 品質・精度きのこ栽培業者から生産性と品質のさらなる向上を求められている。
  • 人手・技能おが粉の種類が変わるごとに3本のボルト付き刃物6枚を交換する必要があり、その作業に40分かかっている。
  • 生産能力細かい粒子の場合はフルイ工程に時間がかかり、通常の20%以下の生産量しか出荷できない。
  • その他海外輸出の引き合いがあったが、上記の理由から対応できる状況になかった。

やったこと

生産性向上のため、おが粉製造機を新規に導入した。新方式では従来風送していたおが粉を全量搬送用コンベアで受けられるようになった。新規購入した機種には2回目のフルイをかける専用スクリーンが備えられ、多種多様な粒子の分別が可能になり、フルイ工程の能力改善と少量品種への対応を実現した。刃物交換はワンタッチで交換できる仕様とし、起動モーターの省エネ化もなされた。

加工機おが粉製造機(丸太の投入・粉砕・選別・フルイ・サイロの一連の設備)

事業の効果

  • 刃物交換(段取替所要時間) 40分→20分
  • 菌床おが粉の生産能力(1時間あたり) 20m3→30m3
  • 昆虫用おが粉の生産能力(1時間あたり) 6m3→10m3
  • トラックの運送回数(1日あたり) 5台→8台

おが粉の生産能力と搬送の効率が向上し、出荷台数が増加した。段取り時間が短縮され、フルイ工程の能力も改善した。新分野である昆虫用やフラワー用などへの取引も拡大する見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は風送でおが粉を運んでいたが、新方式で全量コンベア受けに改めたと書かれ、既存の生産体制からの改善として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    きのこ需要が拡大する中で、おが粉生産業者が関東甲信に3社しかないことや全国シェア6%が示され、外部環境と自社の位置が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    段取替所要時間40分を15分へ、菌床おが粉の生産能力20m3から30m3へ、トラック運送回数5台から8台へとする目標値と結果が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    段取替は40分→目標15分→結果20分、菌床おが粉は20m3→30m3(結果30m3)と数値目標と実績が示され、目標達成の根拠が読める。

  • 事業を進める体制2

    従業員17人、資本金300万円とあるが、補助事業を遂行する体制や人材、事務処理能力についての記述はわずかにうかがえるのみ。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    樹種とチップサイズ・形状を顧客要望に合わせてきた実績や、国内シェア9%目標、取引先100社規模が書かれ、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    国内シェア6%から5年後9%、取引先50社増の目標が示されるが、課題解決の遂行方法やスケジュールは具体的には書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    きのこ栽培向けおが粉の生産で、菌床栽培比率の高まりや昆虫用・家畜用など新分野への展開が書かれ、高付加価値化の方向性がうかがえる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国内のきのこ需要拡大と供給不足、新分野の生産拡大が書かれ、新たな需要創出への寄与がうかがえるが、経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    投資により生産能力を増強し、出荷台数増に結びついたと書かれ、段取り時間の短縮やトラック運送回数の増加などの効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    最新設備の導入とフルイ工程の改善は書かれるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの活用についての記述は見当たらない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    きのこ栽培の需要拡大に対応した生産増強と述べられるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    桐生市黒保根町の木材業者として、地域の事業で丸太・おが粉の販売と製造を行い、雇用に関わる記述もあるが、地域経済への波及効果は具体的には書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

きのこ生産力増強を武器に、カブトムシ・クワガタなどの昆虫用、フラワー用オアシス、家畜の寝床用など新分野の取引も拡大していく。5年後に国内シェア9%を目指し、きのこ分野の取引先を現在の約100社から50社ほど増やす計画である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。