ものづくり補助金平成25年度製造業広島県

試作品開発の内製化と短納期化・低コスト化の実現による競争力強化

株式会社タテイシ広美社

この事例のポイント

  • 試作品の金型製作・成型加工を外注しているため、納期とコストの面で弱い。
  • CNCルーターを導入し、金型製作及び材料の立体成型加工を内製化した。
  • 対応可能な素材・デザイン・サイズや厚みが広がり、製作コストと時間が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タテイシ広美社
所在地広島県 広島県府中市
業種その他の製造業
技術分野機械制御,立体造形
従業員数37人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

大手広告会社から当社の看板とLED技術のノウハウが評価され取引が始まった。培ってきた看板ノウハウとLED技術、TLライトパネル技術を応用したPOP(店頭販促物)の自社開発・売込を始め、売上も順調だった。プロモーションメディア広告費の中でPOPは唯一伸びている(2005年対2015年)。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力試作品の金型製作・成型加工を外注しているため、納期とコストの面で弱い。
  • 納期・工程POPの試作品段階で外注により金型を起こし樹脂成型していたため、経費と納期がかかり、迅速な提案や修正に対応できなかった。
  • 販路・情報発信迅速な提案や修正ができず、商機を逃したりロスが出ていた。

やったこと

CNCルーターを導入し、金型製作及び材料の立体成型加工を内製化した。操作研修・練習により切削加工技術を習得した。CNCルーターは3次元の立体加工が可能で、様々な素材・サイズを切削・彫刻でき、デザインの自由度が高い。3D-CADソフトを導入して立体設計を行い、外部講師の講習会により各種データ作成手法を習得した。

加工機CNCルーター
ソフト3D-CADソフト

新しい製品・サービス:TLライトパネル技術を応用したPOP

事業の効果

対応可能な素材・デザイン・サイズや厚みが広がり、製作コストと時間が削減された。短納期で顧客に試作品を見せて詳細を打ち合わせ、再度試作品を製作することも可能になった。精密で美しく迅速な試作提案により、積極的な営業展開と受注率向上につながり、デザインや仕様の検討時間も確保できた。地域の雇用拡大にも貢献し、仕上がり精度も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    看板とLED技術のノウハウを背景にPOPを自社開発しており、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    POP広告費の伸び率や『唯一増加中』という市場動向と、LED・TLライトパネル技術という自社の強みを挙げ、競争力強化の方向を示している。

  • 課題の認識と解決4

    金型の外注による経費・納期の課題を明示し、CNCルーター導入による内製化と短納期化で解決する計画が具体的に述べられている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    短納期化・低コスト化の方向は書かれているが、付加価値額や賃上げにつながる数値目標は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    操作研修・練習や外部講師による3D-CAD講習で技術習得を図る記載があり、体制の一端はうかがえるが人材体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    POPの新規開発と売込、試作スピードによる受注決定の事例があり、顧客ニーズへの対応と選ばれる理由が事例で示されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の操作習得や今後の展望としてデジタルサイネージ強化を述べるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金1,000万円、年商10億円、従業員37人の記載はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達については公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    LED導光板や電子ペーパーなど特定分野で、全国に数台の大型レーザー加工機導入事例があり、同分野で差別化した高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    Uターン志向の若者の雇用や地域活性化への貢献が述べられ、地域への波及効果がうかがえるが、国が補助する積極的理由としての記載は薄い。

  • 費用対効果3

    製作コスト・時間削減や受注率向上が成果として挙げられているが、補助金額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CNCルーターや3D-CADの活用は書かれているが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献としては具体性が薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    デジタルサイネージ部門の強化という方向は示されるが、日本経済の構造転換に資する点は直接述べられていない。

  • 地域経済への波及4

    広島県府中市の地域企業として、地元の雇用拡大やUターン若者の採用による地域活性化が事例に具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は地元重視の一般看板に加え、全国で勝負できるLEDを駆使したデジタルサイネージ部門をさらに強化したい。内製化により雇用人数を増やし、Uターン志向の若者を積極的に雇用して地域活性化に貢献したい。次なる新商材の開発のため、今後も積極的な設備投資をしたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。