ものづくり補助金平成25年度製造業群馬県

航空宇宙分野の小型部品における加工技術の高度化と生産性の向上

株式会社ユー・コーポレーション

成果加工に要する総時間は30%削減

この事例のポイント

  • 航空宇宙分野の燃料噴射部品の製造において、高精度な小型部品の品質と生産性が課題となっている。
  • 小型航空宇宙部品は円筒状の比率が高く、小型スラスタ部品に適合した設備としてシチズンマシナリー製シンコムL20Ⅻ(7軸制御、主軸台移動計CNC自動旋盤)を導入した。
  • 加工に要する総時間は30%削減。小型スラスタ部品の試作により、加工に要する全工程の時間合計が約30%削減され、加工精度も従来以上の品質が確認できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ユー・コーポレーション
所在地群馬県 安中市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数220人
資本金2億円
設立1975年

事業の背景

日本の航空宇宙産業では、リージョナルジェット機の開発が進み、H-2Aロケットの打ち上げも軌道に乗り、商業化を視野に入れた開発が進んでいる。世界市場では小型の航空機やロケット、衛星の開発が盛んで市場規模拡大となり、競争が激化している。当社は加工技術や生産性の向上を目的に、最新鋭の工具活用、加工条件の見直し、技術者の育成などの取り組みを進めてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力航空宇宙分野の燃料噴射部品の製造において、高精度な小型部品の品質と生産性が課題となっている。
  • コスト・採算グローバル化の進展の中で海外との価格競争があり、人件費分を補うだけの生産効率が求められている。
  • 品質・精度精度向上と生産性の大幅な向上が求められている。

やったこと

小型航空宇宙部品は円筒状の比率が高く、小型スラスタ部品に適合した設備としてシチズンマシナリー製シンコムL20Ⅻ(7軸制御、主軸台移動計CNC自動旋盤)を導入した。シンコムによる加工方法を習熟し、工具の選定、加工工程・方法の検討、加工プログラミング作成、ワーク保持方法などについて技術開発を行った。①くし刃方式の刃物台による加工時間の短縮、②ガイドブッシュ方式による加工ワークの振れ低減、③高圧クーラントによる切削屑の除去、④プログラミング時間短縮、⑤段取り効率向上を重点項目として取り組んだ。試作品は社内で測定しながら検証した。その結果、従来と比べ加工に要した全工程の時間合計は約30%削減でき、加工精度も従来以上の仕上がりが確認できた。

加工機シチズンマシナリー製シンコムL20Ⅻ(7軸制御)主軸台移動計CNC自動旋盤

新しい製品・サービス:小型スラスタ部品の試作開発(航空宇宙分野の小型部品向け加工技術)

事業の効果

  • 加工に要する総時間は30%削減

小型スラスタ部品の試作により、加工に要する全工程の時間合計が約30%削減され、加工精度も従来以上の品質が確認できた。今後は航空宇宙分野の新規顧客開拓、医療や精密機器部品などの新規分野へ展開し、2020年に現在の2.5倍となる4,000万円程度の売上を想定している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組として加工技術や生産性向上に取り組んできたとあるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    航空宇宙市場の拡大と海外との価格競争に触れ、既存取引先IHIエアロスペースへの提案実績はあるが、競争優位の根拠は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    加工時間の削減、精度向上、コスト対応の課題を挙げ、加工に要した全工程の時間合計を約30%削減と数字で示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間を約30%削減し、2020年に現在の2.5倍となる4,000万円程度の売上を想定すると数字で示している。賃上げ目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    試作は社内で測定検証したとあるが、人材や事務処理体制の確保については記載がほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    航空宇宙の新規顧客、医療・精密機器の新規分野など顧客ターゲットを示し、IHIエアロスペースから高評価を得た点も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作から加工条件やプログラミング改善まで段階的に検討したと書かれているが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小型航空宇宙部品の精度と生産性を高める試作で、同分野の高付加価値化を狙う記述はあるが、普及度の数字は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    航空宇宙産業の市場拡大に触れるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    加工時間を約30%削減し、コスト削減と売上目標を数字で示しており、費用対効果の見込みがうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    くし刃方式や高圧クーラントなど新技術の活用はあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙分野という成長市場への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存取引先IHIエアロスペースへのコスト低減提案は高評価を受けている。2020年に航空宇宙分野で4,000万円程度、そのほか燃料噴射装置以外の部品製造で1,000万円程度、医療・光学機器部品分野で年間500万円程度の売上を目標とする。

  • 目標:現在の2.5倍となる4,000万円程度の売り上げを想定

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。